関空2期工事推進へ議連=与党3党
【関西国際空港2期工事の推進を目指す地元2府7県選出の与党3党国会議員約50人が11日、議員連盟を設立し、予定通り2007年の供用開始を目指して事業を進めることなどを決議した。会長に選ばれた自民党の中山太郎衆院議員は、「(国土交通省の)航空局の腰が引けたよう(な態度)では安心できない」と述べ、同時多発テロの影響による需要減少を理由に供用時期の先送りを検討してきた国交省を批判した。 =12/11時事通信】
関西空港会社は国、大阪府と周辺自治体、在阪企業が1/3ずつ出資する第3セクター(株式会社)です。現在の財務諸表はここにあります。
これによると固定負債が1兆円。欠損金が1730億円。
年間利益が260億円であるのに対して、支払利息が410億円あるため、去年発生した損失が157億円。これが欠損金に上積みされています。
2期工事をやった場合、総工費は1兆5600億円。全部借金だとすると、毎年の支払い金利は単純計算で1000億円程度になるはずです。
関西空港開業前の計画では、「5年目に単独黒字、9年後に累損解消、23年後に有利子負債全額償還」でした。
開業前に「こんなの無理だろう」と関空会社の幹部に私はインタビューを申し込みましたが、泉井事件で逮捕された服部社長を含めて責任ある地位の人間は全員逃げて出てきませんでした。やっと出てきた運輸省から出向している経営企画課長は、甘い旅客需要見通しについて、「予測は外れるものです。予測が実際の数字に入れ替わるまでは何も言えませんよね。今のところ国へ援助を求めるつもりはありません」と、のらくらした答え。
実際にはその3ヶ月後、当時の亀井運輸相の剛腕で、国が関空の照明施設を50億円強で買い取り、その分若干着陸料を値下げしました。
それで5年後の一昨年、約束では単独黒字のはずが237億円の赤字という結果になりましたが、同時に2期工事もスタートを切りました。
これはいったい、どういう事業なのでしょうか。累損が1700億も溜まっていて、積み上がるばかりなのに、さらに1兆5000億も投資して、返せるわけがないじゃあないですか。ここは非ユークリッド幾何学の世界か? 理屈も何もあったもんじゃないですね。こんな世界では、MBAなんか取りに行っても全く無駄でしょう。飛行機は物理法則に従って飛ぶはずですが、空港は経済原則を超越するという不思議。ハリー・ポッターも真っ青の超自然的世界。私には到底理解することができませんね。
1兆5000億の工事代金が地元に落ちれば、業界は潤うのでしょうが、利用者は高い使用料を負担した上で、関空会社の赤字の分を最終的には税金で負担することになるでしょう。
と思っていたら、今度は特殊法人改革で関空会社を、成田や建設中の中部空港と空港の建設主体部分を合体させようというアイデアが飛び出してきました。成田の空港公団は、黒字の優良公団です。その分着陸料を下げて、香港や韓国の空港に対抗するのかと思いきや、「関空や中部空港の赤字を埋めろ」という話です。それで「関空をアジアのハブ空港に」とは、ばかばかしくて開いた口がふさがりません。
狂っているとしか思えませんね。