PART1    PART4(98/05/07)     PART7(98/08/08) 
PART2    PART5(98/05/28)
PART3    PART6(98/06/30)


PART1


脱穀

「機械に手を吸い込まれないように注意してやりなさい。」
と説明を受けたのでどの子もおっかなびっくり、緊張した顔で稲を脱穀機に入れていました。
やってみると案外たいしたことがないのがわかりどの子供たちもほっとした顔をしています。
「あれ、○○ちゃん、顔が吸い込まれちゃったの?」
と私がふざけて声をかけました。
「うん、でもね、おかげでお肌がつるつる。」
子供の方が一枚上手でした。

歯医者

虫歯でほっぺたがはれている私の顔をみると、いつもは悪口を言う子供たちがめずらしく、
「先生、顔どうしたの?」
と心配したように声をかけてくれます。
「早く医者行った方がいいよ。」
「先生、A歯科はきれいなお姉さんが多いけどやめた方がいいよ。」
「何で?」
「だって、あそこ言っていることがちがうんだもん。『痛いところあったらいってくださいね。』って言うから『痛い!』って言ったのに『話したらダメ』っておこられたんだよ。」
と口をとんがらせています。
私は、きれいなお姉さんが多いなら行ってみようかなと思いました。

さすが

組体操でピラミッドを作るとき、土台になる男の子が一人足りません。
体の大きな女の子に入ってもらいました。
上に乗った男の子がみんな降りた後、一言
「先生、男子ってすごく軽い!」

もってけ泥棒!

組体操の練習中。
若い女の先生と話をしていると、
「先生、先生。」
と呼ぶ声がしたので、振り向くと、女の子達がカシューナッツのような目をしてニヤニヤしています。
手でハートマークを作りながらうれしそうにひやかしてきます。
「先生やるう。」
「頑張って。」
「デートに誘っちゃえば。」
そしてとどめは
「もってけ泥棒!」


PART2


賞状

授業中話が横道にそれたとき、
「こんな話ばかりしているから授業が進まないんだな。」
と私が言うと、男の子が
「先生、くだらない話を1ヶ月しなかったら、俺が先生に賞状をあげるよ。」
もちろん、その後1ヶ月我慢をして賞状をもらいました。

うかんむり

作文の時間
「先生、2泊3日の泊ってどんな字?」
さんずいに白だよ。」
「やっぱりそうか。」
席に戻ると後ろの子に向かって
「おい、うかんむりに白だってよ。」

強い女の子、やさしい男の子

休み時間
男子対女子でドッチボールをして遊んでいます。
女の子の一人がものすごい速さでボールを投げると男の子数人が声をそろえて、
「こえー。」
「ドッチボールってすごくスリルあるよな。」
ところが男の子の速いボールが当たると女の子が声をそろえて、
「女の子に強いボール当ててひどーい。」

反省

国語の時間
「反省ってどういう意味かわかる人。」
誰も手を挙げません
「どういう時に反省って使う?」
「怒られたとき。」
「怒られたとき反省しなさいって言われたらみんなどうするの。」
「黙ってる。」
「じゃあ、反省って黙っていることなのかなあ。」
「ううん、俺はだまってチクショウと思っている。」
思わずため息。

クイズ

お昼の放送でクイズをやっていました。
「チャイムを押してから始まるスポーツなんだ?」
すると男の子がにニヤーとして
「ピンポンダッシュ!」
思わず爆笑。

 *ピンポンダッシュ  人の家の呼び鈴を押して急いで逃げるいたずらのこと


PART3


へん

私が髪を切ってきた日のこと。
子供達が一斉に
「わあ、先生へん!」
「なんだか平泳ぎが似合いそう。」
はじめは、意味が分からなかったのですが、どうやら「河童みたいだ。」と言うことらしいです。

肩たたき券

「先生、俺肩こってしょうがないよ。」
「何言ってんだよ。まだ小学生のくせに。」
「ああ、マッサージ機ほしいな。おじいちゃんちに行くといつもやるんだ。すごく気持ちいいんだよね。」
「先生もほしいけど、あれ高いんだよな。」
「そうだ!おれ、今度の誕生日に母さんに肩たたき券もらおっと。」

チョベリバ

少し前の話。
休み時間、女の子達と話していました。
「ねえ、お父さん。」
と私に声をかけた子が、自分で「はっ」と気がつき、
「やあだあ。こんなのがお父さんだったらチョーサイテイ。チョベリバ!」、

オバQ

水泳帽に張る級の布を渡している時のこと
「この前の検定で進級してまだ新しい級をもらっていない人は教えて。」
「ぼく、4級。」
「私、3級。」
お茶目な男の子
「おれ、オバQ。」
もちろん新しい布にオバQの絵を描いて渡しました。来年、つけてきてくれるか楽しみです。


PART4


書き初め

3学期のはじめは,恒例の書き初め大会です。
本校では席書会と呼んで学年ごとに体育館で行います。
冬休みにはお手本を持って帰り練習をしてくるのが宿題です。
「先生,俺,お手本なくしちゃった。どうしよう。」
「新しいお手本は,5000円で販売しています。」
「えー。それならいいや。お手本なしでもかけるもん。」
その会話を聞いていた女の子が
「ねえ,その宿題,お手本見てかいたの?」
「そうだよ。それがどうかしたの。」
「お手本あってもあんまり意味がないんじゃないの。」

黄色い帽子

「先生,これ貸してあげるよ。」
声をかけた男の子の手を見ると黄色い校帽があります。
私のあまりの寝癖のひどさを見かね帽子をかぶって直せと言うことらしいのです。
教室の中で帽子をかぶって授業をするわけにもいかず丁寧に辞退させてもらいました。

冷蔵庫

郵便局から矢車草とかすみ草の種をもらったので1人1鉢ずつ育てることにしました。
教室の窓辺におけばいいのでしょうが,6年生の教室は校舎が南北に長いので午前中10時位までしか日があたりません。
そこで校舎の南側に鉢を並べました。
「下駄箱にじょうろをおいておいたから毎朝水を忘れずにあげなさい。」
と話しました。
「なんか忘れそうだな。
下駄箱のところに冷蔵庫があればなぁ。」
と男の子がつぶやきました。
「何で,冷蔵庫が必要なの?」
「だって,ぼくいつも冷蔵庫をのぞいてばかりいるから,冷蔵庫の中に水やりって書いておけば絶対忘れないもん。」

マニア

6年生の社会科は歴史です。
弥生時代,米作りのところを学習していたときのことです。
「米作りがうまいことも’かしら’の条件だったんだろうね。」
「えっ米作りにうまい下手があるの?」
「種をまく時期や水田にはる水の量や水温なんかに詳しくないと同じ田んぼでもとれる米の量が全然ちがうんだよ。」
「なあんだ,つまり米マニアが’かしら’になったんだ。」

先生もね

掃除の時間にぷらぷらしている男の子2人を見つけたので
「何しているの?」
と声をかけました。
「だって,女の子達がやらなくていいって言ったんだもん。」
「ふざけているからでしょ。」
と横にいた女の子。
「しっかりやんなくちゃダメだろ。だから女の子に男は馬鹿だと言われるんだよ。」
と私。
すかさず女の子
「先生もね。」



PART5


雑巾

「あれ?俺の雑巾がない!」
と掃除の時間に大騒ぎしている男の子。
机のまわりをキョロキョロして
「あっそうだ!昨日ポケットにしまっておいたから持って帰っちゃったんだ。」
と一言。
変わったところに雑巾をしまっておく子どももいるものです。

首のつくところ

プールの準備体操の時
「首のつくところは全部回して。」
もちろん首,手首,足首をよく回しておきなさいというつもりで指示したのです。
お茶目な男の子,胸を引っ張って
「俺,乳首まわそう!。」


PART6


光陰矢のごとし

棚にちりとりが出しっぱなしになっていたので
近くにいる男の子に
「そこのちりとりしまっといてよ。」
といいました。
「くださいは?」
と男の子。
「やれやれ。またか。」
と思ったのですが
「ちりとりしまってください。
と私。
「この俺様が人の言うことをきくことはこの先10万年はないだろう。」
といいながらちりとりを片づけました。

授業の始まる前,チョークがないので誰かにとってきてもらおうと思いキョロキョロすると
さっきの男の子がプラプラしています。
「ねえ,チョークとってきてくれない?」
すると今度はすぐに
「いいよ。」
の返事。
私は10万年たつのはけっこうはやいものだと思いました。

おしり

「テスト中は話さないでやりなさい。口は閉じたまま!」
「わかんないなぁ。」
「だから,黙ってやりなさい!
口は閉じたままでしょ。あごの上についているのはおしりなの?」
「じゃあおれ口におしりって名前つけよっと。」

七夕

給食の時間に,友達同士で楽しそうに七夕の話をしています。
理科の時間,夏の星座の学習をして七夕の話に触れていたので
「感心,感心」
と思いながら聞いていました。
「しかし,1年もよく平気だよね。俺だったらもうあきらめるよ。」
「絶対,浮気しているよね。」
「でもばれたら大変だよね。」
「馬鹿,1年に1回しか会えないんだから,絶対ばれないよ。」

「やっぱり小学生。女の人の本当の怖さを知らないな。」
と思いながら聞いていました。

後戻りできない

給食の時間わいわいと食事をしています。
「転校すると人間変わるよね。」
「その学校のクラスの雰囲気とかでね。」
「俺,先生が担任するまではこんなに馬鹿じゃなかったのに。」
「授業中,馬鹿ばっか言うようになった。前は真面目だったのに。」
「そう,そうもう後戻りできないって感じ。」

今年の流行

梅雨の合間のとても暑い日のこと。
休み時間が終わり教室に行くと
「先生,今年の流行知っている?」
と男の子。
「パタパタなんだよ。」
見ると子供達全員真っ赤な顔をして下敷きをうちわがわりにしてパタパタ。


PART7


ぬるぬる

教室に戻ってくると
子供達が
「きゃーきゃー」
と騒いでいます。
男の子のTシャツの中に別の男の子が背中から入って
ちょうど2人羽織のような状態なのです。
「ぼくはこいつにのり移ったのだ。」
といいながら追いかけっこをしています。
室温38度,汗でぬるぬるになって騒いでいます。
本当に元気です。

先生かっこいい!

「月曜日は調理実習だから三角巾とエプロンをもってくるように。」
「三角巾持っていないよ。」
「じゃあ手ぬぐいでもいいよ。」
といい,汗ふきように持ってきてあるタオルを頭にまいて見せました。
「キムタクみたいでしょ。」
一斉に
「やあだぁ。」
のブーイング。
すると廊下で待っていた女の子達
声をそろえて
「先生かっこいい!」
さすが,よそのクラスの女の子達はわかってらっしゃる。

上ばき

金曜日の放課後
「上ばきを忘れずに持って帰りなさい。」
というと男の子が,つかつかっとやってきました。
「先生,俺の上履きなんかへんなんだよな。」
と上ばきをぬいで差し出しました。
見ると両方とも左足用。
「1週間これ履いていたの?」
「うん。なんか変だったよ。」
いろいろな子がいるものです。

一発

移動教室のキャンプファイアーに向けてフォークダンスの練習をしていたときのことです。
男女手をつないで踊るのが内心嬉しいくせに照れくさいのかキャーキャー言ってなかなか手をつなぎません。
特に男の子は意識をして手をつなげないのです。

練習が終わって
「先生,○○くんはちっとも手をつながないんだよ。」
と女の子達が言ってきます。
ある女の子
「手をつながないでだらだらしているやつは,
一発ガーンとやっておとなしくさせてたら踊ったよ。」

ゼリー

給食当番の女のが後かたづけの時
「先生,これ余ってたよ。」
とゼリーを持ってきました。
「もったいないから急いで食べちゃえば。」
「えっ本当にいいの。」
と嬉しそう。
教室の隅で食べ始めていると
めざとい男の子達が集まってきました。
「いいな。」
「ずるいな。」
まわりでワイワイ騒いでいます。
女の子少しも動ぜずゆっくり食べると大きな声で一言
「あ〜うまかった!」