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詰将棋おもちゃ箱詰将棋美術館
アート展示室 No.96 やよいさん
詰将棋美術館
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
対称がいっぱい 40手台

アート展示室No.96 やよい

初形は見ての通り斜め対称の無仕掛け図式。 対角線の両側に壁があって、玉の通る道が見えますね。

盤面の駒を数えてみると後手の持駒は角と歩が11枚。 角打角合で斜めに送る趣向が想像できます。 試しに77角と打ってみると88角合としてくれず98玉や89玉と逃げられるとどうも詰まないようです。

33角と成れる位置から打ったらどうでしょうか。 今度は98玉なら88金、99玉、78金、98玉、88角成で詰み。 89玉なら98銀と捨てて、取れば同じですから78玉と逃げて、88金、67玉、77金・・・と金追い趣向が始まります。 しかし44金、23玉、15桂、13玉であと一歩続きません。 ここで勘のいい方は「そうだ、33角でなく11角と打っておけば、44金、23玉、33金、13玉、22角成で詰みだ」と気づかれたかも。
11角と打った局面は、両方の対角線を軸として斜め対称、点対称にもなっていますね。
ともあれ、11角に逃げたら詰みとわかったので11角には88角合で、予定通り角打角合の手順に持ち込むことができました。

  11角、88角合、同角成、同玉、

再び無仕掛図式になって、玉は対角線にそって1路進みました。 続けて角打角合の手順を楽しみましょう。

  11角、77角合、同角成、同玉、
  11角、66角合、同角成、同玉、
  11(22)角、55角合、同角成、同玉、
  11(22)角、44角合、同角成、同玉、
  11(22)角、33角合、同角成、同玉、
  11角、22角合、同角成、同玉、

途中からは銀を捨てる必要がなくなるので、11角でも22角でも詰むようになります。
ここからは44角と打って収束かな、と思うと、12玉で、23銀、同玉、15桂、34玉であれれ。
ここで44金と打てるように、55(66、77、88)角と離して打つのがポイントでした。
55角に12玉は23銀以下詰むので、33角合。

  55(66、77、88)角、33角合、

33角合を取ってしまうと千日手コース。 角を取る前に34桂と楔を打ち込んで収束に入ります。 この30手目33角合まで、これまでずっと斜め対称局面 が続いていたことに気がつかれたでしょうか。 まさに対称がいっぱいですね。

  34桂、12玉、23銀、同玉、33角成、同玉、11角、34玉、
  44金、23玉、33金、13玉、22角成 まで43手

最後は変化で何度もでてきた形で清涼詰。 両側の壁が崩されることはありませんでした。

作者「斜め対称の無仕掛図式で、手順は配置と持駒から予想される通り角打角合です。 角の打ち場所が中途半端に限定されているのは少し気持ち悪いですが、止む無しです。」

初形だけでなく対称が、そして無仕掛がいっぱい楽しめる作品でした。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

占魚亭さん:
角打角合で玉落とし。 楽しかったです。
松崎一郎さん:
各交換の繰返し(7回)後の55角で収束形がイメージできました。
蛇塚の坂本さん:
徹底した角と角との闘い面白い。
山下誠さん:
対角線上を角打・角合の連続。 遠角が繰り返される楽しい作品。
S.Kimuraさん:
玉を22まで釣り上げるところまでは行けましたが,その先が難しかったです.
池田俊哉さん:
角打角合で斜め移動。 30手目まで斜め対象が続くが、11角限定のところと22角でも良いところが混在するのはちょっと残念だったかも (22角で良いところはあえて22角としました)

作意も22角でしたが、11角から読む人が多いかな、というところで、作者と相談して11(22)角の表記にしました。

inokosatoshiさん:
現代アート作品を観るよう
中村丈志さん:
収束が攻め駒二枚になり良かった。
おかもとさん:
記録より、角打角合をもっと続けたかった、かも。

アート展示室No.96 解答:9名 全員正解

  池田俊哉さん  inokosatoshiさん  S.Kimuraさん  おかもとさん
  占魚亭さん  中村丈志さん  蛇塚の坂本さん  松崎一郎さん
  山下誠さん

当選者は、展示室で発表しています。