佐治君の「超ラッキー!プーケット日記」
クルーのいたずらのターゲットにされたけど、まんざらでもない俺達
シーカヌーで洞窟探検

3日目(1999年12月12日日曜日)

さすがに今までの疲れが溜まっているのだろうか、とうとう2人とも朝飯の時間に起きられず、朝食抜き。モーニングコールには反応できたのだが、うっかり2度寝をしてしまったのが失敗だった....
でも、2日連続の遅刻はナトゥに悪かろうと言うことで、待ち合わせ時間にはきっちりとロビーに集合。(ほんとはギリギリだったのだが)

今日はパンガー湾シーカヌーツアー/Sea-canueing。
シーカヌーツアーとは、海に面した岸壁の下の洞窟などをカヌーに乗って探検すると言ったもので、まあ、どちらかと言えばネイチャーツアーと言った方が正しいかもしれない。
まずは船に乗るために港へと移動。昨日は島の南の港だったが、今日は北の港である。約1時間のドライブで港に到着。昨日も車に乗りながら同じことを思っていたのだが、プーケットは結構でかい。出発前のイメージでは、1時間ほどで一廻り出来てしまうぐらいの大きさだと思っていたのだが
今日乗る船は昨日の船とは違い、でかくてちゃんとした船である。これぞまさしく、若大将!(それしかねーのか....)って感じだ。
「船の中はドリンク飲み放題だけど、ビールはないから、外で買った方がいいよ。みんなそうしてるから。」
とナトゥが言うので、俺らも取りあえず2缶ずつ買って船に乗り込む。

今日は昨日よりも天気がよく、日焼け日和なので早速、服を脱いで、甲板で大の字に。
周りを見渡すと、今回のツアー客は昨日と違って、俺達の他にもたくさん(約15人)いるのだが、不思議なことに日本人は1人もいなく、さらに20代と見受けられる人も1人もいない。内分けとしては欧・米人と中・韓国人(?)が半々ずつで、その内に2組ずつのカップルがいるといった感じである。
まあ、日本人がいない方が外国に来ていると実感できるので、個人的には嬉しいのだが、その分、説明等がすべて英語になってしまうので、その辺が大変だ(ちなみにナトゥも英語は駄目らしい)。でも普段の勉強の成果を試すにはちょうどいい機会なので、こういう時こそ積極的に行動せねばと、一応、意気込んではみたが、意気込みだけで果たして理解できるかどうか

あまりの天気の良さに、気を緩めすぎたのか、出発前にキャップを海に落としてしまった。しかし、すかさずクルーの人が拾ってくれたので事無きを得た。お気に入りのキャップだったので、よかった、よかったなのだが、他のツアー客には早くも注目されてしまった....

時間どおりに船は出発。目的地はプーケットの北に位置する、パンガー湾である。パンガー湾内にはたくさんの小島があり、カヌーをするには絶好の場所らしい。また、その小島の中には、「007」の撮影で使われた、通称“ジェームス・ボンド島”もあり、有名な観光地になっている。
1番目のポイントまで約1時間。あまりにも天気がいいので、10時前にもかかわらず、さかもが我慢できずに早くもビールを飲み始めた。しかし、どうも周りの目が気になる。多分、10時前から飲んでいることが不思議なんだろうと思ってたのだが、どうやら、そうではなく、持ち込んでることが、不思議なことらしい。「みんなそうしているんじゃなかったの?!またまた、ナトゥにだまされた....ほんと適当ガイドだ。」と疑いの眼差しで当の本人を見ると、既に毛布をかけて寝てやがる。無精ひげも伸びてるし、どうせ、朝まで飲んだくれてたのだろう。全く、あきれて物も言えん

約1時間後に1番目のポイントに到着。船長(笑瓶ちゃんにそっくり)が、「まず、あの崖の下の洞窟に行きます。」
と英語で言っている。
「結構、狭そうだな。」
とさかもと話しながら、順番にカヌーに乗り、いざカヌーツアーに出発!
今回のカヌーツアーは自分達で漕ぐことは基本的には出来ず、専属のカヌー漕ぎが漕いで、いろんな所を見せてくれるようになっている。俺達のカヌー漕ぎは人のよさそうな、小さくて太目のにーちゃん。ただ、このにーちゃん、ぜい肉で太いのではなく、タイボクシングをやっているらしく、全身筋肉で、特に首と腕が異常に太い。「はじめの一歩」の島袋みたいである。(わかんねーだろうなー....)
どんどん洞窟に近づいてくると、船で見て感じていたよりも、小さく感じる。ほんとにこんな所に入っていくのか?という感じだ。体を仰向けにして、洞窟の中に入っていくと空気がひんやりして、少し寒い。洞窟の中は、体を目一杯小さくしないと、通れないぐらいに狭いところもあれば、天井が見えないぐらい広い場所もある。それに洞窟の周りの岩が尖っているため、狭いところでは体を縮めていないと、スパッと皮膚が切れてしまうので、すごく危ない。専属のカヌー漕ぎがいることに納得である。


どんどんと奥に進んでいくと、微かに光が見えてきた。どうやら、島の内陸部に出るみたいだ。洞窟の外に出ると、ぽっかりと穴が空いたような場所に出た(写真上の右。左は洞窟の入り口)。周りは断崖絶壁の崖に囲まれ、マングローブの樹が生い茂っている。そのマングローブの樹の間から、光が射し込んでいて、ものすごく神秘的だ。何だか、ゲームやアニメや絵の世界にありそうな、景色である。
そんな今までに見たことのないような自然の姿に圧倒されながら、「心が洗われるという感覚とは、こういう感覚なんだろうな〜」などと柄にもないことを思って、ボーッとしてると、クルー達に、こっちにサルがいるといわれ、手を引っ張られた。「どこ?どこ?」と上を見ていると、急に背中を押され、気付くと下半身が泥沼の中に。「うわっ!!」と俺とさかもが慌てふためいていると、それを見て、ツアー客とクルー達が大爆笑。むかつく!完全にはめられた....
他に若い客がいなかったせいもあるのだろうが、これを機に、俺達は事ある毎にちょっかいをかけられ、完全にいたずらのターゲットにされてしまった。とは言え、俺達もその状態がまんざらでもなかった、というよりは、逆においしいと思っていたのだが....

1つ目の洞窟から帰り、すぐに2つ目に出発。そして3つ目。2つ目、3つ目の洞窟は基本的に、1つ目と変わらないのだが、場所によっては、天井にびっしりとコウモリがいたり、懐中電灯で照らすとキラキラと光る水晶の岩があったり、見る物全てが新鮮で、全く飽きることはなかった。
途中、広い場所でカヌーを漕がせてもらったのだが、これが結構、難しい。井の頭公園のボートとかと違って、カヌーの両サイドを交互に漕ぐので、バランスよく漕がないと、前に進まないどころか、その場をクルクルと廻るだけになってしまう。5分ほどでうまく漕げるようになったのだが、しかし、ほんとに気持ちがいい。これだけたくさんの緑に囲まれた中で、ゆっくりとカヌーを漕いでいると、この景色に溶けてしまいそうな感覚に陥り、最高にリラックスした気分になれる。毎日、ストレスが溜まって、疲れているサラリーマンに絶対のお勧めである。(って、そんなに簡単に出来ないか....)

3つ目の洞窟探検が終わる頃には、クルーの人達と仲良くなって、はしゃぎまくり。クルーの1人に頭から水を掻けられたのを皮切りに、後はカヌーを転覆させたり、船から海に突き落としたりと、暴れまくり。年甲斐もなくはしゃいで、午後はぐったりだったのだが、すごく楽しい時間だった。
3つ目の洞窟から戻ってくると、船の上でランチ。パイナップルチャーハンにフライドチキン、スープにフリッター(パイナップルのフリッターは、不思議な味なんだけど、おいしかった)とメニューは昨日とあまり変わらなかったが、天気のいい、船の上で食う飯は格別だった(上の写真は最後にクルーと撮った記念写真)。

飯も食い終わって、甲板でビールを飲みながら、ボーッとしていると、ナトゥが誰かと電話で話をしている。すると突然、さかもに「ちょっと代わってみて」と言うので、さかもが代わると、どうやら日本人の女の子みたいである。電波の調子が悪くて、途中で切れてしまったのだが、「今の誰?」とナトゥに聞くと、
「友達のガイドのお客さん。か〜わいい〜よ〜!」
なんて言っている。俺達と同じホテルに泊っている女の子らしく、偶然、昨日、俺達を送った後に会ったらしい。「こいつほんとに、どーしよーもねーな....」と2人して呆れ顔。ほんとに、根っからの女好き、すけべにーちゃんである。まあ、後々、この電話は役に立つことになったのだが
ランチ後は“ジェームス・ボンド島”への観光と、ビーチでのんびりというスケジュール。まずは観光目的地の“ジェームス・ボンド島”へ約1時間かけて移動。
船は快調に目的地に向かって飛ばすのだが、雲行きが段々と怪しくなってきている。午前中の快晴が嘘みたいに、みるみるうちに曇ってきて、今にも雨が降りそうなぐらいである。ナトゥの情報だと、ほんとか嘘か分からないが、プーケットの南の方から台風が来ているらしい。そう言えば、風も出てきて、少し寒くなってきた。せっかく、1日中、日焼けをしたかったのに
1時間ほどで“ジェームス・ボンド島”に到着。ここで有名なのは、撮影の時に使われたらしい、単なる岩(この映画自体見てないので、よく知らないのだが)なのだが、この岩、根元の部分が波で毎年少しずつ削れて、数年後には倒れてしまうそうなのである。そう言えば、去年行ったイタリアの“ピサの斜塔”(数年後に倒れるといわれている)、今度行く予定のエジプトのピラミッド(近いうちに中に入れなくなるらしい)と、何だかそんなものに縁があるみたいだ。まあ、別にそれだけが目的で、行先を決めている訳ではないのだが、今後、見れなくなるかもしれないので、見ておく価値は十分にある(ホームページ管理人から一言:ジェームス・ボンド島が舞台になった007シリーズはロジャー・ムーア主演、1974年制作の「THE MAN WITH THE GOLDEN GUN/黄金銃を持つ男」です)。
この島自体はそれほど大きくなく、簡単に廻れてしまうのだが、これでもかというぐらいに、土産の出店が出ていて、雰囲気のかけらもないところがもったいない。おまけにかなりの数の観光客。いろんな所から、フラッシュがたかれているのを見ると、写真を撮る気にもならなくなってくる(実際撮ってないのだが)。あまりにも寒くなってきたので、見るところだけ見て、さっさと船に戻ることにした。

この後は、ビーチに行く予定なのだが、あまりの天気の悪さに「もう帰ろう」という意見で、ツアー客全員一致。港に引き返すことになった。せっかくの海なのに、すごい残念だ。
約1時間で港に到着。船を下りる前に、よき思い出の証拠として、仲良くなったクルーのみんなと記念撮影。ほんとはもっと一緒にバカやりたかったのだが、仕方がない。最後の最後で天気が崩れてしまったけど、ほんとに楽しかった。クルーのみんなもいい奴ばかりだったし、カヌーツアーも初めての体験で、今まで見たことのないような物を見させてもらったし、感じたことがないようなことを経験させてもらった。ほんと今回のツアーには参加してよかったと思う。プーケットにいく人がいたら、ぜひお勧めしたい。
迎えに来ていた車に乗り込み、次へ移動。だが、ビーチに寄らなかった割には、結構いい時間になっていたので、今日はどこにも寄らずにホテルに帰ることにした。今夜はプーケット最後の夜、昨日、一昨日みたいに不完全燃焼に終わらないためにも、弾けるためのエネルギーを補給しなければ。

車の中でさかもと今夜の計画を立てる。取りあえず、飯はタイ風しゃぶしゃぶ、“タイスキ”を食いに行こうということに決めた。プーケットに来てから、飯についてはシーフード、屋台、そして今日のタイスキと食べ尽くした気がする。酒も十分すぎるぐらい飲んだ。しかし、この2日間、何かが足りない....そう、女っ気が全くない!せっかくリゾートに来ているのに、男だけで弾け過ぎたということで、さかもと意見が一致し、反省.... 最後の夜ぐらいどうにかしようということで、それぞれ考えることにした。
「女、女....」と女ネタを2人して探していると、そう言えば、今夜は飛行機で一緒だった、さこちゃんと飯を食う予定だったということを思い出した。でも、空港で別れて以来、何の音沙汰もないし、一緒に飯という可能性は低いでしょ?ということで、保険で別件を探すことに。
「何かないかな....」と考えていると、2人して思い付いた。昼間の電話の女!思い付いたら、即行動ということで、早速、ナトゥに友達のガイドさんに電話をしてもらう。が、今、彼女達は宝石店で買い物中ということなので、取りあえずまた後で。そうこうしているうちに、ホテルに到着。もう1度ナトゥに電話してもらうが、まだというので、相手のガイドの番号を聞いて、後で自分達でかけることにした。
ナトゥとはここでバイバイなのだが、
「僕も夜一緒に行きたいよ〜」
と言うので、後で連絡するためにナトゥの携帯の番号を教えてもらう。それから、今夜、何もなかった場合は、明日空港まで送ってもらうことになるので、ピックアップしてもらう時間を決めてバイバイした。

「じゃあ、取りあえず部屋で休むか」ということで、フロントにキーを取りに行くと、タイミング良く、さこちゃんからFAXが届いていた。内容は体調が悪くて行けないとのこと。これを見て、「これは何としてでも、女の子との約束を取り付けねば!」と部屋に戻り、気合いを入れて電話をすると、やっとつながり、話すことが出来た。
「今日、夜は何してるの?よければ一緒に飲まない?」
と誘うと、あれよあれよという間に約束成立。やけに簡単にうまくいったので、「何か裏があるのでは?」と思ったが、そんなこと気にしていてもしょうがないので、21:30にロビーで待ち合わせる約束をし、電話を切った。電話で話した限りでは、乗りがよくて、楽しそうな子だったので、楽しみだ。
待ち合わせの時間まで結構あるので、シャワーを浴びて、飯を食いにパトンビーチへ行くことにした。今日は帰りの車の中でも言ってたとおり、タイ風しゃぶしゃぶ“タイスキ”。まあ、何てことはない、しゃぶしゃぶなのだが、味付けはナンプラーなどのタイの香辛料。ダメな人にはダメらしいのだが、好きな人はこの味にはまってしまうらしいというので、ちょっと楽しみ。
トゥクトゥクでパトンビーチまで行き、またまたナトゥに教えてもらった店に行く。時間が早かったためか?実は人気がないのか?真相は分からないが、店内はがらがらである。席に着き、日本語表記もあるメニューから、鍋に入れる具を選ぶ。肉、野菜、シーフードとなんでも揃っているが、やはり単価は安い。適当に鍋にぶっこみ、火が通ったところで、ナンプラーで味付け。俺はそれほど好きな味ではなかったのだが、普通のタイ料理よりはさっぱりしていたので、疲れた体にはちょうどよかった(相変わらずさかもは、これでもかとばかりに食っていた)。最後は日本の鍋みたいに雑炊を作ったのだが、これはかなりおいしくて、無理してバクバク食ってしまった。
かなり腹一杯の状態で一旦ホテルに帰る。そんなに時間はなかったが、取りあえず、シャワーを浴びて、ベッドに横になり、体力回復に努めた。
あっという間に時間が来たので、「よぉーし、夜はこれからだぜ!」と2人して疲れた体に鞭打ってロビーへ。ナトゥはどうしようか?と考えたのだが、スタートの時間が遅いし、日本人だけでという気持ちもあったので、今回は無視することにした。10分ほど待って、ごた〜いめ〜ん。感想は?う〜ん、秘密....

取りあえず飲む場所を求めて、パトンビーチへ。この女の子達、ガイドに夜のビーチは危ないと釘を刺されていたらしく、夜の外出は初めてだと言う(ほんとは今回もホテルを出ない方がいいと、散々、言われていたらしい)。どこで飲もうかと考えた挙げ句、パトンビーチでは有名な“バナナディスコ”のバーに落ち着くことにした。
まずはプーケットに乾杯!で、お互いに自己紹介。2人とも九州の某大学病院の看護婦(名前は....忘れた....)。日々重労働に追われ、ようやく休みが取れたので、羽休めに来たのだと言う。今日は、昨日俺達が行ったコーラル島に行き、体験ダイビングやパラセイリング、バナナボートとマリンスポーツ三昧の後、プーケットタウンで買い物に明け暮れたそうである。
「何で、俺達の誘いにあっさりOKしたの?」
と聞くと、
「夜の町に出たかったから。日本人だから安心だとも思ったし」
という答え。こういう子達が、リゾート特有の空気に流されて、昨日、ナトゥ達が言ってたように簡単に落とされてしまうのかな〜と、何となく思ってしまった。
時間が経つに連れて、酒でいい気分、いいムードと思いきや、逆に日頃のストレスが大爆発。やれあの患者はどうだとか、ナースコールはどうだとか、愚痴と文句と不満のオンパレード。俺達はいつの間にか「うん、うん」とうなずくばかり。完全にストレス発散のはけ口になってしまった
2時間ほど飲んで、ホテルに帰ることに。彼女達は明日までプーケットにいるというので、俺達が行ったレストランなど、パトンビーチを少し案内して、トゥクトゥクを拾った。
ホテルに着いて、じゃあ、バイバイという予定だったのだが、俺達の泊っている部屋が“デラックススイート”、彼女達の部屋が“ダイヤモンドスイート”、「どちらがゴージャスなんだろう?」ということで、見比べも兼ねて俺達の部屋で少し飲み直すことに。

取りあえず、ビールを注いで早速、部屋の品評会。彼女達の部屋は、バスルーム、洗面所、トイレが2つずつあって、大きさは俺達の部屋よりも少し狭いぐらいの部屋らしい。ただ、場所が高台の上にあり、海が遠くまで見渡せるとのことで、“ダイヤモンドスイート”の方が断然上ということが分かった。やはり、最初に感じた物足りなさは間違いではなかったようだ....
30分ほど飲んでから、ふと気付いたのだが、さかもがやたらおとなしい(後で聞いたら、あまりにもマシンガントークなので、ちょっとうざったかったらしい)。取りあえず、機嫌が悪そうだし、時間も2時を過ぎていたので、お開きにすることにした。
まあ、さかもはどうだかわからないけど、俺的には最後に女っ気もあったし、楽しく飲めたので、取りあえずは満足だった。もう酒は飲めないので、おとなしく就寝。明日の用意を少しして、シャワーを浴びてベッドに横になった。プーケット最後の夜かと思うと、残念でしょうがなかったけど、寂しがってる暇もなく、5分後には爆睡していた....



NEXT DAY
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