29. 献血、そして白血病

ほぼ半年毎に行なっている主治医のM先生による診察を書こうと思いましたが、その話題はもう変化がないので、今回は献血と会社の後輩の白血病による逝去について少し書いてみます。

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<定期検診(11月28日、術後2年6ヶ月)>

O府立成人病センターの予約システムでは半年先までしか予約が取れません。このため、半年毎に問診をしてもらう形になります。定期検診として11月28日、主治医のM先生から問診・触診・聴診を受けました。当初14日に予約を入れていたのですが、M先生のご都合が悪くなったとのことで1週間前の7日にして欲しいとの連絡はがきが届きました。7日でも良かったのですが、このままでは半年後の予約を取るためまた病院へ来る日が近くなってしまうので、遅い時期へ変更してもらいました。

体調の変化は何もないので、M先生とのやり取りはほとんど今までと同じです。体重やその他の体調の話があり、診察台で触診・聴診を受けました。半年後の検査(胃カメラ、超音波、胸部X線、尿、便)の予約と、次回の胃カメラのための血液検査をいつものように今日して帰ることを指示されました。
心なしか外科外来は待っている人が少ない気がしましたが、血液検査は相変わらず混んでいました。支払いの窓口も混んでいました。いつもと同じ風景。半年前はスタッフの入れ替えがあったとか感動したものですが、今回はそのような感動もなし。

 

<献血>

ある日、外出して仕事の打合せをした帰り、たまたま通りかかったH駅前で献血ルームの看板が目に飛びこんできました。以前M先生に伺ったところ、献血は特に問題ないとのお話だった(「術後18ヶ月」参照)ので、思い切って献血をしてみることにしました。

献血を最近したことがない方のために少し補足をしておくと、献血は何種類か方法があります。200ml・400mlのそのままの献血(全献血)。成分献血。まず献血の内容を自己申告します。
次に、主にHIVの検査を受けに献血に来る人をふるいにかけるための問診票があり、それに答えます。さらに現在かかっている治療・海外旅行などの質問に答え、それからようやく医師の診察を受けます。「過去に輸血を受けたことはありますか」「過去に手術をしたことがありますか」このような質問もありました。「輸血」はNoですが、「手術」はYesです。医師の診察では、ここがまず引っかかってしまいました。また体重も術前は50Kgを超えていたのですが、術後は10%減で46から47Kgで安定してしまっています。男性の場合は体重45Kgが献血の最低ラインなので、これもお医者さんの気になるところのようでした。

「手術をしていますね。なんの手術ですか」
「胃の部分摘出です。胃がんでした。」

「輸血をしていませんか。」
「医師からは輸血をしていない、と言われています。」

「そうですか。輸血をしていたら、その時点で献血はあきらめて頂くことになるのですよ。本当に輸血をしていませんね。」
「輸血をしなくても大丈夫みたいですよ、最近の手術では。」(補足:献血の時のお医者様は大抵が第一線を引退したボランティアのような初老のお医者様です。今回は70才前後でしょうか。女性の方でした。)

「少し体重も少ないみたいですね。無理しなくてもよいのではありませんか。」
「確かに自分もそれは気にしていることなので、今回、体重が少ないので献血を止めた方がよいというのであれば、もう少し体重が増えてから来ることを考えます。体重が少ないからだけではなく、胃がんの手術をしたから、胃がんだ(った)から献血をできないのですか。」

「・・・・」

5分ほどでしょうか、こんなやり取りを医師の方としました。結局のところ通常ルーチン通り血液の比重測定をして、問題ないようであれば採血をしましょう、ということになりました。

比重もOKで採血台へ。採血の準備をしながら看護婦さんが「先生随分心配なさっていましたよ」と言ってくれました。献血で気分が悪くなる人もまれにいますので、それを気にしてくれたのでしょう。そう納得して献血をすませ帰路につきました。以前と同様、ふらつくとかそう言った問題もなくまったくの無事でした。

 

<白血病、会社の後輩の死>

このHPとはまったく無関係ですが、会社の後輩が白血病でこの世を去りました。まだ30少し過ぎたばかりの若さでした。ちょうど自分が手術のために入院したころ彼も入院しており、骨髄移植や臍帯血移植を受けたりしていたそうです。一時は職場に復帰していたのですが、8ヶ月ほど前に再入院してそれ以来病院から出てくることはできず、次第にからだが弱り最後は肺炎のような状態だったそうです。治療はガンの化学療法と同様なもので、抗癌剤を投与されるので無菌状態の病室に隔離されます。好きなもの食べたいものがあっても持ちこめないため、そのような面でもつらかったそうです。気力が萎えてしまったように思えてなりません。

お通夜・告別式では、骨髄バンクのパンフレット・臍帯血バンクのパンフレットが配られたそうです。私には骨髄バンクに登録する勇気も資格(※)もありませんが、あらためて何かお役に立ちたいと思い始めました。

※骨髄バンクへドナー登録できない場合(パンフレットより)

  • 病気療養中、服薬風の方
  • 悪性腫瘍(ガン)、膠原病(慢性関節リウマチなど)、心筋梗塞、狭心症、脳卒中、悪性高熱病などの既往歴がある方
  • 最高血圧が151以上または89以下の方、最低血圧が101以上の方
  • 輸血を受けたことがある方、ウィルス性肝炎・梅毒など人に移る恐れがある感染症の方、貧血の方、血液の病気の方
  • 体重が男性45kg・女性40kg未満の方、過度の肥満の方

 2人のM先生

 (このページここまで)