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詰将棋おもちゃ箱詰将棋美術館
アート展示室 No.71 大西智之さん
詰将棋美術館
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
「\」その1 10手台

アート展示室No.71 大西智之 簡素図式がお得意の大西さん。 本作も盤面3枚持駒4枚の、「Limit 7」に載っていそうなシンプルな初形です。

通常、飛角図式といえば、玉と飛角4枚が盤面に配置されている詰将棋(持駒は任意)のこと。 本作では飛角が1枚ずつで、 飛角図式に比べて作例はずっと少ない条件です。 特に名前はないようですので、ここでは仮に飛角1枚図式と呼んでおきます。

本作と次作は、両方とも 初形 「\」 の飛角1枚図式で、更に一色持駒 という三重条件の姉妹作です。

角飛のバッテリーで空き王手できる形。 飛が動けるマスは16もありますが、さて正解は?

  18飛!、69玉、

18飛の最遠移動が正解でした。 69玉、59玉と9段目を追っていくので、途中で飛を取られないようにというシンプルな意味付けで限定されています。

  78銀、59玉、68銀、49玉、

左側から銀を打って右に追っていきます。 同じように続けて58銀、39玉、48銀、29玉となっては失敗。 68銀のところで86角、48銀のところで75角とすれば銀を2枚節約することができますが、それでも29玉に38銀、18玉、29銀打、17玉と逃げ出されてダメ。 どこかで右に行くのを阻止する必要があります。 それが49玉となった今、58銀ではなく38銀と右から打って挟み撃ちを狙います。

  38銀、39玉、75角、48歩合、同角、同玉、

38銀に58玉は59銀打まで。 48玉も49銀、39玉、75角まで。
39玉の一手に75角と合駒請求。 取られる合駒なのでとりあえず歩合。 実は香合でもほぼ同じ、 また、角合でも同手数(いろいろな詰みあり)。 ということで、非限定ですが、素直に歩合しましょう。

  49歩、39玉、48銀 まで15手

49歩に58玉は59(69)銀打まで。 こちらも正解です。

作者 「(本作と次作の)2作品はいずれも一種持駒(本作は銀4枚、次作では桂4枚)であり、 攻方は飛角共に1枚、玉と共に「\」を形成する初形曲詰の趣向作となります。」

三重条件のシンプルで美しい初形から飛の最遠移動が飛び出す楽しめる作品でした。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

山下誠さん:
初手の最遠移動と3八銀がポイント。詰め上がりも美形。
占魚亭さん:
初手の最遠移動が見事。
津久井康雄さん:
5手目は86角と節約するものと思い込みひとしきり考え込みました。楽しいパズル。
蛇塚の坂本さん:
7五角の覗きと合い駒狙いが気持ち良い。
S.Kimuraさん:
銀を4枚並べて詰みと思いましたが,甘かったです.
小山邦明さん:
18飛と動かすと玉の逃げ場所が少ない事にびっくり。 10手目の合駒は角でも15手以内では詰まないように思うが余詰が多いので歩合が最善。
おかもとさん:
うむ、この初手が成立しているのか……
池田俊哉さん:
この初形-持駒から最遠移動が入れば満足。 10手目の合非限定をとやかく言うのは望蜀か
ハマGさん:
金なしでもうまく詰むものだと感心します。

38銀まで19手解。 手順を確認して詰んでいるようならご連絡ください。


アート展示室No.71 解答:10名 正解9名

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  おかもとさん  小山邦明さん
  占魚亭さん  津久井康雄さん  蛇塚の坂本さん  山下誠さん
  米澤歩登さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。