|  詰将棋美術館は、初形、詰上りや詰手順を含めて、芸術的な美しい詰将棋を紹介するコーナー。
    詰将棋作家は美しさを求めて、いろいろ趣向をこらした作品を創作してきました
    (詰将棋美術館作品一覧を参照)。
    見ただけでわかるので、初形趣向の作品が多いのですが、周辺巡りなど、駒の軌跡で形を作る
    軌跡曲詰も創作されています。 
 本作は珍しい、玉と角2枚の駒によるダブル軌跡曲詰。
    53玉、54角、2枚の駒に着目して手順を見ていきましょう。
 
 62銀不成、44玉、45歩、同角、
 35銀、55玉、56歩、同角、
 46銀、64玉、65歩、同角、
 73銀不成、53玉、54歩、同角、
 62銀不成 まで17手
 
 
  「銀、玉、歩、角」のパターンを4回繰り返し、玉と角がきれいに1回転、元の位置に戻りました。
    そして、初手と同じ62銀不成でフィニッシュ。 
 軌跡曲詰は形を一度に見ることができず、手順を追って頭の中で形を作らなければいけないので、できるだけ余分な要素を排除してわかりやすくすることが大事。
    その点、本作は、詰方の手も銀、歩の繰り返しで統一。
    余分な手も全くなく、理想的な軌跡曲詰です。
 
 作者 「玉および守備角の1回転で、攻方の手を銀歩に限定したところが工夫点です。」
 
 初めてではありませんが、2種の駒によるダブル軌跡曲詰は珍しく、記憶に残る作品と思います。
 
 それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
 
      山下誠さん:
      玉と角が無駄のない二重螺旋運動をして還元する。アートです。
     
      占魚亭さん:
      中段での見事な受方角の一回転。初手と最終手が同一手なのもいいですね。
     
      蛇塚の坂本さん:
      角の翻弄と銀の追いカケッコ面白い。
     
      高田明浩さん:
      カクカク動く角。
     
      小山邦明さん:    
      銀と角の「くるくる作品」と呼んでも良い楽しい作品でした。
     
      S.Kimuraさん:  
      最初は,8かS字のあぶり出しかと思いましたが,動く駒が銀玉歩角の繰り返しになるのですね.このような動きのアートも面白いと思いました.
 
      松本浩一さん:
      王と(歩)角の一周回、楽しい綺麗な作品です。
     
      Pathfinderさん:
      見事な角の一回転。初手と最終手が同じというのも面白いです。
     
      池田俊哉さん:
      角と玉のダブル・ルントラウフ。三手目と詰め上がりを見比べてみると攻方66歩の邪魔駒消去、と言う一面もある
     ルントラウフとは、何手か移動して元の位置に戻ること。チェスプロブレムの用語です。 
      ハマGさん:
      角さんお供にちょいと一回り
     
      キリギリスさん:
      玉と角が一回りして楽しい。
     
      波多野賢太郎さん:
      銀、玉、歩、角の順に繰り返される手順がリズムがあって、うまくできてるなあと思いました。
      玉が元に戻ってくるのもいいですね。
     
      攻めダルマンさん:
      角を操る手順面白い。
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