title.jpg (18540 バイト)


 

巨大クーラ  頂上対決

(TAKA100, Alpha P3125   ペルチェの場合)

LastModified 02/10/14

 

「自分の墓穴くらい自分で掘れなくてどうする。自分で掘るのが恐いのかっ?
いったい誰に掘ってもらうつもりだ!」
島本和彦著 「無謀キャプテン」より)

という訳で自分で掘ってみました。(笑) 「真・巨大クーラ バトルロイヤル」では予想に反して P3125 の勝利となりました。これは、P3 のOLGAコアの面積の小ささに対して、P3125のヒートスプレッダーというハイブリット構造が効果を上げた為と推定しました。伝熱面が大きくなるペルチェ併用の場合は、状況も変わってくるだろうと・・・・・・   ああ? 推定だ!? い、いかん。疑問に思ったら自分の目で確かめるのがポリシーの筈だってのに!   てな訳で、ペルチェ空冷の場合の効果を検証してみました。果たして、TAKA100 の雪辱はなるのでしょうか?

 


1 エントリー

使用するのは、[ペルチェの復讐]で作成したペルチェユニットです。千石電商で購入した、80W級ペルチェ素子 T150-85-127S にATX電源より12Vを印可します。取り付け方法は、CPUクーラ標準の方法ではなく、以下の方法を使います。

g_adapter.jpg (10013 バイト)

OLGAコア周囲にはグラファイトアダプターを装着

c_back.jpg (9842 バイト) CPU背面には、カスタムバックプレートを装着して・・・
b_plate.jpg (9318 バイト) バックプレートをネジ止めする事で、コア真裏にのみ力をかける。

標準の固定方法を敢えて使わないのは、純粋にCPUクーラとしての性能を比較したい為です。ペルチェユニットを装着した上で、Aopen AX6BC TYPR-R VspecU にセットしてみました。

 

1.田川アルミ TAKA100-P2U

TAKA100-R_1.jpg (30382 バイト)

TAKA100-R_2.jpg (20755 バイト)

一目見ればわかる通り、TAKA100の場合は DIMMスロットをほとんど食い潰してしまいます。ファンの固定ネジの下側2本を外せば、かろうじて一番奥のDIMMスロットが使えるといった所でしょう。

3.alpha P3125SM60

P3125-R_1.jpg (24634 バイト)

P3125-R_2.jpg (19986 バイト)

P3125の場合は、DIMMスロットを全て使用可能です。(ちょっとアルミのシュラウドを切らないと駄目ですかね) AX6BC系はDIMMスロットの手前にでっかいコンデンサが突っ立っているのですが、P3125の場合はフィンの下側を少し切り欠いてあるので、干渉しません。尚、固定についてはP3125のネジ穴がM2.6というかなり細かいサイズなのでネジの入手性に難があります。今回は、東急ハンズで25mm長のネジを入手しましたが、M3のタップを切ってしまうのも手かもしれませんね。

今回は、P3125 についてはファンを オリエンタルモータ製 MD625B-12(12V-0.16A 4000rpm 0.5m^3/min:吹き出し)に交換した場合についても測定を行いました。

1999.10.26追記
とまあ、偉そうに書きましたが実際に装着してみると切り欠きの高さがそれ程高くないので、これによりDIMMと干渉しないという訳でもないみたいです。下の左の写真はフィンの高さに合わせてシュラウドを一部カットした所です。ペルチェユニットを装着してAX6BCにセットしてみると・・・切り欠きよりDIMMの方が高くなっていますね^^; しかし、かろうじてDIMMスロットは全部使えそうです。

P3125_side.jpg (12176 バイト)

P3125_AX6BC.jpg (20823 バイト)


2 実験方法

CPU PentiumV-450 (SL3CC 99240970-0074 MALAY Vcore=2.1, 2.3V  Vio=3.74V) 133x4.5MHz駆動
M/B ABIT BX6rev2 with Turbo.PLL01+外部コントローラ
OS Windows95 OSR1
グリス グラファイトシート
  1. ケースは閉めた状態とする。

  2. セッティングは、3回行って計測し、ベストのデータを使用(作業性の影響を排除)

  3. 温度計測は以下の6点

  4. 室温、ケース内温度、CPUコア横、ヒートシンク、ピラミッドバッファ(以上全てサーミスタによる)

    BX6rev2 のW83782D の機能によりコア内部サーマルダイオードより内部温度読み取り

  5. 計測条件:FinalReality を1時間以上ループさせ、温度変動がなくなった後、一番負荷の高い City 時で温度を計測

 


3 実験結果

これは私の環境における結果であり、ケースや使用機器により変わってくることはご了承願います。

巨大クーラ頂上対決

室温

ケース

シンク

バッファ

コア横

コア内部

TAKA100
Vcore=2.1V

計測温度

23.8

27.0 37.2 11.0 23.2 18
室温との相対温度   3.2 13.4 -12.8 -0.6 -5.8

TAKA100
Vcore=2.3V

計測温度

24.1

27.0 38.0 18.3 28.7 24
室温との相対温度   2.9 13.4 -5.8 4.6 -0.1

P3125+ORIX
Vcore=2.1V

計測温度

24.7

32.0 38.1 13.0 25.1 20
室温との相対温度   7.3 13.4 -11.7 0.4 -4.7

P3125+ORIX
Vcore=2.3V

計測温度

24.5

31 39.4 18.2 28.6 26
室温との相対温度   6.5 14.9 -6.3 4.1 1.5

P3125
Vcore=2.3V

計測温度

24.7

31.0 40.0 19.0 29.5 27
室温との相対温度   6.3 15.3 -5.7 4.8 2.3

 


4 考察

さて、結果です。かろうじてTAKA100の方が低くなっています。しかし、その差僅か1.6℃・・・・

はっきり言って一緒です。

値段とDIMMスロットへの干渉を考えれば、どちらに軍配が上がるかはいうまでもないでしょう。

TAKA100の場合、ケース内温度の上昇が3℃程度なのに対して、P3125では6℃程の上昇が見られます。周囲空気との熱交換が効率良く行われているのでしょうか? このあたりに高性能の秘密があるのかもしれませんね。また、ファンをORIXにした場合でも、前回の結果とおなじくほとんど差が出ていません。やはり、標準のファンで放熱性能を充分に出し切っているとみるべきでしょう。

という訳で結論です。

アルファ侮り難し!

とりあえず、P3125 にベストチョイス(1999.10.6現在)の称号を贈りましょう。


5 独り言

さて、如何だったでしょうか。正直言って、TAKA100 に雪辱の機会を与えるつもりでやった実験でしたが、またも意外な結果となってしまいました。まあ、今回はペルチェ1枚でしたが、2枚使った場合には・・・おっといかんいかん^^;
(P3125では中央部の面積が狭い関係でペルチェ2枚は難しいでしょうね)

しかし、わからないものですねー。見た目の巨大さから受ける印象ではどう考えてもTAKA100なのですが・・・まあ、でかけりゃいいってもんでもないって事でしょうか。正に目から鱗です。

実際、BX6rev2の様にむやみやたらとSLOT1-DIMM間の広いマザーというのはそうそうなく、最近のマザーは大体 7cm程度です。(BE6 にはそれでトホホの烙印を押してしまいましたが^^;) 乗り換えを考える際にいつも頭痛の種でしたが、今回の結果を受けて、P3125を使用する事で解決できそうです。その意味では、私的にはいい実験でしたね。ま、P3125の欠点を敢えてあげるなら、「誰もが使っている」って事でしょうか(爆)

 

「自ら掘った墓穴。いつでも入る用意はあるのだ。」
島本和彦著 「無謀キャプテン」より)

Contents

HOME