確定申告
<医療費控除>
病気の支出があると医療費控除が受けられます。ここでは今回どんな事をしたか書いてみます。
最後まで読んで、「なーんだ」と言われると困るので、結論を先に言っておきますと、「何もしなかった」ということになります。もしこの考え方がおかしいとお考えの方がいらしたら、是非是非お知らせください。税務署の職員にも相談しましたが、職員の皆さんが、わざわざ税金を減らすお手伝いをしていただけるのかは疑問だからです。(偏見かもしれません。けして対応が悪かったと言っているのではありません。)私は税金の専門家ではありませんので、ここで使用している言葉はプロから見たら誤った言葉が沢山あるかもしれません。こちらもご容赦ください。
<医療費控除の考え方1、出銭・入銭>
医療費とみなせるのは、
1.直接医療機関に払った金額
2.入院・治療のために購入した衣類・用品
3.通院費(本人分のみ、電車などは領収書不要。タクシーは必要。)
4.付き添い費(医師が必要と認めた場合)
5.薬などです。癌に関係ありませんが、一般的に含まれないとされているのは、
A.めがね・コンタクトレンズなど(不思議なことに金歯など歯の治療は医療費控除に認められますが、眼鏡はだめです。)
B.美容とみなされるもの(美容整形はだめでしょう。薬も痩せ薬などは、きちんと「肥満が健康を害しているから、痩せる必要がある、と証明できるものでないと、だめだと思います。)
C.家族の交通費です。ここは税金のホームページではないので、詳しくは税理士さんか税務署で聞いてください。(冒頭に偏見発言を書きましたが、結構丁寧に教えてくれます。ただし、税務署の方針が変わってきたようで、今年は「まず自分で書いてください。」という指導になっていました。)
一方、治療にあたって入ってくる金額もあります。
1)健康保険からの給付金
2)生命保険・傷害保険からの給付金
(お見舞いは本当は「贈与」の対象になりますが、一般人では全然問題になりませんね。私も親類から少し頂きましたが、贈与税の枠なんて、まったく無関係でした。)<医療費控除の考え方2>
所得税は年収に対してかかりますが、医療費控除とは医療費として支出した分の年収が減ったようにみなし、その結果所得税が少し減ります。式としては
(修正年収)=(年収)−(医療費控除額)
で、この修正年収に対して税金がかかることになります。では医療費控除額はどうなるかというと、
(医療費総額)=(医療支出1〜5など)−(医療収入1)〜2))
※医療収入っていうのも変ですが一応そう呼ばせて貰います。
(医療費控除額)=(医療費総額)−10万円
※10万円というのは一般的な数字です。これより少ない場合もあります。
という形です。
つまり家族分もいろいろ併せた結果、医療費総額が10万円を超えて初めて控除が受けられるようになるわけです。手術しているので10万円くらい簡単に超えるだろうと思っていたら、実際には健康保険から戻ってきていたので自己負担はごくわずかでした(こちらを参照)。あまり欲を出してはいけないね、と半分諦めていました。
ところが、家族が通った歯の治療だのなんだのが出てきて、もう一度きちんと計算してみると10万円を超えていることがわかりました。おお、少しは税金が戻ってくるかも知れない!そう思えて再度計算をしてみました。
<生命保険・傷害保険>
さて再度計算をしてみようとよく考えてみると、生命保険や傷害保険から保険金が払われていたことが気になりだしました。よくよく考えると入院給付金やらなんやら結構な額を頂いており、これでは癌治療の支出はマイナス、つまり貰った保険金(給付金)の方が支払った医療費より多いのです。家族を含めたほかの医療支出を含めても、保険金の方が多いということがわかりました。
<保険給付金と医療費の対応>
この疑問を税務署で聞いてみました。そうしたらこんな答えでした。
「例えば手術給付金は、手術費用を補填するために払われている。入院給付金は入院費を補填するために払われている。したがって
(手術費用)−(手術給付金)<0
(入院費用)−(入院給付金)<0
(健康保険の給付があればそれも考慮)であれば、それに対してはマイナスではなく0として考える」
これならば給付金の出ていない「通院」や「家族の医療費」は別枠で考えることができるので、医療費控除の可能性が出てきました。
<最終結論、T家1999年医療費>
交通費をかき集め、家族の医療費の領収書をかき集めいろいろと集計してみましたが、結局は10万円の壁には届きませんでした。あまり欲を出さないほうがいいようです、疲れただけでした。
<さらに余談>
もしかすると、入院給付金や手術給付金などの支払いが手術をした年と違う年だったら医療収入はないと考えられるので、税金対策的には、わざと翌年に請求する人もいるのかもしれません。かなりうがった見方ですが。
また、医療費はまとめてある年にかけてしまうと控除額が大きくなりますので、大病をしたらついでに自分や家族の歯も治療するとよいのかもしれません。
しかし現実問題、「病気です」と宣告され、そんなことを考える余裕のある人はほとんど皆無だと思いますが。
(このページここまで)
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