初形は見てわかる通り、持駒なし、成駒なしの正純飛角図式、しかも守備駒なしの無防備図式です。
そして詰め上げると分かるのですが最後は3枚の煙詰。
つまり、本作は無防備正純飛角煙です。
27に強力な飛がいるのですが、せっかくの飛筋を26の角が塞いでいます。
この角を何とか消せないか? それが本作のポイントです。
玉を13に呼べば35角上で飛筋を通せることに気づけば、15飛→13飛成、35角上→13角成という飛角連捨てを思いつくかもしれません。
でも、こんな虫の良い手順が成立するのでしょうか。
15飛、イ24玉、13飛成、ロ同玉、35角、ハ14玉、13角成、同玉、
イ 23玉は作意同様13飛成でも詰むが、22角成、同玉、44角以下15手で早い
ロ 34玉は、33角成、45玉、15龍、54玉、24龍、65玉、67飛、75玉、53角成以下19手
ロ 25玉は、15龍、34玉、37飛、35歩合、同飛、44玉、24龍、53玉、33飛成以下19手
ハ 24桂合は、同角、14玉、13角成以下作意順で詰むので無駄合(桂以外の合は同角以下早い)
ということで、変化が複雑ですが、飛角を消して13に誘導することに成功しました。
この形になれば、馬を作り、龍を作っておなじみの手順になります。
22角成、14玉、23飛成、15玉、
33馬、16玉、34馬、17玉、35馬、18玉、36馬、19玉、
37馬、18玉、28馬(28(27)龍) まで23手
正飛角図式でいきなり飛角2枚を捨ててしまうのは、ちょっとおもしろく、一転して馬追いのくるくるになって、最後は龍馬2枚で煙詰。
様式美あふれる作品でした。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- あいうえおさん:
- 「6手目合は無駄合」とのことですが、6手目に合駒をすると▲同角以下2手増えて25手詰みで駒余り、ということでしょうか。
そうです。 同角と取って合駒しなかった場合と同手順で詰むので無駄合になります。
- 占魚亭さん:
- きれいな純正飛角図式。
- 松崎一郎さん:
- 13の地点への飛と角の成捨て(盲点その1でした)、それにより22角成〜23飛成が可能となり(盲点その2でした)、二筋の竜の効きによる馬の追い詰めですね。
- 蛇塚の坂本さん:
- ヒントの6手目は無駄合いはありがたった。
- 山下誠さん:
- 飛角をあっさり捨てて、大駒2枚で追うスッキリした手順。
2手目2三玉の変化もきれい。
- S.Kimuraさん:
- 飛と角が邪魔駒だったとは思いませんでした.
- 池田俊哉さん:
- 2手目23玉(作意通りは変別?)、4手目34玉の変化が手強いが
それを越えればミニ趣向と言った趣き
- inokosatoshiさん:
- 6手目2四桂は無駄合か…残念
- 中村丈志さん:
- 無駄合いのヒントの意味がわからなかった。
桂合限定だったり、23玉の短手数変化が生じたりするので、有効合と混乱しないように書きました。
- おかもとさん:
- この形から、飛車と角を両方とも13に捨てる手順が成立しているとは。
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