角一色図式に持駒銀4枚。 涼しげな初形ですが、飛金がないと詰めにくく、汗をかいてしまった方が多かったようです。
初手から29銀、39銀、ちょっとひねって37銀など、いろいろありそうで、迷います。
正解は素直に29銀。 39銀は18玉、29銀、27玉で、37銀は同玉で、いずれも1枚足りません。
良く見ると、角2枚の利きで玉が動ける範囲は案外限定されています。
仮に銀が5枚あったら、29銀、28銀、27銀、26銀、25銀と打っていけば詰みます。
つまり、どこかで銀を2段活用して1枚節約できればいいわけです。
29銀に37玉なら、ここで38銀上で1枚節約。 どこに逃げても37銀打で簡単ですね。
29銀に27玉でも、やはり38銀上で1枚節約。 17玉と逃げても28銀、同玉、37銀打でつかまります。
というわけで、29銀には17玉の一手。
29銀、17玉、
ここで、35角が好手。 16玉なら17銀で1枚節約できますし、例えば26歩合とすると、28銀打、16玉、17銀打、25玉、26銀上、とここで1枚節約できるので詰み。
そこで、35角には27玉とかわすのが最善です。
35角、27玉、
27玉でも38銀上で1枚節約できそうですが、35角が浮いているので36玉と逃げられて失敗。
36に行かせないために、45角が継続手段です。 ここで36歩とか合駒してくれれば、28銀打から17銀上と1枚節約できるので詰み。 またまた37玉とさらっとかわします。
45角、37玉、
なんか左の方に逃げられそうですが、大丈夫でしょうか。 とにかく銀を打っていくしかなさそうです。
38銀打、48玉、49銀打、59玉、68銀打、69玉、
なんとか逃げ切ったかと思いきや、ここから5手で詰むんです。
58銀、同玉、36角、48玉、57角 まで17手
角銀が最大限に働いた鮮やかな詰上り。
こういう初形の作品は、最長手順探しだけになってしまうことが多いのですが、本局は角が2枚共2段に活用して予想外の詰上りと、形、手順ともアート展示室にふさわしい美しい作品ではないでしょうか。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 石堂郁夫さん:
- 疲れた、の一言です。
- コマンさん:
- 縦に並んだ角が途中で横に並ぶ面白さ!。
- 真Tさん:
- 35角から45角が見えにくかったです。詰上りに全ての駒が働いているのですがなんか不思議な感じ。
- 隅の老人Bさん:
- 鰻を捕まえるようで、ぬるぬると逃げられる。
17手で捕まえて蒲焼き。孟夏には、これが一番。
- 枝中さん:
- 無仕掛けなのに妙に難しかったです。その中で3五角〜3七玉の部分は「すごい!」としか言いようがありません。お見事です。
無防備ですね(無仕掛けは詰方の駒がない詰将棋)。
- 榎○さん:
- 正解だと思うのだがなにしろ広い玉なので不安。
- S.Kimuraさん:
- 両方の角が2回ずつ動くとは驚きでした.逃げ道が多いため変化も多数あり,難儀しましたが,とても楽しめました.
- あっちゃんさん:
- 特にこれといった妙手があるわけでもないのですがヌルヌルっと逃げられそうで詰ませ難い。
この初形+銀4持駒にきれいにまとまりましたね。
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