半村 良
獣人伝説
bookf1_019 角川文庫 375−11
現代社会で最も腐敗した部分、その手のほどこしようもない汚れの中に生きる“悪”に神は怒ったのであろうか。ある朝、神崎順一郎は来ているはずのない伊東のホテルで目ざめた。しかもポケットには“G・O・D”と記された一枚の奇妙なカードが入っていた。これは何だ。どこで手に入れたのだろう。・・だがこの日から、彼は不思議な力を持つようになった。まるで悪魔のように薄気味悪く、いやらしい尾をたらした“有尾人間”が見分けられるようになったのだ・・。鬼才が現代の悪魔狩りをテーマに描く、会心の伝奇長編。