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詰将棋おもちゃ箱詰将棋美術館
アート展示室 No.100 松下拓矢さん「五重槍」

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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
玉と歩の軌跡に注目 20手台

アート展示室No.100 松下拓矢「五重槍」

八段目に並んだ5枚の歩、その下に控える香と龍。 第1回看寿賞を受賞した北村研一さんの名作「槍襖」全詰連HP)を思い出させる配置ですね。

作者「北村研一氏作「槍襖」のオマージュ。 8段目の歩をそれぞれ3回ずつ進めるという趣向で、類作は過去のくる展にも複数ありますが、 歩を5枚に増やし且つ理論上最短手数で実現させた点が本作の主張です。 玉を3×5の枠外に出せないため枠内の攻駒を取らせることで逃げ方を限定するしかないのですが、これが結構な難問。 良い練習になると思いますので、作図力を高めたい方は是非トライしてみてください」

本作「五重槍」は「槍襖」と比較して5筋に渡って展開されていること、そして、歩と玉以外の手を完全に排除(全着手歩、全応手玉)して、 純粋に歩で玉を追う手順にフォーカスしていることが特徴で、「槍襖」が本格的な趣向詰であるのに対し、 玉と歩の軌跡を楽しむアート作品になっています。

 

では手順を見ていきましょう。 配置駒で玉の移動が制限されていて、手順はすべて限定されています。

  17歩、15玉、16歩、26玉、27歩、36玉、37歩、46玉、
  47歩、56玉、

まずは1筋から5筋に左に移動。

  57歩、55玉、56歩、54玉、55歩、45玉、46歩、35玉、
  36歩、25玉、26歩、14玉、

今度は5筋から1筋に右に移動。 56歩を同角と取られる変化は、同香、同玉、58龍、57香合、同龍、同玉、66角、56玉、59龍以下27手。 龍の威力で捕まります。 また、55歩に44玉や45歩に34玉など、先に四段目に逃げる変化は33の歩を取られて歩が余ります。

  15歩、24玉、25歩、34玉、35歩、44玉、45歩 まで29手

再度右に移動してフィニッシュ。 玉の軌跡、歩の軌跡とも石垣のきれいな軌跡曲詰でした。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

蛇塚の坂本さん:
綺麗に5本の槍が、完成したのが、面白い。
山下誠さん:
8段目に並んでいた歩が5段目に並ぶ最終形は壮観。
松崎一郎さん:
初手から詰みまで攻め方は盤上の歩突きのみ連続15回。
S.Kimuraさん:
歩が1マスしか動かないときと2マス以上続けて動くときとがあるので,ややこしかったです.
占魚亭さん:
玉と歩が同じ軌跡を描く。
おかもとさん:
歩を規則的に突き出すようにしたいけど、むずかしいか。
池田俊哉さん:
玉と歩が描く4x5の四角形。 簡易型槍襖と言った趣きで、三段目に桂が成れることでうまく手順が限定できている
小山邦明さん:
玉の逃げ方を間違えると駒が余りそう。

アート展示室No.100 解答:10名 全員正解

  池田俊哉さん  inokosatoshiさん  S.Kimuraさん  おかもとさん
  川石隆志さん  小山邦明さん  占魚亭さん  蛇塚の坂本さん
  松崎一郎さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。