ドイツ・オーストリア
ベルリンからICでハノーバー、
そしてENでオーストリア・リンツへ

2003年9月
今回も宿代を浮かすために、夜行列車でベルリンからオーストリアを目指す。但し、ベルリンからだと追加料の要らない列車が無いので、今回も1回乗り継いで、オーストリアのリンツを目指す。

101型電気機関車に牽かれてベルリン・オスト駅に入線してきたIC2542列車。18:30発だが出発時間を少し過ぎて到着。すぐに、列車は出発。
 ベルリン・オスト駅を出ると、列車は、ベルリン市街を縦断していく、そして次の停車駅は、ベルリン一の繁華街ツォー駅に到着。今までガラガラだった車内に、どっと乗客が乗り込んできた。
 ツォー駅を出ると、今まで並走してきた右側のSバーンの線路が途切れる。これは、東西ドイツ統一後進められている鉄道路線の整理の一環で、一部区間を運休として、改良工事をしているからだ。この時点でのこの工事区間は2区間。
 オスト駅を出て約1時間、シュテンダル駅に停車。その後次第に車内が、窓に映し出されるようになってきた。雲行きが怪しくなってきて、外が暗くなってきたからだ。それにあわせるかのように、雨粒が窓に当たりはじめた。昨日テレビで見ていた天気予報どおりだ。
 列車の方は、今まで高速線を走っていたのに、並走している単線のローカル線を走り始めた。しばらくすると、高速線をICE2が抜いて行く、まるで京阪神東海道本線の複々線区間のよう。ICEを見送るとしばらくして、列車は高速線を再び快走し始めた。
 


このIC2542は、ベルリンから今めざしているハノーバーを通り、さらに西へ西へ。終着地はオランダとの国境駅(すいません読み方がわかりません)まで行く。地図で見るとベルリンから真西へ線を引くかのように一直線に、ドイツ北部を横断する。
乗車していた客車は、車両両端がコンパートメント、中央にオープンサロンがある車両。上の画像は、乗降口のあるデッキからコンパートメント前を通って、オープンサロンへ繋がる通路。

コンパートメントを独り占めしたほうが、気楽で良いが、残念ながら予約の札が刺さっていたので、オープンサロンの座席に座ることにした。座席の配列は、総見合い式の固定シート。中央の対面したシート部分には、机がある。
 列車は、陽も暮れ闇の中を走るが平原の直線区間をは走っているようで、カーブでGを感じるようなことは無い。
 目を凝らして車窓を眺めていると、時々必ず防音壁のようなものがあり、その向こうには小さな集落と小さな駅がローカル線に設置してある。それを横目に高速線は走り抜けてゆく。
 車内はというと、車掌が行ったり来たりで忙しそう。それもそのはず、コーヒーの注文を受け車掌が運んでいるのだ。
 20時過ぎ、フォルクスワーゲンの大きな工場が右手に見えると、ボルフスブルクに停車。その次は、30分ほどで下車駅ハノーバー。

20:38少し定刻より遅れてハノーバーに到着。ここで夕食を取って、次のECを待つ。


ハノーバーSバーンで活躍するのは、423系EMU。
218型ディーゼル機関車牽引のRE。このまま回送されていった。



22:36予定より約10分ほど遅れてユーロナイト(EN)491列車、ハンズ・アルバース号が到着。ENはECの夜行列車版といったところで、ECと同じように国を越えて走る。この列車自体は、ウィーンまで行くが、我々はリンツまで。



夜、座る席が無かったら困るので指定を取っておいた。乗り込んだ車両は、オーストリア国鉄車両でオープンサロン式だった。
 列車はハノーバーを出発、闇の中を走り始めた。
 明日の目的地リンツは6:50着、少しでも体を休めておきたいので、出発後すぐに就寝。やはり、座席ではなかなか熟睡というわけにはいかない。ウトウトしては、目が覚め、またウトウトしては目が覚めの繰り返しだった。そして目が覚める度に、通路を挟んだ向側に座っていた老夫婦のご婦人の体勢が変わっているのが、なんとも印象的だった。そう彼女も寝れていないのだった。
 いかに寝るか姿勢を変え苦労して寝ているうちにも、列車は順調に進み、5:18列車はパッサウ駅に到着した。この駅は、ドイツ最後の駅で、ここでドイツの機関車とオーストリアの機関車が付け替えられる。外を見ると雨が降っている。今日は雨だろうか?やっぱり旅行で雨が降ると、楽しさも半減する。なんとか止んでくれることを願おう。
 5:30にパッサウを出発すると、鉄橋を走る走行音がする。暗くて流れは見えないが、これがドイツ・オーストリア国境になっているドナウ川の支流イン川?。
 6:10シェールディングに停車。ここから、車内の様子がガラリと変わる。国が変わっただけでなく、ここからは、朝の通勤客も乗車するのだ。ドイツ国内では、IC、ECには日本の特急料金のような追加料が必要なのだが、ここオーストリアは一部の特別列車を除いて、追加料は無い。そのため、優等列車であっても通勤列車として毎日使える。
 それほど多くの人が乗り込んではいないのだが、今までの夜行列車の雰囲気が漂っていた車内は、一瞬にして朝を迎えた。車窓も、明るくなってきた。
 6:34ベルスに停車した。ここからは、オーストリア東西を結ぶ、幹線を走ることになる。


 
そして6:50予定通りにリンツへ到着。雨は上がったが、車体はまだ濡れている。列車はすぐに終点ウィーンに向かって出発していった。
ベルリン市内交通と観光地巡り リンツ&ザルツブルクへ