運営者 日本では昔から「三位一体経営」というスローガンがあるんです。
飯坂 なんですかそれは?
運営者 「経営者を含めた従業員、株主、顧客をおのおのを満足させる経営」という意味で、社史や会社案内の冒頭の社長のあいさつなどに、気のきかない会社ならば必ず載せていたものですよ。
これが人本主義のバックグラウンドなんですかねえ~。
飯坂 そんなもんがあったんですか!
運営者 そうですよ。これはもう、その世界であれば常識の範疇ですよ。
もっとも、この中で株主というのは現在では踏みつけにされていますが、当時は無償増資などもあった時代ですから、あながち空文とも言い切れないかもしれませんね。
飯坂 話を戻すと、日本人には、まずそういう事大主義的なところがあるんだということを自覚して、何か事件が起こったときに、「これは本質的な問題なのか、それとも瑣末なことなのか」ということを考えるようにならないと、全然話が始まらないんじゃないかと思いますけどね。
運営者 それってね、「われわれは自らの中に、悪というか、ヤバイ部分がある」わけで、何かが起こって、それを評価しなければならないときに、「自分たちにはそういうヤバイ方向に引き込まれずに、まっとうな判断をしなければならないんだ」というプレッシャーとか、方向性が見えていないとできないことかもしれませんね。
飯坂 なるほど、原罪の方向に行きますか。
運営者 でもまあ、その地点から見ることによって、「自分たちは正しい判断をしなければならないんだ」と考えられるわけです。
飯坂 それは思想の発展のひとつの形態であって、原罪意識に世界中の人たちが従わなければならないということはないですけどね。
運営者 もちろんですよ。これはまあ、あるひとつのスタイルであるということです。
飯坂 自らの存在が祝福されているということでは日本人も中国人もおんなじですからね。
運営者 めでたすぎますよ、こんなの(笑)。この前の選挙で当選した北海道の大臣経験者が、「北海道に平和が来ないと日本に平和は来ない。日本に平和が来ないと世界に平和はない」と当選したうれしさのあまり世迷いごとを言ってましたからね。おめでたすぎてヘソで茶が湧きますよ。
飯坂 だってこんなワインが、小遣い選程度で買えてバカ飲みできるんですからね。ロートシェルトだって1万円かそこそこで買えるわけだし。
第3次中東戦争の前は1ポンド1000円だったんですから。
多分いつかバチが当たりますよ。
運営者 それはまたプリミティブな発想で(笑)。
飯坂 バチなんて、今の高校生には通用しないかなぁ。
この話は2003年の話で古くなっているかも知れないし、そもそも酒飲み話だし・・・