日本人は勤勉な民族だとよく言われるが、私には到底そうは思えない。基本的に日本人は働かない。忙しさにかまけて、新しいことに取り組もうとしない。日本人が一年をどのように過ごしているかを考えればすぐわかることだ。
正月は七草がゆまでかと思ったら新年会や賀詞交換会で月末まではおとそ気分が抜けない。2月は寒いし、もう期末なのでじたばたしても仕方がないと縮こまっている間に逃げるように過ぎ去っていく。3月に入ると、転勤シーズンで飲み会がいっぱいだ。4月は新入社員が入ってくるし、転勤者の歓迎会もあるので、仕事などしていられない。そうこう思っているうちにゴールデンウイークだ。行楽に出かけなければならない。しばらくして落ち着いてやっと仕事をやる気が出てきたと思ったら梅雨に入ってじめじめして、やる気がなくなってしまう。
そうこうするうちに夏休みだ。海山や海外に出かけなければならない。仕事なんかしている暇はない。9月に入ってもしばらくは暑いので、夏休み気分そのままだ。夏休みを分散して取ることになっているので、出てこない同僚も多い。同僚が働いていないときに自もの働く気になどなれない。やっと1年に1度だけ、「新しい事にでも取り組もうか」という気持ちになる10月だ。しかし連休が多いので、「休みの日には何をしようか」と考えているうちに10月もあっという間に終わってしまう。
さて11月の声を聞くと、そろそろ忘年会の準備をしなければならないし、正月休みにどこに行くか決めなければならない。そんなことでモタモタしているうちに、12月に入ると忘年会でおちおち仕事だとしていられない。日中忙しい振りはしているものの、生産性は全く上がらない。夜になると忘年会に出かけて、今年1年間に考えついたことはリセットしてすべて忘れてしまう。要するに進歩という概念がない。しかも休みはどんどん伸びてるし。
これが日本人の一年だ。いったい日本人はいつ働いているのだろうか?