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詰将棋おもちゃ箱詰将棋美術館
アート展示室 No.103 本間晨一さん

詰将棋美術館
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
後手は持駒なし 10手以下

アート展示室No.103 本間晨一

盤上に玉1枚だけしかない裸玉は、左右対称を考慮すると玉位置は5筋×9段の45通りしかなく、可能な持駒の組み合わせは 3×3×5×5×5×5×19=106875通り。 この中から完全作を探す取り組みが何十年も行われているので、いまでは新たな完全作を見つけるのはかなり難しくなっています。 しかも、その性格上合駒が多数発生することが多く、完全かどうか検証するのも大変です。

通常は後手の持駒は残り駒全部となっているので、上記の106875通りに対し各1通りしかないわけですが、 受方持駒指定の場合には、後手の持駒もなしから残り駒全部まで多数の組み合わせが可能になるため、 可能な双方の持駒の組み合わせは通常の裸玉よりはるかに多くなります。 つまり、受駒持駒指定の裸玉の完全作は、通常の裸玉よりずっと多いことが予想できるわけです。 しかも、ほとんど発掘されていませんから、今なら簡単におもしろい作品が見つけられる可能性も高いと思われます。

本作のように後手持駒なしに限定した場合は、可能な組み合わせは45×106875通りで通常の裸玉と同じですが、 合駒がないので、通常の裸玉より詰みやすく、比較的少ない持駒で成立するので考えやすいですね。

本作は後手の持駒はなし、都玉の裸玉と、まさにアート展向けの美しさ。 合駒がないので龍を作りたくなりますが、9段目まで潜られると龍1枚では詰みません。 この9段目に潜られる順をいかに阻止するかが本作の考え所。 その答えは、初手58飛の限定打でした。 玉の逃げ方はいくつかありますが、逃げ方によっては駒余りになるので注意が必要です。 例えば58飛に44玉だと、49香、3×玉、38飛以下で香が余ります。 ということで正解は

  58飛、46(45)玉、49香、37(36)玉、39香、27(26)玉、
  29香、17玉、18(19)香 まで9手

もちろん左右対称の手順も正解です。

作者「5五玉(都玉)の裸玉です。 持駒飛香4で9手詰ですが、飛び道具だけなので考えやすく、それらの限定打を楽しめる仕上がりだと思います。 普通詰将棋での都の裸玉は夢の作品で未開拓ですが、玉方持駒なしの場合は、ひらめきだけで比較的簡単に発見できたのは意外です。」

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

松崎一郎さん:
初手は飛か香か。 9段目に香4枚が綺麗に並ぶ。
蛇塚の坂本さん:
初手の5八飛が、全てのように思える。
山下誠さん:
初手5八飛が限定打となるのが面白いところ。
S.Kimuraさん:
初手が考えどころなのが良いですね.
おかもとさん:
夢(?)の55裸玉が、後手持駒なしの条件だと、たったの9手詰とは。
中村丈志さん:
初手5八飛が秀逸だと思いました。
占魚亭さん:
受方持駒制限があるとはいえ都裸玉の初形が美しい。
inokosatoshiさん:
簡単に詰んでしまう。 う〜ん 作者の狙いが看破できない。
小山邦明さん:
三段目に詰方の歩が並び、玉方は51玉の配置で、持駒が角1枚、香4枚の作品を連想させます。

どちらも大駒をいつ使うのがポイントですね。

川石隆志さん:
角香4枚ならぬ飛香4枚
池田俊哉さん:
この形から初手58への限定飛打が出るのが良い。 ある意味「飛先飛香」? 4手目77か76玉としないと飛回りが出るので別詰めが出る。 まぁ欲を言えばそのあたりまで一解に絞れれば良かったが

アート展示室No.103 解答:11名 全員正解

  池田俊哉さん  inokosatoshiさん  S.Kimuraさん  おかもとさん
  川石隆志さん  小山邦明さん  占魚亭さん  中村丈志さん
  蛇塚の坂本さん  松崎一郎さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。