これ、ご存じでしたらぜひお教えいただきたいんです。
ヨーロッパの建物についてなんですが、
古い町の中心部にある建物で、中庭を挟んで4階建てくらいで、大勢の人がフラットの区分所有権をもっているというタイプのものについて、ふと疑問が浮かんだのですが、あれはそもそも誰が建てるものなのでしょうか。
2000年前の古代ローマでも、すでに「インスラ」と呼ばれる4〜5階建ての集合住宅がありました。ローマは密集してましたからね。しかし、おそらく現在のヨーロッパの家屋構造は、このころとあまり変わっていませんよ、きっと。
幾ら石材が安いといっても、あれだけ大きいと莫大な建築費がかかるはずですね。社会資本に近いレベルのものだと思うんです。
誰か裕福な個人が建てて、希望者に分譲するのでしょうか、それとも不動産会社が建てて分譲するのか、どういうふうにして建築費を回収しているのか。都市公団があるわけでなし。
例えばこの、ナポリの古い町並み、この並びの一軒に泊まったのですが、全部同じ外観ですよね。
この辺のことに詳しい人を誰かご存じないでしょうか。
これは、西欧と我々との間の、社会資本に対する根本的な考え方の違いを解くヒントになるきっかけになると思うんです。私が考えているのは、資本があるところに人が集まり、知恵も集まるということです。
日本には大昔から紙と木の家しかなくて、未だに個人が、しょぼい住宅を平均17年ごとに作っては壊している。これは、耐久性のある住宅を建てる資本蓄積の方法が発達しなかったからなのではないかと思います。
日本人の一生は、住宅ローンを返すためにある。住宅ローンの負担で去勢されているようなものです。それがマンションになったら、あまりに安普請なので建て替えるしかなく、「マンション問題」とまでいわれている。ヨーロッパの建物だと、何百年も前の建物でも、内装を変えればかなり快適ですね。それはスケルトンがしっかりしているからでは。
では、彼らはどういうやり方をして高規格な住宅を建てる資本を得ていたのか、どのようにして住宅を建てていたのか、非常に興味があります。
この辺について詳しそうな人や、触れている本とかご存じでしたら教えていただければ幸いです。