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詰将棋おもちゃ箱詰将棋美術館
アート展示室 No.98 本間晨一さん

詰将棋美術館
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
14手目に注目 10手台

アート展示室No.98 本間晨一

持駒なしの正飛角図式。 龍が動けば空き王手。 19龍が39角を狙っているので、ここは両王手で攻めたいところ。

43龍、94玉、93龍、85玉、84龍、76玉、75龍と追って、49玉、48龍まで行ければ詰むけど、 75龍に87玉、54角成、96玉とか反対側に逃げられるとダメそうです。

正解は98龍とこちらから両王手。 逃げ方は82玉、83玉の二通り。

82玉なら、92龍、73玉、72龍、64玉、63龍と尻からの龍追いで、37玉、36龍まで13手。 きれいに詰みましたが出題コメントに「14手目に注目」とあるので作意ではなさそうです。

ということで、83玉と逃げて、今度は93龍、74玉、84龍と横からの龍追いになります。

14手目29玉まで  98龍、83玉、
  93龍、74玉、84龍、65玉、75龍、56玉、66龍、47玉、
  57龍、38玉、48龍、29玉

ここで初形と比べてみると、玉以外は全く同じ。 玉が93から29までワープしたように見えて面白いですね。

最後19龍が利いているので18角成も28龍もダメ。 でも大丈夫、92角成と遠くから王手すれば、これで詰んでいます。

  92角成 まで15手

作者「全局面飛角図式です。 最終手9ニ角成(角)にて詰みとなりますが、その一手前の14手目の局面は、玉が9三から2九へ斜めにワープしています。 手順自体は角筋を利用したやさしい龍追いでよく見かけると思いますが、全局面飛角図式にまとめたのが工夫です。
なお2手目8三玉で8二玉の変化は、9二龍、7三玉、7二龍、6四玉、6三龍以下13手詰の早詰になります。 この変化の龍追いと本手筋の龍追いの違いの対比は面白いと思います。」

初形だけでなく、詰上りまでどの局面も飛角図式になっている全局面飛角図式。 14手かけて玉が93から29にワープするスケールの大きいワープ。 斜め龍追いが、作意だけでなく変化でも登場(初手43龍の紛れでも登場しますね)。 遊び心にあふれた楽しい作品でした。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

蛇塚の坂本さん:
2枚の角は動かず最後に上編の角が、一つ動く事で、止めを刺す所が、粋だネェ?
川石隆志さん:
14手目で、初形から玉が93から29にワープ
山下誠さん:
最後まで飛角図式を崩さずに、玉が2九へワープするのは愉快。
松崎一郎さん:
14手目で初形から玉だけワープしたみたい。
S.Kimuraさん:
最後に18角成とできなくて,少し慌てました.
占魚亭さん:
角のリーチを活かしたシンプルな手順。
おかもとさん:
この趣向で飛角図式になるとは、コロンブスの卵。
アート展98改作案
池田俊哉さん:
「14手目に注目」の意味はわからなかったが、二手目の変化で83玉なら横から82玉なら縦の龍追いになるのは面白い。 逆に29龍の形ならツイン手順を主張できるか?

2手目82玉・83玉が両方13手になって、両作意のツイン。 どちらも全局面飛角図式で、これも美しいですね。

小山邦明さん:
2手目を82玉だと、以下、92龍、73玉、72龍、64玉、63龍、55玉、54龍、46玉、45龍、37玉、36龍の13手詰と早詰ですが、こちらの追い方も楽しめました。

アート展示室No.98 解答:11名 全員正解

  池田俊哉さん  inokosatoshiさん  S.Kimuraさん  大塚康平さん
  おかもとさん  川石隆志さん  小山邦明さん  占魚亭さん
  蛇塚の坂本さん  松崎一郎さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。