次ヘ
次ヘ
詰将棋おもちゃ箱詰将棋美術館
アート展示室 No.61 eureka
詰将棋美術館
詰将棋美術館

棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
合は希望限定 19手

アート展示室No.61 eureka 2番目の作品は初形盤面や持駒には趣向はなさそうで、普通の飛角図式に見えます。 さて、何が飛び出すのでしょうか。

初手68龍とか36龍など有望そうな手が多くて迷いますが、68龍は27玉、36龍は37歩合ぐらいで続きません。 最初から27銀と捨てるのが好手。 同玉なら25飛、38玉(37玉は35飛以下)、68龍、39玉、28銀と打っていって詰みなので、これは取れず、 39玉と角を取って逃げます。 以下69龍、28玉は自然な展開。

  27銀、39玉、69龍、28玉、

ここで58龍などでは27玉と銀を取られて失敗。 19龍とズバッと切るのが正解です。

  19龍、同玉、

これで詰むのか不安になる形。 28に逃げられてはダメなので、37角と合駒請求します。 28歩合なら、15飛、29玉、38銀打、39玉、19飛以下なので、19飛を防ぐ銀・金・角の合が必要ですが、金合は取って簡単。 とりあえず28銀合としてみましょう。

続いて49飛と迫ると、合駒は飛角金銀のいずれかで、飛金合は取って簡単。 これも29銀合としましょう。

  37角、28銀合、49飛、29銀合

ここまでくれば、読み切るのは難しくないでしょう。 2枚の合を両方共取って収束します。

  29同飛、同玉、38銀打、19玉、28角、同玉、37銀打、19玉、
  28銀 まで19手

詰め上げてみると、なんと四銀詰(右図)。 最後は39玉や17玉もありますが、どう逃げても四銀詰になります。

28銀合、29銀合のところは、角合でもほぼ同手順で詰み。 ただし37銀のところ37角の別詰も生じるので、作意は銀合にしています。 いわゆる希望限定で、痛いキズ。

このキズがあるのでボツにしようかと思っていたのですが、 飛角図式からの四銀詰は初めてなので、 今後どなたかがキズのない作品に挑戦することを期待して、一つのサンプルとして出題することにしました。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

津久井康雄さん:
新ヶ江氏の名作を思い起こしました。非限定は惜しい。

アート No.50でも紹介している塚田賞、看寿賞も受賞した四銀詰の名作。
新ヶ江幸弘 四銀詰(近代将棋1979年11月) 棋譜ファイル

山下誠さん:
アートらしく8手目は銀合、18手目は1九玉としてみた。
池田俊哉さん:
初手27銀が決め手。 どっちの銀合が角合でも良いのかな、でもここは四銀詰にするでしょう、収穫の一作
占魚亭さん:
希望限定なのは惜しいが、四銀詰になるとは!
高田明浩さん:
白銀の世界に、驚き!
波多野賢太郎さん:
序盤がとても手広くて難しかったです。 でも、あっと驚く四銀詰となり苦労した甲斐がありました。傑作ですね。
S.Kimuraさん:
銀4枚で詰め上がるとは驚きました.
18手目は19に逃げました.

皆さん、作意を忖度していただいたようで、うれしい限り。


アート展示室No.61 解答:7名 全員正解

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  占魚亭さん  高田明浩さん
  津久井康雄さん  波多野賢太郎さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。