鎚起銅器とは
鎚起(ついき)とは「鎚(つち)」で打ち「起(おこ)」すの意で、鋼板を焼なましを繰り返しながら金槌で立体的に成形していく鍛金技術です。このため出来上がった製品は長年の使用に耐え、産地特有の煮込みによる着色で大量生産品にはない味わいをかもしだし、使うほどに「手ずれ」が生じ愛用者固有の雅味を加えていくのが特徴です。
製法

- 板取り
- なまし
- 鎚しぼり・ヘラしぼり(成形)
- 模様打ち
- 着色
- 仕上げ






銅の特性
- 熱伝導
- 銅はアルミの2倍、鉄の5倍、ステンレスの25倍もの熱伝導があります。銅の湯沸を使用すればお湯がすぐに沸き、銅の鍋を使用すれば熱が容器全体に均一に伝わり、料理が上手に仕上がります。
また、銅カップを使用して冷たい飲み物を飲むと、口当たりや手に伝わる清涼感が格別です。
- 耐食性
- 銅は丈夫で長持ちする代表的な金属で、環境によく耐えるとして古代より親しまれてきました。数千年前の貨幣や銅器が腐食されず現存しています。
- 殺菌作用
- 銅には殺菌作用があり、非常に衛生的な金属です。この殺菌作用により、水は浄化されますので花瓶は花を長持ちさせ、急須・湯沸等はうまみを一層引き立たせます。
- 銅と健康
- 鉄分不足と同じように、銅が不足しても貧血症状を起こしたり、脳や神経・骨の発育に影響を及ぼします。銅は私たちが生きていくために必要不可欠な「必須金属」なのです。乳児用粉ミルクにも銅は配合されています。
- 緑青について
- これまでは緑青(ろくしょう)は毒だと誤解されてきましたが、これは日本だけの話。欧米では皆無です。日本でも、昭和59年(1984年)厚生省(当時)の研究によって無害証明されました。そもそも緑青とは、銅の表面にできるサビの一種。水に非常に溶けにくい化合物なので吸収されにくく、万が一体内に入ってもそのまま排出されますので安心です。
お手入れ方法
銅製品の表面に、水気・塩気・酸気などのよごれが付着したままにしておきますと、銅のサビ(ろくしょう)が発生します。サビですので、すぐに一面に広がるわけではありません。拭くことによって、目に見えない小さいうちに取れてしまいますので、1日1回、タオルなどの柔らかい布で乾拭きしていただきますと、徐々に使い込んだ良い艶が生まれます。
汚れた場合は早めに洗って、(基本的には水洗いで十分です。ひどい汚れには食器用中性洗剤で軽く手洗いし、十分すすいで下さい。)タオルなどで拭きあげてください。
なお、磨き粉やたわしなどは表面にキズを付けますので使用しないでください。