手術直前
(2000年12月2日改定)
<同意書>
インフォームドコンセントと同時に、
「胃の手術について」
「手術説明・承諾書」
「輸血療法同意書(同種血輸血)」
の3種類の書類が渡され、署名(捺印)を求められました。書類については後で表にまとめてます。
<手術前々々日>
手術に備えて、うがい薬と鼻腔(鼻の穴)を掃除する薬を渡されました。同室だった肺手術の患者さんは貰っていませんでした。確かに主治医は「胃の手術をする人はしてもらう。」と言っていました。うがいは日に3回、鼻の掃除は適当にということです。(フォトギャラリ参照)
<手術前々日>
1999年6月1日(火)
麻酔医が午後に病室へ訪れ、「麻酔説明・承諾書(同意書)」という書類を置いて行きました。明日来るまでに読んでおいてほしいとのことです。「全身麻酔」のほかに「硬膜外麻酔」というのがあります。これが入院以来うわさに聞いていた、「手術後の痛みを感じなくさせる」すごいものの正体だそうです。麻酔医の先生は午前・午後の手術が終わった後来ているようで、それを考えるとつくづく大変だなと感じます。
この病院では、手術後の「回復室(リカバリー室)」と一般病室で使う用品をあらかじめ用意しておき前日に病棟の看護婦さんに渡すことになっています。しかし看護婦さんから「揃っていますか」と聞かれたので、持っているものを確認してもらい、渡しておきました。
書類名
内容
自分の場合
切除する大きさ
周囲の臓器
つなぎ方
リンパ節郭清
手術前後の併用療法
下側一部
同時切除なし
胃腸吻合(B-I)
術後決定
手術名称
麻酔方法
手術内容・合併症
幽門側胃切除術
全身麻酔
(略)
輸血療法同意書
輸血理由
輸血の種類と量
輸血療法の説明
術中術後の出血
赤血球3単位
麻酔説明・承諾書(同意書)
麻酔の種別
手術部位
手術時間
体位
全身+硬膜外麻酔
上腹部
3時間
仰臥位
<手術前日>
1999年6月2日(水)
朝、「手術前オリエンテーション」という用紙が渡され、これからの説明が行われました。その内容は次の通りです。( )内は患者により異なるので、書き込むようになっています。これを見てもわかりますが、私の手術は午後の手術です。午後であることは前から言われており、二日前の月曜日に正式に婦長から連絡がありました。
手術前オリエンテーション
( H )様3時過ぎに回復室の看護婦さんから、回復室の説明を受けました。また6時過ぎに麻酔医の来室があり、麻酔の説明がありました。全身麻酔は点滴とガスで行うそうです。しかしこの麻酔は補助的なもので、メインとなるのは「硬膜外麻酔」だそうです。この麻酔では、背中に細い針を入れ麻酔薬を入れることで、腹部の痛みを完全に抑えることができるそうです。ちなみに「麻酔説明・承諾書」には次のように書かれています。
(6月2日)
手術部位の毛剃りを行います。
麻酔科の医師・回復室の看護婦の訪室があります。部屋を離れないようにしてください。
手術に必要な物品の確認を行います。
食事は(
昼・夕)から絶食です。食事は半分くらいにして残してください。
水分は夜9時まで飲んでいただいて結構です。
夕方(夜6時30分ごろ)の点滴は(ある・
なし)です。爪を切り、全身入浴をして、頭には整髪料をつけないで下さい。
マニュキュアも落としてください。
(13)時に下剤(水薬)を飲んで頂きます。
(19)時に浣腸を行います。
夜9時に眠剤と下剤を計(3)錠飲んで頂きます。
夜9時以降は絶食、絶飲をお守りください。
(6月3日)
(9)時に浣腸をします。どのような便が出たか流さずに看護婦に見せてください。
歯を磨き、男性は髭剃をしてください。女性は化粧をしないでください。
(
8時30分・連絡時)筋肉注射をして手術室へ出診しますのでトイレをすませておいてください。義歯、眼鏡、コンタクトレンズ、アクセサリー、時計、湿布類をははずしてください。
ネームバンドを着けてください。
貴重品は家族の方に預けておいてください。
(11)時までに家族の方は病棟におこしください。
床頭台の上には物は置かないでください。
家族の方は手術中、3階の家族待合室でお待ちください。手術終了後連絡が入り、医師からの説明があります。
「脊髄骨の間から細いチューブを硬膜外腔に入れ、麻酔薬を注入して胸部から足までの一部を麻痺させたり痛みをとります。術後鎮痛にも用います。」
新しいタイプの機材で、術後痛みがあった場合にボタンを押すと麻酔薬が流れる装置をつけてくれるということでした。毛剃り:若い(?)私にとって、術前の一つのクライマックスがこの毛剃りだと思っていました。覚悟は決めていましたが。
ところがパンツを全部脱がされて、さあ剃りますよ、という残酷な剃り方ではありませんでした。胸(みぞおち)から剃り始め、パンツを少しずつずらしながら丁寧に剃ってくれました。しかも手術するのは上腹部だけなので、全部パンツを脱がされることなく終わりました。浣腸:一方浣腸は少し無残でした。男子トイレには和式が1つ洋式が1つの計2つしか個室がなく、予めトイレが確保されていないと悲惨なことになります。従って、浣腸はトイレで行われました。トイレでパンツを下ろし、看護婦さんに浣腸してもらい、個室のドアを閉め、できるだけ我慢する。そして排出。
いろいろあった一日でした。安静剤(眠薬)のおかげでぐっすりと眠ることができました。
(このページここまで)
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