- 作者:
- 本作は、初形密集形で使用駒にも趣向を凝らしてあります。
飾り駒もなく、キズもなく仕上がったのはとても幸運でした。
作者のことば通り、玉を中心に銀4枚、飛角4枚、香歩の外輪と、美しい駒の花火が花開きます。
みごとに近代将棋2008年4月号で入選しましたが、誤植のため5月号で再出題、更に突然の休刊で解答が発表されなかったため、作者の希望によりおもちゃ箱で再出題しました。
12か23からほぐすしかなさそうですが、玉方も強力で、簡単には詰み形が見えてきません。
まずは12銀成から進めてみましょう。同銀か同馬か。
同銀なら33飛成が強手。43銀成から32飛成で、13玉に31角とすれば、飛金銀合はばらして簡単なので桂合ですが、それでも同角成と取って25桂と捨ててから22龍と切れば33角から24銀がぴったりです(19手)。
同馬なら・・・同飛成・23銀成・23飛成といろいろあって迷いますね。
1)同飛成、同銀、11銀、13玉、22角、同馬、同銀、同玉、11角、13玉でちょっと足りない
2)23銀成、同馬寄、同飛成、同玉・・・馬が強くて無理そう
3)23飛成 これには同馬上か同馬寄か
a)同馬上なら21飛成としたくなりますが、これは失敗。11銀、13玉と拠点を据えてから23銀成とします。
同玉なら33飛成から22角。23玉には13角成、32玉には31角成で離し角で詰み。
同馬なら22でばらして11角とすればOKです。
b)同馬寄なら、すぐに同銀成は同馬で31飛が浮いてるのでダメ。11銀が馬をどける好手です。
でも11銀に13玉と逃げられたら? 23銀成、同馬から22でばらして11角でOK。
そこで11銀には同馬の一手。こうしてから23銀成とすれば同玉しかなく、手が続きそうです。
ここでも32角か32銀か。32角だと22玉で31飛が浮いていてだめそうなので、32銀とします。
13玉なら11飛成から22角。33玉も43銀成、23玉、32角、12玉、13香で11飛成以下の詰み。
22玉なら13角、33玉、43銀成、23玉、33成銀、同馬、同飛成以下21手駒余り。
12玉なら21角として、13玉でも22玉でも23銀成と捨てて32角成で詰み形。21手できれいに詰み、これが正解です。
ふぅ。なんとか詰みましたが、初手23銀成は?
23銀成、同馬(同銀は11飛成以下)、12飛成、同馬上(同馬引は33銀以下)、33銀、同馬(13玉は12銀成以下)、12銀成、31玉(同玉は13銀以下)で逃れ。きわどく詰みません。
12銀成、同馬、23飛成、同馬寄、11銀、同馬、23銀成、同玉、32銀、12玉、21角、13玉、
23銀成、同玉、32角成、12玉、11飛成、同玉、33角、12玉、22角成(22馬)まで21手
変化紛れがすごく、正解は7名にとどまりました(変別の解答もあり、正解として扱いました)。
すべて割り切れていますので、分岐棋譜でご確認ください。
本作は解いて楽しむより、きれいな形、きれいな手順、きれいな詰上りを並べて鑑賞すべき作品かもしれません。
解けなかった方もぜひ上記の図面でぜひご鑑賞ください。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 長谷繁蔵さん:
- 駒花火 ドカーン ヒ・・・・ テツ屋ー
変化有り 41香を取る変化もあるのですネ
10手目33玉の順ですね。 43銀成、23玉、32角に、22玉、23香、31玉とされたとき、41角成、同玉、42成銀まで。 この変化があるので、初形で44香配置になっています(44歩では不詰)。
- 凡骨生さん:
- 4筋の香配置も巧く見事な石畳図式。
- 茂垣淳さん:
- 正方形内で玉を捕えられたものだと感心しています。
- 中澤照夫さん:
- 5手目11銀が好手。
詰め上がりもアート。
- 嵐田保夫さん:
- 狭い範囲で変化も限られているのになぜか3手目2三飛成の発見に苦労。1一に銀の楔を入れるのが急所ですね。
- 隅の老人Bさん:
- 近将の4月号ですね。復刊は何時なのでしょう?
箱庭での駒捌き、楽しめます。
- S.Kimuraさん:
- 33玉とされたら駄目だと勘違いし,苦戦しましたが,両王手で抑えられました.
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