社会システムを考える時に、いかにその制度が合理性を保ち続けるか、みんなに支持され続けるかが問題になります。支持されなくなったら、それに変わるものを探さなければならないし、その間に秩序が失われ、社会が不安定になるのだと思います。
私は今回のようなテロを、われわれが乗っかっている社会システムに対する脅威と捉えます。
冷戦の終結が見えた時、アメリカは「次の脅威はLIC=低強度紛争である」と考えました。それは最悪の形で現実化しましたが、しかしこうした脅威は考えてみると、現在の社会システムについて、相対的な視点を提供し、「ほんとにこのままでいいのかな」とか「もっと公正なやり方があるのでは」というチェックのきっかけになると思います。
アメリカの暴走を危惧する声もありますが、やられた側こそ「これじゃいかんわな」ということをいちばん強く認識するので、いかに鈍感な田舎者のアメリカ人でも気がつくと思いますよ。現行体制の最大受益者であるアメリカは、バカな失敗はしないでしょう(とかいって、簡単にずっこけるから笑えるんだけど)。
あ、日本は相変わらずお子ちゃまでしたね。田舎者アメリカ人とお子ちゃま日本人。見ている方向はてんでバラバラでした。
それで、この社会システムの選択は、私は現行の法律よりも上位に位置するものだと思います。選択の結果如何によっては、憲法でも変更しなければなりません。法律が遵守できるような環境を作るためには、テロを放置することは出来ません。それを「国際法に則って議論すべきだ」というのは、全くのナンセンスだと思います。戦争は、最終的な手段ですからね。
あと、もう一つ考えるのは、アメリカ側のシステマチックにクリティカルな部分を詰めて考え、手抜かりなく手配りするというやり方には、東洋流の「滅びの美学」は勝てないということ。残念ですねえ。破滅的な直線思考に対する愛着は、誰しも持つものです。だけどそれじやあ負けるんだよなあ。
釈然としないけど、まあそれは実証された事実として受け入れるしかないんでしょうね。
次の空爆はイラクかな、ソマリアかな、北朝鮮かな。総連財務部長の逮捕、本部の初の捜査は、日本のパチンコ業界などから北朝鮮に送金されるテロ資金の流れをくい止めるためのアクションです。アメリカの後ろ盾があるため、関係議員も動きを封じられているのでしょう。ロシアも中国も反テロの姿勢を明確にしています。北朝鮮が自暴自棄になった時、日本での都市テロ、重要施設テロの可能性が高まってくるでしょう。