2008年10月 @ ワシントンDC 
 

国立航空宇宙博物館 NASM (National Air and Space Museum)

 アメリカの航空宇宙博物館と言えば、Natinal MallにあるスミソニアンNASMが直ぐに思い浮かびます。
しかし展示スペースは限られ(といっても凄い規模ですが・・)、展示を控えたレストア機が郊外の
Paul E.Garber Facilityに数多く控えている状態でした。私も2002年に訪れ見学することができましたが、展示場ではないため予約した限られた人だけにしか公開できず、新たな展示場が望まれていました。
 その要望に応え2003年12月ワシントンDC・ダレス空港に巨大な NASM別館が完成しオープンとなったものです。なかなか訪問する機会がありませんでしたが、やっと2008年に心躍る思いで訪問できました。
 
 以下に、その時の写真をご覧に入れます。 野暮な解説は止めますので、皆さん機会を作って訪問してください。 念のため・・入場料は無料です。

 
 Smithonian NASM near Washington Dulles International Airport
    The Aircraft Collection of The Steven F. Udver-Hazy Center  
 

 成田からダレス空港に到着して、そのまま直行、ダレス空港内といってもターミナルと反対側、クルマで
15分はかかります。 巨大な格納庫と管制塔といった建物デザインです。 (公式サイトはこちら
 
    ここに飛行機が200機、宇宙関係が135機も展示され、巨大施設なのに、も〜ぅ ひしめき合っています。

エントランス

 セキュリティチェックがあり、カメラの三脚は持ち込み禁止となってしまったので、あとの撮影は苦労しました。

 でもNatinal MallのNASM本館では持ち込みがOKだった。 しかし3脚の足を広げると警備員が飛んできて「NG」と言う。 
 どうして? と不思議と言うか、文句を言って取り上げられても困るので静かに従って、1脚の様にして使うとOKで許可されました! どうして?


 まっさきに向かったのがこの日本の機体の展示エリア です!
     中島飛行機の夜間戦闘機「月光」  レストア前の姿と比べると、感涙モノです。
 
    エンジンは零戦にも搭載された中島の「栄」1000馬力  
    
 
         コクピットの後ろの2本の棒状のものが20mm機関砲(B-29を狙う斜銃です)
 
              ノーズに装備されたのはレーダー用の八木アンテナ、夜間戦闘機ならでは。
 
    イ号潜水艦に搭載し、米国本土爆撃を狙った「晴嵐」水上機、
       左下は翼をもがれた「屠龍」、せっかくレストアしたのだから翼を付けてあげたい!
 
そして川西「紫電改」です。 きれいにレストアされていますが下面はグレーの塗装でなく金属表面の無塗装!?
         「紫電改」 エンジンは中島の「誉」2000馬力
 紫電改は文字通り紫電の改良機であり、中翼を下翼にしたので胴体付け根の大きなフィレットが特徴的。
 
↓この小さな飛行機は 特攻機「桜花」ですが22型でジェットエンジン仕様。  ( まるで有人巡航ミサイルです!
 実戦配備前に終戦となった。 このエンジンはツ-11ジェットで、ピストンエンジンで圧縮機を駆動する特殊な形式です)
NASMのPaul E.Garber Facilityに日本機では「彩雲」「天山」「震電」「一式陸攻」「流星」「銀河」「橘花」「剣」などが
未だ眠っています。
 
  日本の希少の4機と B29(広島に原爆を落としたエノラゲイ機)、
  B29を迎撃した月光・屠龍・紫電改が、そのB29の主翼の下に並べられているのが感慨深いが・・・。
  奥から「月光(双発機)」、「桜花」、「屠龍(胴体)」、「晴嵐」、「紫電改」、右端はP-47D(米)
  

 第二次大戦アメリカ軍機 のエリア
    B-29エノラゲイ:対戦闘機防御の銃座はほとんど取外されている。 (左上はボート OS2U)
                          下は特徴的なノーズ操縦席。
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B29の全形が撮れるのはここから・・・
 
 
 
ボート・コルセアF-4U(米)
 
     カーチスP-40F ウォーホーク
 
         ロッキードP-38ライトニング
 
    グラマンF6Fヘルキャット
 
  不気味なカラスを思わせるウェストランド・ライサンダー(英)、闇夜に敵陣に侵入する漆黒の鳥。
 
手前はホーカー・ハリケーン(英)、その向うはノースロップP-61ブラックウィドー(米)、さらに奥ににSR-71、
その向う側には戦後のF-8クルセイダーやF-4ファントムからF22まで、ジェット戦闘機が並べられている。
 

第二次大戦のドイツ機 のエリアです。
フォッケウルフ FW109 F-9(独)  (Fw109A型の戦闘爆撃改修型)
 
   変なデザイン?が特徴のドルニエ  Do335a(独)
 
 この機体はハインケル He 219 Uhu ウーフー  Paul E.Garber Facilityに2002年に訪問の時はレストア作業中でした。
        (Paul E.Garber Facilityの訪問記はこちら
 
    その他にも当時レストアしていた「スティンソンL-5センティネル」や「ビーチ・ボナンザ」も完成し展示されていた。

 発動機もきちんとレストアされている。
「晴嵐」に搭載の愛知製V12気筒液冷エンジン(ダイムラーのライセンス生産)
 
   空冷星型の名作エンジン「ブリストル・ジュピター」、 OHVの4バルブ。 中島飛行機の空冷エンジンのお手本エンジン。

 目一杯たくさんの民間航空機、そ れぞれ個性豊かなデザインで楽しいですね。
  コンコルド、ボーイング307他 いっぱい(感激!) まるで私の子供のころのオモチャ箱みたい〜です!
 
  ボーイング707原型機 Boeing 367-80 (Dash-80)  上にはパイパーJ3カブ、グラマンG22ガルホーク、チップマンク等々
 
       右はユンカース旅客機  翼や胴体の波板が特徴(空力的に優れているという話だったが・・・?)
 
                  ↑ 軍服をまとった「貴婦人」です。(Lockeed C-69 CONSTELLATION)
 
 
グラマン G-21 グース飛行艇
        1950年代、伊丹空港(大阪)と和歌山の白浜間で運行されていて、離着水を見てワクワクした懐かしい飛行機。
 
ロッキード・ベガ
 
  ボーイング・ステアマンN2S-5 (PT-13)
 
黄色い主翼は米軍の練習機、 上はライアンPT-19
 
 ボーイング P-26 (1930年代の戦闘機、のちに練習機として使用)
 
まあ、物凄いデザインです。  ローニング・エアロノーティカ OA-1
   まるでサーフボードに乗ったグリフィンのイメージ!
 
 
  カーチス F9C-2 Sparrowhawks
 
 優しく飛ぶエアロンカ(Aeronca C-2)↑ と ↓空飛ぶシラミ(Mignet HM14 Flying Flea) 
 
    下は流石アメリカ!「空飛ぶ自動車」 Waterman Aerbile (翼を外すと自動車のように走れる?)

 


ベランカ C.F. (今回一番気に入った飛行機 1922年製) エンジンは110馬力、乗客4名操縦席が室内に移された最初?の機体。(それまではオープンコクピット)

       マホガニーの胴体、翼は羽布張りの上質な仕立てといった感じ。
 
ライト兄弟の商業販売機 「ライト・モデルB」 レプリカ故に骨組はアルミ軽金属で作られてている!
 
 こういった時代の飛行機の「手造り感」が大好きです。
 
  コードロンG.4(仏)
 
 
ライト兄弟に対抗したラングレー博士の飛行機(結局飛ばなかった!)、
下にあるのは第一次大戦での飛行機 スパッド(仏)、ヘルパースタッド(独)などです。
 

スペースシャトルの実験機や数多くのジェット機もありましたが、私はあまり興味がなく「昔懐かしいプロペラ機」ばかりの写真です。

  NASMの本館 (Natinal Mall)  

さすがに本館は大勢の見学者、先の「別館」はまるで格納庫にぎっしりと飛行機が詰め込まれている様相だが、本館は飛行機の歴史と体系だって展示されている。
 
展示の機体はいずれも歴史の一ページを飾る記念すべき機体が完全な状態で保存展示されている。
歴史の浅いアメリカにとって、これこそ自ら誇る歴史と自負している。 当然現代に至るジェット機、ロケット、人工衛星、宇宙船などが展示されているが、私はどうもレンズを向ける気がしない・・・。 というか時間が無い!
 
オットー・リリエンタールのグライダー 最初の滑空の成功は1887年
 
ライト兄弟のフライヤー号 1903
 
ライトに対抗するカーチス機、上下の主翼の中間にあるエルロンがライト機との大きな違いです。

 

ライアン機 スピリットオブセントルイス号 「翼よあれがパリの灯だ」リンドバーグの大西洋初横断の機体 1927
 
ロッキード・ベガ 
 手前の写真は女性飛行士イアンハートがこのベガで初めて大西洋横断単独飛行に成功したことを解説。 1927
 

ロッキード・シリウス 
大西洋発横断に成功したリンドバーグが、その後この機体で妻を後席に乗せて、世界一周飛行を行っている。
日本には霞ヶ浦に着水した。 長距離飛行のためにフロートには燃料を詰めて飛んだそうだ。 1930
 

PA-5郵便機 1927
 
ノースロップ・アルファ 1930
 
フォード・トライモーター 1926 フォードはこれっきりで飛行機から撤退。
私は4年前にオシュコシュでデモ飛行に搭乗したことがある。
 
ボーイング247、期待されたがDC-3に負けた。 1934
 
世紀の名機 ダグラスDC-3 1936
 
全金属・引込脚・フラップ・航法装置など近代航空機の基本仕様を確立した。
日本(中島飛行機)でもノックダウン生産した。 
ライト兄弟のフライヤー号から、たったの33年でこのDC-3が飛行しているその進歩には驚く。

  


  第二次大戦の飛行機の部屋です。(日・米・英・独・伊の代表戦闘機が1機づつ展示されている)

ご存じ 零式艦上戦闘機「ゼロ戦」
   中島の「栄」空冷星型2列14気筒1000馬力エンジン

 

 


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