オーストリア ザルツブルクからハルシュタット日帰りの旅
2003年9月
ハルシュタットへ
 今回、無理矢理オーストリアを旅程に組み込んだのは、どうしても世界一美しい湖岸の村として知られ世界遺産でもあるハルシュタットの景色を目にしたいという思いがあったからだ。
 朝起きて、ホテルの窓から空を見るとどんよりとした雲が立ち込めている。雨は降っていないようだが、この先の行程を考えても今日ハルシュタットへ行くしかない。天気が良くなることを祈りながら、出発。

IC545 ウィーン行き この列車で出発し、まずは乗り換え駅アットナンク・プッハイムへ。機関車は1044型機関車牽引。

車内。コンパートメントの車内。座席の上に置いてあるのが、この列車の時刻表、各駅の到着時間乗り継ぎ列車の案内が書いてある。詳しい車内放送が無い代わりに、こういったサービスがヨーロッパでは見られる。各列車で時刻表をこのように作っていると、コストって掛からないのでしょうかね。

8:10に列車は定刻通りに出発。昨日の車窓を逆にたどる。景色の様子も昨日と同じような感じ。天気が良くなるのを願い、東へと向かう車窓を眺める。

8:55定刻どおりアットナンク・プッハイムに到着。駅構内には5047型デーゼルカーが休憩していた。

アットナンク・プッハイム駅舎脇の行き止まり式ホームに停車していたザルツガンマーグート線シュタイナッハ・イルドニング行きE3410列車。1142型電気機関車が客車を連れて待機中。9:13発だが、遅れているウィーンからの列車を待ち9:20出発。そのウィーンからの列車からいっぱい乗客が乗り換えてきた。

9:33グムンデンで上り列車と交換。グムンデンを出発すると、しばらくして左手に湖が見え始める。


この湖がトラウン湖。始発駅アットナンク・プッハイムを出てから、天気はさらに悪くなり、雨が降っている。湖の幅のあるところは、雨のためもやがかかり対岸が見えない。

列車は、トラウン湖とは付かず離れずして南下して行く。

雨粒が窓に当たる。駅ホームの花も晴れていたら、美しく映えるのだろうが、今日は人気の無いホームに寂しさを誘う。

湖の南端からはしばらく、のどかな風景が続くが、並行する川は雨が降り続いているせいか、濁流となって流れていた。


9:55エーベンゼーで再び上り列車と交換。この後、温泉保養地として有名なバート・イシュルに10:10停車。ここで、観光客らしい人たちがどっと降りた。その後10:20には、バート・ゴワーゼンで三度上り列車と交換し列車は進む。

突然、右手車窓に湖が見え出した。窓を開けて目の前の湖を眺める。この湖は目指す村のある、ずばりハルシュタット湖!

10:30ハルシュタット駅に到着。雨脚はきつくなってる、なんとも残念。
さて気を取り直し、駅を出発!駅を出ると美しい町並みが広がる?いやいや、ここの駅前には、湖岸へと続く小道が1本。

その湖岸には小さな船着場があり、そこから列車の時刻に合わせて渡し舟が出ている。船着場から対岸を見ると、村が見える。それが目指すハルシュタットの村。乗船すること10分、湖岸にへばり付くように広がる村が徐々に近づいてくる。この船に乗ったのは、我々夫婦と初老のこれまた日本人夫婦の4人だけ、みんなで「雨がねぇ〜」とため息つきながら、ハルシュタットへ着岸。

まずは、船着場から右手の方向へ。1本道をずーと歩いていくとカレンダーやポスター写真に使われる定位置に到着。今日は雨のため、くすんではいるが、それでも美しい。この景色、見覚えのある人も多いのでは?

村内を歩いているのは観光客ばかりみたい。先ほどの渡し舟には白人観光客は乗っていなかったのに、なぜかいっぱい。この後、船着場と逆の方向南を目指す。村の南には幹線道路が通っており、どうも白人観光客はバスや車で来ているようだ。

村の南からはケーブルカー出ており、その山頂駅から舗装されてない道を歩くこと約15分、山小屋のようなところへ到着。そこが岩塩坑跡を巡るツアーの出発点。チケットを購入後、スケート場のレンタルシューズのカウンターのようなところで、ダボダボの囚人服のような?フードの無い雨合羽のような?服を渡され、服の上からそれを着込み、荷物をロッカーへ預けて、何がなんだかわからないまま、出発点へ集合。この画像は、坑道の入口。

坑道ガイド(このときは女性)が30名ほどのお客さんを連れて、岩塩坑道ツアーへ出発。ドイツ語、英語の説明があり坑道の中を案内されていく、途中なんと滑り台が2箇所あり、この画像は2箇所目の長ーい木製の滑り台。この後地底湖で、光のファンタジック・ショー?でハルシュタットの岩塩坑の歴史を学び。

そしてトロッコで脱出。ここがトロッコ乗り場。

せまーいトンネルに入って行く。

終点へ到着。ここでツアー終了。

再びケーブルカーで麓へ戻る。雨も止み、行きは見えなかった下界の景色が一望。それにしてもこのケーブルカーものすごい急勾配。目がくらむ。

雨も止み、湖面は静かに。

再び村の中心部へ戻ってきて、ハツシュタット湖で取れた?マス料理で遅めの昼食。


再び最初のポイントへ戻ってきました。雨が止み湖面の水鏡が美しさを増し始めいる。

さて船着場へ戻ろうとすると、突然静かな村の中心部の方から、ブォーンとエンジン音が鳴り響いてきたかと思うと、クラッシックカーが次々とやって来た。最初、クラシックカーの愛好団体がドライブでもしているのかと思ったが、各車No.が付けられていたとこを見ると、クラシックカーのラリーレースでもやっていたのでしょうか?

再び船で駅まで戻り、ザルツブルクへと戻る。やって来た列車は今朝と同じ1142型の機関車だが、赤一色の塗装。客車は、オープンデッキタイプのBDmpz-s系。16:09発E3427列車。

車内はガラガラ。車掌が私たちの後ろの席に座り、仕事をしている。さすがローカル線。

次のバート・ゴワーゼン16:20到着。ここで、下り列車と交換。BDmpz-s系客車が推進運転でやって来た。せっかく止んでいた雨が、また降り始めた。

バート・イシュルの駅裏で見かけた光景。垣根が邪魔でよくわからないでしょうが、これサッカーをしているのです。

17:00エーベンゼー到着。ここでもまた列車と交換。一度列車が動き出したのだが、ホームの端で停車。しばらくすると、下り列車が構内に入ってきた。

トラウンキルヘン駅の裏手には、ヘリコプターがいっぱい。遊覧飛行のためのものなのでしょう。

17:45アットナンク・プッハイムまで戻ってきました。ホーム反対側には1116型電気機関車が待機中。思わずカメラを向けてしまいました。

そして、このICでザルツブルクへと戻ってきた。いや〜、今回は雨。是非もう一度、天気の良い日にゆっくりと訪れたいものだ。
リンツからザルツブルクへ 回廊列車でインスブルックへ