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詰将棋おもちゃ箱詰将棋美術館
アート展示室 No.101 本間晨一さん「四通八達」

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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
元に戻る 30手台

アート展示室No.101 本間晨一「四通八達」

本作の狙いは初形を見て分かる通り、飛角図式+金銀持駒。 「四通八達」の題名はこのことを表しています。 更に、出題コメントにあるように、還元玉で詰むのも狙いの一つ。 飛角図式+金銀持駒はこれまで2作ありましたが、還元玉で詰むのは本作が初めてです。

作者「飛角図式+持駒金4銀4(金一色+銀一色)+詰上り還元玉。
詰上りにおいて、飛角図式の46馬のみが不動ですが、持駒金銀8枚のうち2枚以外は消去することができたので満足しています。」

さて、どんな手順を経て元に戻るのか、見ていきましょう。

  59銀、同玉、48銀、同玉、

二枚馬が強いので、まずは玉を48に呼びます。 逃げる変化はいろいろあるとはいえ、この持駒なのでほぼ取る一手でしょう。

  37銀、同馬、39金、59(58)玉、

馬を37に呼んでから39金で一間龍を狙います。 取れば37龍で簡単なので、59玉(58玉)と逃げます。

  49金打、68玉、59金打、同馬、同金、同玉、

39金の拠点ができたので、49金打、59金打と追撃すると、逃げれば残りの金銀で並べ詰み。 同馬と取るしかなく、同金と清算します。

  48銀、69玉、58角、79(78)玉、69金、89玉、

48銀に68玉は57角以下。 69玉に金を温存して58角と捨てるのが好手で、89まで追い詰めます。
48角から58銀でも同じようですが、それでは後に76角とできないので、86龍に88歩合で逃れます。

  86龍、88金合、79金、同玉、69飛、78玉、68飛、同玉、

86龍に88歩合などでは、79飛、98玉、76角まで。 87に利かす金合が絶対です。 金合だとこの順は詰まないので、金と飛を捨てて68に呼び、この金の奪取を狙います。

  88龍、78馬(合)、59(69)金 まで31手

88龍と金が取れれば、還元玉で詰め上がり。 若干の非限定はあるものの良く捌け、この条件にしてはきれいにまとまったおもしろい作品でした。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

蛇塚の坂本さん:
No.101は今考慮中ですが、難敵です。

アート展はきれいな初形でも難解な作品もありますね。

山下誠さん:
飛角図式から金銀をうまく使って還元玉の詰め上がり。
松崎一郎さん:
金銀の山を握って右往左往、四苦八苦するも合駒の金で仕留める気持ち良さ。
S.Kimuraさん:
玉の行き場所が8段目と9段目しかないとはいえ,どちらに逃げたらよいのか途方に暮れていました.

限定されているところと非限定なところがあるので、ちょっと混乱しますね。

占魚亭さん:
飛角図式+持駒趣向+還元玉で、不動駒なし。 素晴らしい。
おかもとさん:
これはeurekaタイプの作品。 還元玉もおみごと。
池田俊哉さん:
かなりの難作で、金持ち持駒ではあるが、大駒三枚の守備は強力。 三銀打ち捨てで39金と手がかりを作り、馬を奪い取って詰み形へもっていく。 形から作ったかと思われるが、うまくまとまったもの
小山邦明さん:
97龍の横筋は通しておきたいので、9段目と8段目にまず駒を打ってからの37銀から39金が好手。 玉をまた8筋方面に押し返せて、86龍と飛を捕獲できて何とかなりそうな形になった。

アート展示室No.101 解答:8名 全員正解

  池田俊哉さん  inokosatoshiさん  S.Kimuraさん  おかもとさん
  小山邦明さん  占魚亭さん  松崎一郎さん  山下誠さん

当選者は、展示室で発表しています。