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10月3日出光興産苫小牧工場多量の危険タンク発覚

損傷タンクは半数近い45基に苫小牧の出光製油所火災

出光興産北海道製油所の火災で、同社の天坊昭彦社長は1日、記者会見し、今回の火災について「基本的には天災と考えている」と述べた。火災は出火防止の措置が不十分だったために起きたとし、二次災害との認識を示した。製油所のタンク105基のうち、火災が起きた2基を含め、今回の地震で45基に何らかの異常や損傷があることも明らかにした。

45基のうち、30基は損傷の程度が大きく、中でも原油などのタンク6基は浮き屋根の上に油が出ている。同社は油を泡消火剤で覆う一方、根本的な対策としてタンクの油を抜くことを検討している。このほか5基のタンクでも浮き屋根の上に油が出ているが、その上にさらに屋根が付いていて外部から見えない状態だという。

会見で天坊社長は、原因究明や製造、出荷に向けた復興対策を講じた後、自らの進退を含めた責任を考えたいとした。

また、ナフサタンクの出火状況について同社は、泡消火剤が不足し、作業員が補充のためタンクを降りる途中に出火したと説明していたが、作業員6人はタンク上部で作業中、浮き屋根の反対側で火炎が上がるのに気づき、避難して通報したと説明内容を修正した。                                                                           (文章=朝日新聞10/01 13:02)

650番地区スロッシング及び処理跡0310041504
ビニールシートの向こうにも沢山のドラム缶と原油をためる穴が見える。(100651タンク南東) 飛散した原油を10m角のブルーシートで覆い、一輪車で大量の砂を運んで覆った。(100651タンク西)
飛散した原油を集めたペール缶と大きな柄杓(100654タンク南) 防油堤外にある外灯ポールにも原油が飛着している。(100651タンク北) 傾いた観測小屋(100651タンク東上部)
原油が堤内排水溝に流れ込んでいる。(100651タンク南西) 100654タンク北西側板に飛散した原油跡 堤内に土砂を運搬するための大量な一輪車(100654タンク南)
飛散した原油を隠す堤内作業跡(100651タンク東) 堤内に大量な土砂をダンプで降ろした跡(100651タンク北) 飛散原油を覆ったビニールシートと飛散原油跡(100654タンク北東)

別のタンクで出火の恐れ苫小牧、対策本部を再設置

2度のタンク火災が起きた北海道苫小牧市の出光興産北海道製油所で2日、6基のタンクが地震で油漏れを起こし、うち1基のタンク(6万5千キロリットル入り)で出火する危険性があることがわかった。同社と北海道胆振支庁、苫小牧市、同市消防本部など10機関は同日夕、災害予防対策現地本部を設置した。

同社によると、26日の十勝沖地震では同製油所のタンク105基のうち30基が比較的大きな損傷を受けた。このうち26日に火災を起こした原油タンクを含む6基で原油や灯油が外にこぼれ出たため、同社は油の揮発を防ぐため、いずれも上から泡消火剤で油面を覆う応急措置を施している。

うち一番危ないとみられる1基(直径78メートル、高さ25メートル)で、浮き屋根の状況などを上からのぞき込む監視用施設とはしごが不安定な状態であることがわかった。もし施設が崩れてタンク内に落ちた場合、気化した原油に着火する恐れがあるため、改めて警戒を強めることにした。

6基は原油・灯油類のタンクで、倒壊したナフサタンクは含まれていない。

現地本部は落下防止など技術的な打開策を検討するとともに、消防庁を通じて不足している泡消火剤の追加を関係機関に要請している。また道室蘭土木現業所苫小牧出張所は2日午後10時、出火の危険があるとして現場付近の道道など3.7キロを通行止めにした。

問題のタンクは3日から油を抜く予定になっていたが、崩落の危険性があるため、対応策を慎重に検討するという。 

北海道苫小牧市の出光興産北海道製油所の災害予防対策現地本部は3日午前1時半から、出火の恐れがある原油貯蔵タンクについて記者会見し、「タンクは危険な状態にある。油ぬき取りは夜間はリスクが高いので早朝から抜き取りを行う」と説明した。                                                                      (文章=朝日新聞10/03 01:52)

100651原油タンク北東から0310041510

東海地震被害想定域でタンク耐震改修前倒し指示防災相

石油などを貯蔵する屋外タンクの耐震改修が全国的に進んでいないことについて、井上防災相は3日の閣議後の記者会見で、東海地震での被害が想定される地域にあるタンクについては、耐震改修の期限を前倒しして進めるように指示したことを明らかにした。

タンクの耐震化は消防法で、遅くとも2020年までに耐震基準を満たすようにすることが義務づけられている。

消防庁によると、02年3月現在で全国に500キロリットル以上のタンクは1万3209基あり、耐震診断や改修が必要なのは1万1129基。このうち診断、改修が済んだのは2617基しかなく、23.5%にとどまっている。
(文章=朝日新聞10/03 11:39)

100651原油タンク北西にて0310041643

川崎市消防局の大型ポンプ 藤沢市消防本部の特殊送水車2
藤沢市消防本部の特殊送水車 東京消防庁消防救助機動部隊のスーパーポンプのホース延長車
どの大型ポンプ車にもユニックが付いている。これは、通常の吸管で対応できないとき別に積載されている水中ポンプをユニックでつり上げこのポンプと車載の本来のポンプとを口径100mm(東消は150mm)のホースでつないで送水する。この大型ポンプは、ホース口径も大きいが送水もキロ単位で行える。ちなみに、100mmのホースは長さ20mだが重量は40kgとなり人の手で巻き取ることは難しく、ホース延長車に簡易の巻き取り装置が付いている。
大型ポンプ車は、藤沢市市に2台、川崎市に1台、東京に多分2台確認しているが、これは神戸淡路大震災の教訓にしているため関西には間違いなく配備されているものと思われる。

100651原油タンク西から0310041741

100652タンク北(ホース延長車)0310041751

タンクから原油抜き取り進む苫小牧・出光

十勝沖地震後、2度のタンク火災が起きた北海道苫小牧市の出光興産北海道製油所で、新たに出火の危険性が高まった原油タンク(約6万5000キロリットル入り)の油抜き作業が3日午前9時から始まった。災害予防対策現地本部は未明の会議で、監視施設全体を撤去する方策も考えたが、作業中に火花が散れば揮発した原油に着火する恐れがあるため、油を抜き取ることにした。

同製油所によると、監視施設はタンク上部の状況などを見る小屋と、浮き屋根に降りるためのはしごからなるが、現在は小屋が内側に傾き、はしごとのつなぎ目部分がちぎれそうになっている。タンクの浮き屋根は傾いて原油の中に沈み込んだ状態。タンクには上から断続的に泡消火剤を注入し、油を覆って揮発を抑えている。

油の抜き取りは「1日で終わる作業ではない」といい、完了するのは早くても4日になる見込みだ。付近の道道は昨夜から3.7キロが通行止めになっているが、道室蘭土木現業所苫小牧出張所は出火の危険がなくなるまで規制を続けるという。

同製油所は、9月26日の地震直後に出火した原油タンクが鎮火した後、他のタンクでの油漏れを確認した。だが、28日にナフサタンクが出火し、30日まで燃え続けた。このため、油漏れタンクの対応は主に泡消火剤を注入するにとどまっていた。                                                                                                            (文章=朝日新聞10/03 13:00)

100652タンク北から0310041758

100651原油タンク北から0310041804

100651原油タンク北から0310050952

南埠頭にて0310051104

川崎市消防局と藤沢市消防本部の大型ポンプ車と100mmのホースを延長した光景です。消防車自体は現在の梯子車より短いのですが、ポンプ能力が異例です。北海道にも最低1台の配備が必要でしょう。

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大型ポンプ車から送水(口径100mmのホース)されたものは、媒介を通してFastTank(5トンと7トン)に貯水され、それを各消防車が給水し冷却体制を取っている。

100651原油タンク北西から0310051405

油抜き取り作業を再開苫小牧・出光製油所

北海道苫小牧市の出光興産北海道製油所で行われている出火の危険性が高い原油タンクの油抜き作業が、4日午前9時過ぎから再開された。3日の作業では1万1千キロリットルを抜き取り、残量は5万4千キロリットルになった。4日は1回あたり約1時間かけて5千キロリットル抜き取る。作業に使われている泡消火剤が不足していたが、在庫は同日深夜までに400キロリットルになる見込み。出火の恐れがあるほかのタンクに使う分も含め、4日分は確保できる見通しだという。

災害予防対策現地本部の説明によると、4日午前10時現在、崩落の危険性があるタンク上部の監視施設の状況に変化はなく、崩れ落ちる予兆は見られない。

抜き取り作業は、監視施設の状態を目視やヘリコプターによる映像で安全を確認しながら、日没まで可能な限り続けるという。抜き取るごとに作業を中断し、安全を確認する手順で断続的に続けられる。

また、作業ではタンク内へ泡消火剤とともに二酸化炭素の注入を始めた。空気より重い二酸化炭素で、油面が直接空気に触れないよう境をつくり、さらに安全性を確保するという。 (文章=朝日新聞10/04 12:38)