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詰将棋おもちゃ箱詰将棋美術館
アート展示室 No.81 やよいさん 「八卦」
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
玉は動かない 10手台

アート展示室No.81 やよい 本作は都の不動玉ですが、実は2019年3月の「やよい個展 八十箇所めぐり」の番外図。 5作あわせて全格巡りとなりました。

作者「守備のと金が玉の周りを1周する軌跡曲詰で、2019年3月に開いていただいた個展の番外図です。 個展のタイトル「八十箇所めぐり」を見て、残った1か所(都玉)で何か作らねばと取り組んだものの、完成まで2年弱かかってしまいました。
内部構造の詳説は省きますが、作図上は「初手45と」「初手56と」の紛れと「2手目44同桂」「6手目46同龍」の変化を全て割り切るのが最大の難関でした。 駒取り3回は嫌われそうですが、こうするしか無さそうです。」

「八卦」の題名から予想した方もいたかもしれませんが、本作の主役は54のと金。 このと金が玉の周囲8か所をぐるっと巡り元に戻って詰みあがると金の軌跡曲詰です。

と金の回転というと思い出すのが久保紀貴さんの「モーメンと」(詰パラ2019年5月、半期賞)です。 下記で紹介されています。

「モーメンと」はと金が6か所をぐるっと回ります。 本作は玉の周辺8か所巡りということで、「八十箇所めぐり」の番外図にふさわしい趣向といえるでしょう。

作者のことばからもわかるように、実現するのはかなり大変で、配置からも苦労が伝わってきます。 変化紛れが気になる方は棋譜ファイルで確認いただくとして、ここでは実現された作意手順を鑑賞しましょう。

  44銀不成、同と、45と、同と、46銀、同と、56と、同と
  66銀、同と、65と、同と、64角、同と、53飛成、54と
  64銀 まで17手

54とがノンストップで見事に玉の周りを一周、元に戻って詰みという、と金の軌跡曲詰でした。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

山下誠さん:
最小手数でと金の1回転とはまさに職人芸。
小山邦明さん:
「と金」が一周するとは思いませんでした。 受方の龍の利きをうまく外した詰手順でかなり苦労しました。 変化に出てくる77角に気付くのにも時間がかかりました。
占魚亭さん:
と金が玉の周りをぐるっと一周。 お見事!
S.Kimuraさん:
と金が8枚の掛ける布といったところでしょうか.
inokosatoshiさん:
玉の周りをヨチヨチと動くと金がかわいい。 「八掛」命名の由来は何でしょう? 「八掛」は着物の裏地の事だったような… 盤面全体が着物で歩の裏(と金)地の例えでしょうか?

すみません、「八掛」は「八卦」の間違いでした。 作者並びに見ていただいた皆さまに深くお詫びいたします。

おかもとさん:
こ、これはすごい。呈賞もの。
小林巧さん:
確かに玉は動かない。 何処にも行かないのにGOGOの玉とは、此れ如何に。 と金の周辺巡りは、楽しい遊覧でした。
池田俊哉さん:
不動玉の周りをグルっと一回転する「と金」のルントラウフ
一手ごとの変化も多く、なかなか考えさせられる作品になっている。 好作
大西さん:
守備駒5四との軌跡曲詰。 移動合で元の位置に戻す辺りが特に素晴らしく感じられました。

アート展示室No.81 正解:9名

  池田俊哉さん  inokosatoshiさん  S.Kimuraさん  大西さん
  おかもとさん  小林巧さん  小山邦明さん  占魚亭さん
  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。