日本政府の外国に対する広報体制が弱いと……。福田官房長官が無表情に何か言っているだけでは、誰も聞きたいとは思わないというのは事実だけど。だからって、アナウンサーを採用して広報官にするって、そんな浅知恵しか浮かばないのかな? それじゃああんまりですねえ。
僕ならこうしますがね。
国際的な事件が起こった時や、日本の国益に大いに影響する事態が起こった場合(例えば日本国の外交施設の敷地内に接受国の武装警官が進入して、亡命希望者を連行するとか……)、
日本政府の立場を外国に広く公式に伝える補助的な手段を考えました。
15〜30秒程度のビデオクリップをつくって、それを世界の主要なテレビ局、通信社に直接外務省から配信するんです。それはニュース番組の中で使えるクオリティのものでなければなりません。コンパクト、かつわかりやすいビジュアルを駆使して、日本政府としての見解を説得するプレゼンテーションをするわけです。コマーシャル・フィルムの制作ノウハウを駆使すればいいと思います。これならまだ、わが国に一日の長があるでしょう。英語版、フランス語版、中国語版を作るとよい。
配信を受けた報道機関は、各自の編集権で判断して日本政府の直接的な立場表明を報道するかどうか決めればよい。ただし素材の編集はご遠慮いただく。放送するならそのまま放送していただき、その後好きなようにコメントしてくれと言うわけです。ですから使いやすいように15秒版と30秒版を作っておけばいいでしょう。この辺もコマーシャルと一緒です。
つまりニュース番組を電波ジャックしてしまうわけです。
インターネットでも当然見られるようにしておきます。
当たり前なことですが、内容的にはあくまでも、国際社会の利益に立った立脚点からの主張でないと受け容れられないでしょうね。この辺と戦略的視点が日本政府にあるかどうか、それをタイムリーに出せるかどうかが非常に心配なところではあります。この辺、藪蛇突っつきそうですね。
専門スタッフを官邸か外務省に常駐させ、スタジオも確保する必要があるでしょう。配信するまでは機密保持が必要です。
もしうまくいけば、各国がこれに倣うでしょう。とするとニュースの中でキャスターが、
「パレスチナ自治政府に対するイスラエルの見解をご覧ください」で15秒間イスラエル政府が作ったものを流した後で、「では次に、日本政府が提唱している和平プロセスをご覧ください」、その後専門家がコメントするなんて形ができるかもしれない。
日本が言い出しっぺになれば、主導権を取ることができます。ビデオクリップの規格を決定する第三者的なコミッティーを東京に置き、各国が作ったクリップのとりまとめと配信も行うようにすればよい。配信に伴う混乱を防ぐためです。またこうしたことを行う余裕のない国に対して、クリップ制作を代行する機能を作ってもいいかもしれません。
国家の意思をより明確に国際社会の中に伝え、国連よりも機動的に世論形成を行うための新しい手段になるのではないかと思います。
世界的な通信社がなく、プレゼンスの低さが嘆かれているわが国ですが、こうした仕組みを機動的に使えば、国益を増進させることが可能なはずです。
金がかかるって? これやってたら、湾岸戦争で払った無駄金130億$が多少安くなったかもしれませんよ!