98/1/19 (月) ローマ (雨)
アカシアの雨に打たれて
雨、雨、そして雨 (sigh)

この日は朝から雨。

メトロの路線図を眺めていたら「チネチッタ」(Cinecitta)なる駅を発見したので前日からのフェリーニノリでテルミニから20分くらいの郊外へ。日本で言えば蒲田撮影所と太秦撮影所を足したような感じの「フェリーニの仕事場」ですが、行ってみると駅の出口近くに「チネチッタ撮影所」の入り口があり、更に通りの向かいには映像資料センターと思しき建物、その裏手には芸術系の学校、といった感じ。ミーハー気分で行ってみたもののどこも部外者立ち入り禁止ぽくて入れませんでした。わはは、雨に打たれ損か?

メトロで市内に戻ってコロッセオへ。雨の中で眺めるコロッセオは今にも崩れ落ちそうな石の固まり、という感じでちょっと感動が薄かったのですが、これは他の遺跡(フォロ・ロマーノ、チルコ・マッシモ等々)でも同様の感想でした。ローマという街は遺跡の中に街ができている感じで、通りの脇に何気なく置いてある石の固まりが妙に由緒正しいものだったりします。その割には殆ど案内板も立っていないようで、過去の文化を大切にしているのかいないのかよく判らないあたりがフランス(特にパリ)と違います。パリは「歴史で飾り立てた」街、ローマは「たまたま古代遺跡に囲まれて暮らす」街ということなのでしょうか。ただ、この日の夜に同じ場所を通りかかったところ、所謂「有名遺跡」(コロッセオやアントニヌス・ファウスティナ神殿等)はすべて闇の中にライトアップされており、その圧倒的な光景は昼間見た印象とはぜんぜん違います。歴史のないアメリカ人が感動(勘違い)して、「これこそが歴史なんだ」とばかりに自国にコピーを建てまくってしまうのもうなずけます。

街中のカンピドリオ広場(ミケランジェロによる美しい幾何学模様の地面が有名)では結婚式を2組目撃。隣のヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂前にも記念写真撮っているカップルが1組いました。そういえば昨日のポポロ広場の教会でも大勢の観光客をものともせず結婚式を挙げているカップルがいました。ローマではこのような歴史的建築物で結婚式を挙げるのが流行っているのでしょうか? それとも「遺跡の中に暮らす街」ローマではそれなりの結婚式を挙げようとすると普通の場所を選んでも歴史的建築物になってしまうのでしょうか?

昼食を摂り、噴水が有名なナヴォーナ広場やパンテオンを眺め、テルミニ駅へ。ちょうど現金が心細くなってきたのでここで現金調達。今回は富士インターナショナル・キャッシュ・カードなるものを持っていったのですが、これが大正解。Cirrus(欧米ではかなりメジャーなマスター・カード系銀行チェーン)提携ATMで現地通貨でお金が下ろせます。両替と違って余計な小銭とかが出てこないし、換金率も悪くなかったのでお勧めです。他の銀行でも同様のサービスを始めているところがあるので是非チェックしてみてください。(おかげでせっかく持っていったUS$は一度も使わなかった。)

ホテルへ戻って休憩を取った後コロッセオ近くのカヴール通り近辺に夕食に出かけました。何軒かを見た結果、ベストと思われたカヴール通り裏手のピッツェリア・ヴェッキア・ローマは満席でとても入れず、次点の斜向かいのレストラン、ラグノ・ドーロ(黄金の蜘蛛)へ。さほど大きくない店内にはイタリア人数組とアメリカ人と思われる団体1組。この店のウェイターは一見アメリカの大学生風の明るいあんちゃんで、英語もなかなか堪能でした。ここではフンギ・ポルチーニ(ポルチーニ茸)のフェットチーネと仔牛の白ワインソースを注文。何か、こっちに来て以来仔牛ばっかり食べているような気がするけれど、この店の白ワインソースはさっぱり味なのにバターのコクがしっかりあって絶品でした。フェットチーネのほうもシンプルなバター味にポルチーニが映えていてなかなかのものでした。デザートはイタリアの有名ジェラート・チェーンらしいBINDIのジェラート。店を出る頃になってようやく雨が小降りになってきました。


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