ザルツブルク_モーツァルトの街 KV 627

モーツァルトを生んだオーストリアの街ザルツブルク、美しい風景版画に仕上がりました。モーツァルティアンにとってまさに聖地であるこの街には、世界中から巡礼者がやってきます。歴史ある街の姿、美しい建築物に庭園、ゲトライデガッセに始まり名もない(実際にはある)通りまで、全て記憶に留めるべく、私も丹念に街を練り歩きました。由緒ある宮殿やレジデンツで催されるシュロス・コンサートも欠かせません。治安の良い小さな地方都市ということで、一日の終わりに人通りの絶えた深夜の通りを歩くのが、何とも楽しい時間となります。この街によく見られる中世風アーケードのある通りにさしかかると、作曲に疲れ散歩中のモーツァルトに出くわすような気さえしてきます。そんなイメージを形にしたのがこの作品です。
オーストリア国旗のかかっている黄色い建物が、モーツァルト生家“Mozarts Geburtshaus”です。その前に立っている人物は、女帝マリア・テレジアから贈られた紫色の大礼服を着た6歳のモーツァルトです。他にもホーエンザルツブルク城をはじめ画面いっぱいにザルツブルクを代表する著名な建物を配し、ザルツァッハ川手前には、現地の風景と同じになるようにマジパン(モーツァルト・クーゲルンの中身)みたいな色調の建物群を建ち並べました。人物群の中には、モーツァルト（少年時代＆成人後の二人）はもちろんゆかりの人たちも描き込んでいます。私の風景画作品“憩いの街”シリーズのように、建物の繊細なディテールや人物群を描くには、外国の風景であっても日本の面相筆が一番です。

他にもモーツァルトが活躍した音楽の街“ウィーンの風景画”やモーツァルトの肖像画も展示しています。
風景画“憩いの街”シリーズでは、パリ、ローマ、ニューヨーク、世界、日本、東京、京都など多数の街を描いています。