詰将棋おもちゃ箱詰将棋美術館
アート展示室 No.58 おかもとさん 「鳥越九郎氏に捧ぐ」
詰将棋美術館
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
変同あり 20手台

アート展示室No.58 おかもと 左右対称の実戦初形の詰将棋。 初の後手実戦初形配置の詰将棋は、1981年3月に内藤國雄九段が東京新聞に発表した71手詰で、大きな話題を呼びました。 その後たくさん作られ、先手実戦初形配置の詰将棋も創作されています。

左右対称の実戦初形の詰将棋は、麻下朝華さんが左図をブログで発表しています (Thousand Days - 2014年賀状問題)が、 これは駒余りなので、完全作としては本作が初めての作品です。

本作のもう一つの大きな特徴は、上段はおろか中段にも詰方の駒が1枚もないことで、これも実戦初形では初めてです。

本作は「鳥越九郎氏に捧ぐ」と命名されています。 鳥越九郎さんは残念ながら2013年に亡くなられましたが、 鳥越九郎さん逝去でも書かれているように、ユーモアあふれる詰将棋で知られた作家。 本作のぶっ飛んだ発想も鳥越さんのユーモアにつながるところがありますね。

中段に全く駒がなくて、一瞬これで詰むの?と思いますが、実際に駒を並べてみると後手は持駒なしであることがわかります。 ということは、53飛成と飛び込めば移動合するしかなく、52で清算すればなんとかなりそうです。

  53飛成、52金、同龍、同金、同香成、同飛、同香成、同玉、

金2枚と飛の順番は非限定です。

続いて53歩、54歩と叩いて、中段につりだします。

  53歩、同玉、54歩、64玉、

53歩に61玉は51飛以下。

54歩に逃げ方がいろいろありますが、持駒飛角金金と強力なので、42・52・62に下がる手は簡単。 また54同玉は、52飛、53歩合、55金と送って早く、44または64に逃げるのが正解。 作意は64玉ですが、ほとんど対称なので44玉も対称手順で詰みます。 ちょっと混乱するかもしれないので、出題コメントで「変同あり」と書いた次第です。

  86角、75香合、同角、74玉、

ぱっと見える53角は54玉と歩を取られて続かず、86角とこちらから打ちます。 これに対し、75香と合駒して同角に74玉と潜り込むのが巧妙な受け。

  65金、同玉、66歩、56玉、55飛、同玉、46金、54玉、
  55香、44玉、53角成、34玉、35金(馬) まで29手

65金捨てから66歩がちょっと指しにくい好手。 入玉されないよう55飛と引き戻すのが決め手で、以下は手順の収束です。

左右対称の変同があるので、75金(馬)まで29手も正解です。

作者 「拙作の採用、ありがとうございます。 どうせなら、12角92飛のほうがよかったかな。」

その心は受方から見て「エロ」かな。 鳥越九郎さんにも未成年者禁止の詰将棋があったような。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

長谷繁蔵さん:
53飛成・・・53歩、同玉、54歩、同玉、52飛、53歩合、55金、同玉、53龍、54香合、46角以下歩余り ギブアップ

54歩に64(44)玉とかわすのが正解でした。

山下誠さん:
初形はこれ以上ないというほどの実戦美形。手順もまずまず。
S.Kimuraさん:
実戦初形の詰将棋はあまりないように思いますが,長手数の記録などはあるのでしょうか.

添川公司さんの「カオス」でしょうか。 近代将棋1984年12月発表の113手は余詰あり、詰パラ2012年8月読者サロンに修正図が掲載されています(103手、手順未発表)。

市橋宗士さん:
▲5三飛成以下、いろいろ詰み筋があり、変化を読み切れていません、
時間切れのため、今月はここまで。(ごめんなさい・・・)
小山邦明さん:
2手目はどちらの金でも良い非限定の手順だと思いますが、初形は非常にきれいですばらしい。
池田俊哉さん:
ド派手な駒交換から53歩-54歩と釣り出してからが本番。 65金や55飛の捨駒が好感触。 12手目44玉は厳密にいうと変同?

22角があって対称ではないので、変同ですね。

占魚亭さん:
既視感のある手順だけど、何だったかなぁ……。

アート展示室No.58 解答:6名 全員正解

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  おかもとさん  小山邦明さん  占魚亭さん
  山下誠さん

当選者は、展示室で発表しています。