タイ メークロン線の旅
珍線の旅
1997年2月
バンコク名物渋滞。ウォンウェンヤイ駅近くの歩道橋より。
メークロン線
 バンコク、チャオプラヤ川の西側にある、ウォンウェンヤイ駅から西へ伸びるローカル線。しかし、この線の面白いところは、ターチン川をはさんで、路線が分断されているところ。通称、東線のマハーチャイ線と西線メークロン線に分かれている。(今後の「メークロン線」は、西線の意味で使う)
 また、この線のもっと面白いのは、主な駅の市場。その市場が、すごい。駅の周りに市場があるのではなく、線路の上に市場があるのだ! 
ウォンウェンヤイ駅。
列車が入線していなければ、市場のテントに隠れて、駅とは気づかなかった。
入線している気動車は、日本製。
ウォンウェンヤイ駅付近の線路。一般の道路と同じように人が行き来して、露天が出ている。これで驚いていては、いけません。
下町を列車が走り抜けていく。
D23列車に乗って、ウォンウェンヤイを出発。
ランポエ駅で、D42列車ウォンウェイヤン行き列車と交換。
約1時間で、マハーチャイ線の終点マハーチャイに到着。
右が今乗ってきた列車。左の列車が、これから出発してウォンウェンヤイへ出発する。
駅構内に、停車していた気動車。廃車が放置してあるのかと思ったら、夕方元気に走っているのを見かけた。
マハーチャイにも線路上に市場が。正面が今まで乗ってきた列車で、今写真を撮っているところが、今列車で通った線路。ウェンウォンヤイよりも露天の密度が高くなった。
マハーチャイ駅前の様子。ウォンウェイヤンよりも、ローカルムードが漂う。
ターチン川を渡し舟で渡って、対岸バーンレームへ。この川そんなに幅が広いわけではないが、線路を分断ている。
船着場から、北へのどかな道を約5分ほど歩くと、活気の無い駅がある。
それが、メークロン線の始発駅、バーンレーム駅
 D85列車 メークロン行きローカル列車
 この列車が、メークロンまで約1時間で走る。
(上)乗客が乗ってはいるが、数えるほど。
(右)タイの車両と車両の間には、ホロという物をほとんど見かけない、この車両が、特別なわけではない。
この車両も日本製。けど、ボロボロなのは、メンテンナンスに問題あり。
この日は白人家族と、その家族と親しくするタイ人の親子が、この列車に乗りに来ていた。
この列車は、2両編成のディーゼルカー。
不思議なことに、1箇所、座席の1ボックスほどをつぶして、ドラム缶が置いてあり、その中に水が張ってある。
なんだろう?(最後まで何のためかは判らなかった。)

そして、列車は発車時刻となり、出発。

走り始めてビックリ!
普通は、2両ともエンジンが作動するのが普通だが、
この列車は、1両がトレーラー化して、エンジンが動いていない。

そして、動力車になっている方も、エンジンがおかしい。

普通なら、勢いよく「グォーーーーーーーー」と鳴らしながら、加速していく。
けど、この列車は違う。
「グォーッ・・グォーッ・・グッォー・・グォーッ・・グォーーッ」(文章で表現するのは難しい)
てな具合で、加速し、やっと速度に乗ってきたかと思うと、
しばらくエンジンをアイドリングさせながら、徐行していく
そして、速度が落ちてくると、
再び「グォーッ・・グォーッ・・グッォー・・」

明らかにおかしい。

だまし、だまし走っているようだ。

果たして、終点までたどり着くのだろうか?
「いくらローカル線とはいえ、こんな列車が走るとは、恐るべきタイ!」


「大丈夫だろうか」という心配をよそに、列車は順調に駅を進めていく。
画像の駅は、マングローブの林の中にポツリと造られた停車場。
日本では、滅多に見ることの無い、塩田が広がる。もう少しで、終点メークローン。
無事に終点メークロン駅に到着。
駅の裏手は、ひっそりと見えるが、表はこれまた市場。
一見、狭い路地にできた市場に見えるが、実は下の画像で判るとおり、ここは列車の通る線路の上良く見ると、上の画像に線路が写っている。信じられないかも知れないが、今この線路を通って、メークロン駅に着いたのだ!!
メークロン線のレールの終わりは、やはり川で終わっていた。川の名は、メークロン川。
駅のホームも売り物であふれている。誰かが、列車を物置代わりにしている。
タイでよく見かける、出発合図に叩く鐘。
さて、折り返しの列車でバンコクへと戻るのだが、
あの密集した市場の中をどのように帰っていくのか。

それは、列車が通るとなると、一斉に露店のおばさん達が、露店の幕をたたみ始めるのだ!
そうすると、列車がすれすれ通るスペースが現れ、
そこを、列車がゆっくりと走り抜ける。

その間の乗客の禁止事項
@窓から顔を出さない。間違いなく何かに当たる。
Aトイレには行かない。この列車旧式のため、垂れ流し式。(ご想像に任せます)

露店の幕はたたむものの、品物は線路ギリギリまで置いたまま。
もし窓から下を見たとすると、露店で売られている野菜・果物・魚などが、列車下までもぐりこんだ状態に見えるはず。
なんとも妙な風景。

無事にこの区間を走り抜けると
再びのんびりとした風景が広がり始める。
ナムトク線(旧泰緬鉄道)の旅
バンコク鉄道めぐり
タイ国鉄公式ホームページhttp://www.srt.motc.go.th/httpEng/