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詰将棋おもちゃ箱詰将棋美術館
アート展示室 No.39 eureka
詰将棋美術館
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
飛打から送りで龍を作る 21手

アート展示室No.39 eureka 8月8日に行われた第8回たま研では、初形曲詰講義として、利波偉さんの「覚えておきたい初形曲詰」のあと、河内勲さんによる初形曲詰の創作についてのお話がありました。 それに合わせて、課題も「初形曲詰」でした。 参加した鈴川優希さんの詳細なレポートを第8回たま研参加記 #1#2で見ることができます。

本作と次のアート展No.40(青木裕一さん)は、その課題作として応募された作品です。 両作共残念ながらボツになりましたが、内容的にアート展にふさわしい作品ということで、今回出題させていただきました。

本作はeurekaの作者名で分かるように、コンピュータ創作の作品です。 昨年、詰将棋創作プログラミング 4 初形曲詰を作るで、「/」(77−33)の都玉飛角図式を検索するプログラムを開発しました。 今回はそれを少し変えて、「一」(75−35)の都玉飛角図式を検索してみました。 全検には時間がかかりすぎるので、持駒3種以内かつ8枚以内に限定しています。

すべての組み合わせを柿木将棋で検討し、見つかった完全作候補の中でもっとも美しかったのがこの作品です。 「一」の都玉飛角図式で、詰方飛角玉方龍馬と対になっていて、持駒は金銀の2種と、これ以上は望めない初形。

手順はコンピュータ創作らしくかなり強引で、初手龍を取って更に76銀と捨てて73飛から龍を作ることを狙います。 ちょっと人間には読みにくい順なので、出題コメントでヒントを出したのですが、変化が多くそれでも大変。 解くよりも鑑賞して楽しむ作品ですね。 展示室は将棋ソフト利用は問題ないので、解く気がしないときは遠慮なく活用して鑑賞してください。

  65飛、同玉、76銀、同玉、73飛、75歩合、

この75歩合は、香合桂合でも同手数(余詰あり)の希望限定。 本作で唯一の非限定箇所です。

  77銀、同玉、75飛成、76桂合、86銀、87玉、88歩、同玉、
  79金、99玉、98金、同玉、95龍、87玉、97龍 まで21手

76歩合では、86銀、87玉、98金、78玉、79金、67玉、68金、56玉、57金まで金追い趣向で19手。 桂合はこの68金を防ぐ意味です。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

陽気なわらしべ長者さん:
芸術性が富んでいたがそれ以上に難解性もあった。バランス良し!
山下誠さん:
きれいな飛角図式の初形曲詰。初手の駒取りに意表を衝かれました。
キリギリスさん:
初形はシンプルですが、途中は手掛かりもなく上部に追う形なので難しかったです。
隅の老人Bさん:
綺麗な初形の飛角図式だが、詰手順はいささか強引。
変化が煩わしいので、詰んで「ヤレヤレ」の感もあり、です。
小山邦明さん:
初形はきれいだが、ヒントの「飛打から送りで龍を作る」がなかったらどうやって手を付けたらよいかわからなかった。 6手目は歩合でなく香合でも早詰みはなく、非限定だと思うがこの初形でこの手順は、コンピュータでなければ発見が難しいと感じた。

出題されれば解答があるのがわかっているので、まだ考える気がしますが、創作するときに持駒も確定してない段階でこういう手順を読むのは人間には厳しいですね。 そういう作品が見つかるという点ではコンピュータ創作の意義があるかも。

池田俊哉さん:
<ヒントもらいましたが機械に頼りました>
初手はそうかな、と思ったが76銀が意表を突く。ただ端に追ってごちゃごちゃと詰ます順は詰将棋としては面白味に欠けていそう...
占魚亭さん:
初形が素晴らしい。
S.Kimuraさん:
玉を下段に追い詰めるのかと思っていたので,99まで行ったのは意外でした.

アート展示室No.39 解答:8名 全員正解

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  キリギリスさん  小山邦明さん  隅の老人Bさん
  占魚亭さん  山下誠さん  陽気なわらしべ長者さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。