「最近宿題忘れが多いよ。宿題ちゃんとやってこないとサンタさんがこないぞ!」
と私が注意すると子供たちが話し始めました。
「サンタさんへのお願いってなぜか親に話しておかないといけないんだよね。」
「そうそう、手紙を書いて張っておくとかね。」
「ご飯の時に独り言でプレゼントのお願いを大きな声でいうのも効果があるぞ。」
と私。
さよならの後一人の女の子が眉間にしわを寄せてやってきました。
「先生、だめだよ。夢をこわすこといっちゃあ。
○○ちゃんまだサンタさんのこと信じてるんだよ!」
テストの採点をしていました。
一問分からなかったらしく回答欄に
(先生かっこいい)
と書いてあります。
もちろん花丸をつけて100点にしてあげました。
*よい子のみんなへ 真似っこはマイナスポイント!
男女混合でバスケットボールの試合をしています。
女の子がボールを持っていて男の子がボールを取りにいくと
「やだー。あやしい!。」
「きゃーエッチ!」
と大声をだします。
男の子はそのたびに固まってしまいボールをとれないのです。
でも、男の子がボールを持っていると平気でぶつかっていくのです。
「先生、タイタニックで勝ったよ。」
バスケットボールの試合が終わって赤い顔をしながらうれしそうに報告に来ました。
「タイタニック?」
「うん、両腕を大きく広げてブロックする事。」
うまいネーミングです。
「明日は午後PTAのお楽しみ会があるからお弁当と水筒を持ってきなさい。」
「先生、水筒の中身は?」
「茶がつくもので砂糖が入っていないやつを持っておいで。」
日本茶、紅茶、麦茶のようにお茶の仲間を持ってくるように言ったつもりだったのです。
次の日
「先生おれ水筒「なっちゃん」にしたよ。ちゃんと「ちゃ」もつくし、砂糖も入っていないよ。」
まったく、悪知恵はよく働くのです。
*なっちゃん オレンジジュースの商品名 最近のジュースは砂糖を使っていないのです。
「先生、図書室の本っていつ借りていいんだっけ?」
「図書委員に聞いてみたら?」
「あっ、俺、図書委員会の委員長だった。」
「はい、手をひざにおいて屈伸。」
すると、お茶目な男の子すぐに
「だっちゅーの!」
給食の後かたづけをしているときのことです。
当番の子は手分けをして食器や食缶を運搬車に移しています。
「じゃあ○○くん配膳台ふいといて!」
「何で俺が!」
「女の子に冷たい思いさせる気?」
と言いながら男の子の持っていたミカンの袋をむしり取って行ってしまいました。
算数の時間に工作用紙で三角柱を作っていました。
「ちゃんと名前を書いておきなさい。」
「先生、どこに書くの?」
「どこでもいいから分かるところに書いておきなさい。」
すると別の男の子
「あれ、俺、内側に書いちゃった!」
学芸会の劇の見所を紹介する集会がありました。
6年生の代表は2組の男の子でした。
集会が終わり、教室に帰ってきてクラスの中でも大人っぽい女の子が
「君、可愛かったよ。」
とお姉さんが弟にいうように声をかけていました。
「うるせえなあ。」
といいながらもニヤニヤ。
「明日は委員会があります。」
「委員会はいいんかい?」
私が何か言うと必ずだじゃれを言う子がいます。
「前をむきなさい!」
「まあええかな。」
「底面と側面はどんな関係?」
「てめー。」
「図工の用意は?」
「ずっこーん。」
クラス全員そのたびに凍りつくのです。
「ノートは勉強に使うんでしょ。落書きばかりしていたらだめ!」
としかりました。
それからしばらくたって
「ねえ、○○ちゃんノート落書きしてない?」
「うん、してないよ。」
と力強い返事。
「ノート破いて落書きしているのもだめなんだよ。」
「えっ!なんで。」
彼のノートはもう表紙の中に2、3ページしかないのです。
宮沢賢治の「やまなし」の朗読の授業で発表会をの準備をしていました。
班ごとにOHPのシートを作りCDや楽器でBGMや効果音をいれて発表します。
OHPをだしてリハーサルをはじめるとすぐにお茶目な男の子がシャツをめくってスクリーンの前に立ち
「イレズミ!」
教室で仕事をしていると校長先生に声をかけらました。
「保健日誌を読んでいたら先生のクラスの子供がはさみでふざけていて怪我をしたとかいてあったけど大丈夫ですか。」
「子供から何もいってきてませんけど。」
「それじゃあたいしたことないのかな。」
「子供に聞いてみます。」
「ねえ、はさみでけがしたんだって?大丈夫?」
「うん、平気だよ。」
そのクラスで一番体格のいい子はシャツをまくって腕を見せてくれました。
傷口にはカットバンが貼ってありたいしたことなさそうです。
「何で怪我したの?」
「ガムテープの輪に腕を通したら抜けなくなっちゃって、友達にはさみで切ってもらったら腕まで切れちゃった。」
まったくほっとするやらあきれるやら。
雨上がりの休み時間校庭に出ると校庭の隅で男の子と女の子がドッチボールをしています。
男の子のコートには大きな水たまりがあり、後ろにはすぐに体育倉庫があるので2mぐらいしか陣地がありません。
女の子は男の子を狙うのでなく水たまりに向かって水を投げています。
バシャーン
すごい勢いで水が跳ね上がって男の子にかかります。
泥だらけになりながらも何だかとっても楽しそうです。
「先生、風邪引いて寝ていたから昨日はすごくつまらなかったよ。」
「あれ、君は風邪引かなかったんじゃなかったっけ。」
「あ〜それって俺が馬鹿だってこと?」
するとその会話を聞いていたきわめて健康体の男の子が口をとんがらかせて
「それって健康な人にスゴク失礼だよね。」
「先生、○○ちゃんといるとびっくりすることばかりだよ。」
「どうしたの。」
「この前うちにハムスターをつれて遊びにきたんだけどどうやってつれてきたと思う?」
「わかんないなあ。」
「口の中にいれてきたんだよ!お母さんもびっくりしていた。」
私もびっくり!!!
「先生,歯が落ちていなかった?」
「抜けたの?見なかったよ。」
「心配だなぁ。ちゃんとはえてくるかなぁ。先生,屋根に投げないけどちゃんとはえてくるよね。」
「大丈夫だよ。ちゃんとはえるよ。」
純真な子もいるのです。
2学期に入り運動会へむけて練習が始まりました。
組体操のペアで土台になる子と上にあがる子を決めて数日後のことです。
「先生,持ち上げられることは持ち上げられるんだけど
上と下とかえてもらえませんか。」
「上の子の方が大きいの?」
「うん,背が。」
「体重は?」
と聞くと下を向いてもどっていきました。
応援団の朝練習は8時5分からはじまります。
「先生,私今朝寝坊しちゃった。
起きたら7時50分だったんだよ。」
「よく間に合ったね。」
「うん,お母さんにおくってもらったんだ。
お母さんも寝坊したからすごいんだよ。」
「何が?。」
「見せられない顔だよ。
頭は爆発しているし,まゆ毛はないしこわいよ。」
送っていったのに悪口を言われ親も大変です。