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詰将棋おもちゃ箱詰将棋美術館
アート展示室 No.69 やよいさん
詰将棋美術館
詰将棋美術館

棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
10手台。詰将棋美術館では芸術的な美しい詰将棋を紹介

アート展示室No.69 やよい 詰将棋は、図面(初形、途中図、詰上り)と手順から構成されます。 そのいずれか(または両方)について、美しさを求めて趣向を凝らした詰将棋を紹介しているのが、詰将棋美術館です。 詰将棋美術館作品一覧で、タイプ別に作品を並べているので、お好みの作品をご鑑賞ください。

手順の中で、ある駒の軌跡で形を表現するタイプの詰将棋を軌跡曲詰と呼びます。 本作も軌跡曲詰ですが、一つの駒だけでなく、なんと3つの駒の軌跡がそれぞれ形になっているというトリプル軌跡曲詰59の玉44の馬63の馬の軌跡に注目して手順を並べてみてください。

まずは26馬と右の馬で王手。 受方の持駒は歩しかなく、48歩は二歩で打てないので、58玉とかわします。
今度は85馬と左の馬で王手。 67歩は二歩で打てないので、57玉の一手。

  26馬、58玉、85馬、57玉、

ここで48馬が気持ちのよい捨て駒。 同玉は、39金、同玉、49馬以下で15手。 56玉と逃げると17手なので、こちらが正解です。
続いて67馬とこれも気持ちのよい捨て駒。 同玉は、77金、56玉、66馬以下で15手。 65玉と逃げるのは76馬で簡単。 今度も55玉とまっすぐ引くのが正解です。

  48馬、56玉、67馬、55玉、

66馬右、54玉で45馬とまたまた馬捨て。 同玉は35金、54玉、44金まで。 43玉は34馬、54玉、44馬右まで。 正解はやはり53玉と引く手です。

  66馬、54玉、45馬、53玉、

いよいよ大詰め。 44馬左、52玉、63馬と、2枚の馬が元の位置に戻って収束します。

  44馬左、52玉、63馬、51玉、11龍 まで17手

21歩合もできないので、これで詰上り。

作者 「玉(縦移動)と2枚馬(1回転)のトリプル軌跡曲詰です。 最終手を何にするかは多少悩ましいところで、「62馬右」とすれば駒数を減らせるのですが、1回転した馬をさらに動かしたくなかったので本図のようにしました。」

玉と2枚の馬の軌跡を確認してみると、右図のように玉はノンストップの縦一線、2枚の馬は、右の馬が時計回り、 左の馬が反時計回りに1回転して元の位置に戻るという、見事な軌跡曲詰になっているのがわかります。

軌跡曲詰は詰将棋美術館メモ 4 軌跡曲詰でリストされています。 これまでダブル軌跡曲詰はあったものの、トリプル軌跡曲詰は本作が初めて。 その3つの駒の軌跡が、最短の手順で美しく融合されています。 軌跡曲詰の歴史にあらたなページを開いた作品として記憶に残る作品です。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

のくせにさん:
玉も馬も美しい。
金少桂さん:
玉の一直線軌跡曲詰+馬のルントラウフ×2とはものすごい内容。
アート展なので作意は直観でわかるが、どうしてそうなるのか理解するのが難しかった。
馬が下に来る所は特に難しそうなのに2連続取れない馬捨てでよく成立している。

ルントラウフはチェスプロブレムの用語で、ある駒が複数地点を経由して元の位置に戻ること。 本作では、ルントラウフということだけではなくきれいに1回転しています。

山下誠さん:
2枚の馬で玉を一直線に定位置まで追い込む、楽しい趣向。
S.Kimuraさん:
これが記録展示室でないということは,他にも59から51に行く作品があるのでしょうか.

玉が59から51まで移動する短手数記録ということでは本作しかありませんが、 その条件だけだと簡単に作れるので、記録の項目にはしませんでした。

津久井康雄さん:
5筋がスッキリしてるなあと思いきや。馬の動きがいい。
蛇塚の坂本さん:
見事な玉の縦移動と最終手1ー龍がシブイ決め形
占魚亭さん:
2枚馬の一周(!)で玉の軌跡が霞んでいる(笑)。
Pathfinderさん:
馬の描く二重らせん。よく見たら馬が元の位置に戻っていて驚いきました。
池田俊哉さん:
玉の縦一直線軌跡詰?どちらかと言うとくるくるの感触

玉だけではありませんでした。

鳥本敦史さん:
アート展+作者名がヒントになりました。 単に一直線に追うだけでなく馬で楽しく追うのがいいですね。
小山邦明さん:
アートというより馬の押し売りの趣向作という感じ
おかもとさん:
31王とかを置いて、最終手41馬迄としたほうが、手順的にはキレイかも?

全着手馬になりますね。 でも本作は馬が元の位置に戻るのも狙いなので・・・ 作者のことばをごらんください。

ハマGさん:
王様のバックジャンプ

アート展示室No.69 解答:13名 全員正解

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  おかもとさん  金少桂さん
  小山邦明さん  占魚亭さん  津久井康雄さん  鳥本敦史さん
  のくせにさん  Pathfinderさん  ハマGさん  蛇塚の坂本さん
  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。