「(仮称)世田谷区子ども条例」に盛り込むべき要点等について 2001年5月11日


世田谷区子ども・青少年問題協議会

<子ども自身の意見は、世田谷区‘はじめの一歩’よりの意見>

 はじめに

 本協議会では、小委員会を設置して世田谷区が子ども条例(仮称)を策定するに際して盛り込むべき要点、とりわけ子どもの権利や権利保障の方法などを中心に検討してきた。
 検討期間に制約があったが、小委員会での討議や、先駆的に策定した他の自治体の条例や日本教育法学会等の報告書等の資料収集、子どもの権利条約や関係する国際文書や外国の事例の収集、そして小委員会内に中学生や高校生による組織=「世田谷区〃はじめの一歩〃ティーンズスタッフ」を設置し意見や考え方の集約を精力的に行ってきた内容の検討や推敲が不十分であった点も少なくないが、報告内容のいずれもが子どものための条例を策定するためには押さえておくべき要点となっている。本報告を行うに当たってとりわけ留意したことを以下に整理しておくことにしたい。

(1)基本的考え方
 子どものための条例の理念としては、ウェルビーイング(子どもの自己実現や権利擁護が保障された状態)である。
 これは国際的に認知されている概念で条例の目的とも言える。そして、とりわけ行政の措置上の原則としては最善の利益の保障が重要であることも確認しておかなければならない。

(2)基本的な視点
 世田谷区地域保健福祉審議会の平成11年の答申「子どもを取り巻く環境整備プラン」によると、世田谷区の児童育成計画の基本的な視点として「子育ち」支援を位置づけている。また、いわゆる「子育て」支援も親を援助することを通して、最終的には「子育ち」支援を目標としていることからも「子育ち」を支援することを基本的な視点とした。

(3)基本的な原則
 本報告では、両親との親密かつ安定した関係の構築を基本に、子ども施策や活動推進のため6つの原則をまとめている。とりわけ3番目と4番目に書かれている内容、すなわち子どもたちは社会の一員として権利の行使をするとともに、責任も果たさなければならない点は国際的にも承認された考え方であり、かつ本協議会でも指摘された意見であった。

(4)子どものウェルビーイングの実現の方法
 「実現の方法」については、本報告の柱の一つにもなっているが、条例策定上の柱としても明確に位置付けて置くべき項目である。権利の内容を理解し、子どもの参加・参画を促進し、保護者への支援を明確化し、子ども施策の計画化を図り、権利擁護の仕組みをつくることの5つの方法を通じて子どものウェルビーイング(子どもの自己実呪や権利擁護が保障された状態)の実現を希求する形態を考えている。

(5)教育について
 教育は子どもにとって非常に大きな影響力のある施策であり活動である。教育の理念や目標、そして推進方策は非常に広範にわたり、また深い。こうしたことから今回の検討では十分に議論できなかった部分である。そこで、今後子どもの権利保障の視点から改めて教育の理念や目的、方法を捉え直すことが非常に重要となってこよう。

(6)条例の策定方法について
 今回検討している子ども条例(仮称)のように全ての住民に関わりが深い条例の策定は、広範な市民参加が保障されることが原則とされるべきである。住民の参加、行政職員の参加、子ども関係の現場職員(教員、児童指導、保育士など)の参加、保護者の参加、子どもの参加など多様な主体の参加機会が保障されなくてはならない。こうした参加が策定された条例内容を向上させ、周知させ、住民や関係者がその遂行に責任を持つことにつながる。その上、条例策定のための委員会の設置がされれば、策定上の検討内容の情報公開が積極的になされるとともに、責任の所在も明確となる。今回の条例策定スケジュールから見て、十分な参加機会の確保は非常に困難であると思われるが可能な限り参加機会の保障がされることを期待したい。

1.(仮称)世田谷区子ども条例の理念・視点・原則・方法

(1)条例の理念
 ウェルビーイング(子どもの自己実現や権利擁護が保障された状態)である。

《子ども自身の意見》
 未来を変えるために子ども自身が世田谷区民として一人一人が真剣に考え意見を表明した。
 世田谷区が子どもと大人のかべがないきれいで優しい町になること、それに向けて子どもも努力することを誓います。

(2)条例の視点
 「子育ち」への支援が基本である

(3)条例の原則
@子どもたちはその両親と親密で安定した関係が持てる
A子どもたちは子どもとして生活する機会を与えられる
B子どもたちは社会のメンバーである
C子どもたちは責任を持っている
D子どもたちは健康的な生活を送る機会を与えられる
E子どもは自己決定(**注)する機会を与えられる

注*注子どもの自己決定とは、すべてを自分で決定するという意味だけではなく親や先生の忠告を受け入れて決定することも含む(以下、同様)

(4)条例の方法は
 子どもの権利の確認と周知
A子どもの参加・参画の推進
B親や保護者への支援
C子ども総合計画の策定
D子どもの権利擁護の仕組み作り

2.子どもの基本的権利

(1)子どもの生存・発達
@子どもは愛情をもって育まれる。
A子どもは心身への暴力・虐待・放置その他のあらゆる不適切な扱いを受けることなく、安心して生活できる。
B子どもは戦争や兵器の脅威にさらされない平和な社会を希求し享受できる。
C子どもは健康を守られ増進させられる。
D子どもは有害情報・商品など大人の営利行為等の結果によって危険にさらされたり、心身の発育に悪影響を及ぼされてはならない。
E子どもは麻薬・覚せい剤の危険、性的な虐待、心身の発達に有害な労働、経済的搾取から守られる。
F子どもは次世代として安全な街、健全な地球環境を受け縦ぐ。

《子ども自身の意見》
○車はできうる限りアイドリングストップをして空気の汚汲を防いでほしい
○ごみ収集車が並んでいる脇を通って通学していてつらい。通学時間だけでも工夫できないか

(2)子どもの人格の尊重
@子どもはあらゆる形態の差別を受けない。
A子どもはその発達段階に応じて子どもらしくあることを阻害されない。
B子どもはその子どもなりの成長と個性を尊重される。
C子どもは成人とは違うということを認識され、それぞれの成長段階に見合ったやり方で擁護され助けられる。
D子どもは自尊心、そして他人を専重し信頼する気持ちを育てられ育てることができる。
E子どもは自主性を尊重され、またその成長に応じて自分にかかわる事柄への自己決定権を認められる。
F子どもは意見表明を行うことができ、その機会を保証される。
G子どもはプライバシーを尊重される。
H子どもは自分にかかわる情報を知ることができ、説明を受けることができる。 I子どもは仲間と集まり、ともに活動することができる。
J子どもは思想・信条の自由をもつ。
K非行行為を行った子どもは、それによって差別や備見を受けることなく、更正の機会が与えられる。
L障害がある子どもも専厳が確保され、自立を促進される。

《子ども自身の意見》
○子どもであることを理由に「生意気だ」などの軽い扱いはやめてほしい
○大人と対等に意見を交わせる場が保障されて、大人と意見を交換してお互いに理解を深めたい
○きちんと子どもの意見を開いて欲しい.年齢で決め付けないで欲しい
○低年齢の時から障害者(児)と普通に一緒の生活をすることが大切。共生を実感できる場を増やしたい.差別的な考えを変えるために障害者とふれあう機会を増やせるとよい

(3)子どもの豊かな育ちと生活の質の保障
@子どもはいつでも安心していられる居場所を保障される。
A子どもは悩みや苦しみなどの感情を表すことができ、困難なときは助けを求めることができる。
B子どもは子ども同士のかかわりの機会や場を十分に保障される。
C子どもは休息をとることができる。
D子どもは自然にふれたり、自然を体験できる機会や場を保障される。
E子どもは遊ぶこと、遊べる機会と環境を保障される。
F子どもは通学が困難な場合でも学ぶこと、学べる環境を保障される。
G子どもは広く文化・芸術・学問研究などの資源にふれ、それを享受することができる。
H子どもは文化・芸術・学問を通じて自ら表現することができ、その場を提供される。
I子どもは民族・年齢・心身の状態の異なる多様な人と交流し、共に成長する機会を制限されない。
J子どもは自らの属する民族の文化・伝統を尊重される。
K障害がある子どもは、学ぶ場に関する主体的な選択が導重される。
L障害がある子どもは社会に参加し、他の子どもたちと同じように文化的な生活を享受するための援助を受けることができる。

《子ども自身の意見》
○子どもが相談をできる場、人、機会を多くつくる。子どもが抱えた問題に応じて必要な法律や情報を得やすく自力で解決できるように援助して欲しい
○子ども同士が仲間として互いに助け合える場(ピアカウンセリング)を整えたい
○学校なども必要と感じたとき自分で管理、調節できる休暇日があると良い
○福祉に関して北欧など外国のアイディアーを取り入れて欲しい

(4)子どもの参画
@子どもは成長とともに社会に参画する力を養うべく、その機会を与えられ、育まれる。
A子どもは子ども施設の設置・運営や、子どもにかかわるさまざまな施策・民間活動に主体的に参画することができる。
B子どもは、自らが受ける処遇に対して不服を申し立てることができ、その方法について説明を受けることができる。

《子ども自身の意見》
○区役所に子どもの意見をきていくれる大人がいる。子どもの意見を聞く日をつくる。子どもの意見を集めるため目安箱、ホームページ、電話、携帯のコンテンツ等を専用としてつくる
○子ども自身で自分たちの世田谷区をよりきれいで、住みやすい町にする活動グループをつくる
○区のお知らせに子どもこどもの主張(意見)を掲載し、それに対する大人の意見を翌月に掲載するコーナーを連載する

(5)子どもの養育の社会的保障
@家庭を失ったり、さまざまな理由で家庭での養育が困難に到った子どもには必要な保護と援助が与えられる。
A家庭で子どもを養育する親は、地域の中で豊かな子育てをできるように社会的な支援を受けることができる。
B家庭で子どもを養育する親は、親同士が交流し、ともに子育てを楽しめるような湯や機会をもつことを援助される。
C働く親(男女とも)の仕事と子育ての両立は社会的に支援されるものであり、その社会的必要性について職場・地域・家庭(配偶者)は理解し協力すべき立場に立つ。
D働く親は、妊娠・出産・育児について国の労働関係法で保障された権利を行使するにあたり職場や社会での不利益な処遇や抑圧を受けないことを周知され、援助される。
E働く親は家庭での時間を確保できるよう配慮される。
F働く親をもつ子どもは、安心できる環境下で豊かな育みを受けられる保育サービス(保育所、保育ママ、留守家庭に配慮した学童クラブ、その他民間事業所によるサービスなど)を提供される。

3.子ともの生活の場での配慮と参加機会の保障

(1)子ども施設(包括)
@子ども施設における体罰・虐待・放置等不適切な扱いは禁止される。
A子ども施設では子どもの安全・健康を保障し、施設の安全管理、事故防止に万全をつ くす。
B子ども施設は、子どもの成長のために必要な日照や通風、その他良好な居住環境を侵害されないよう、子どもの権利として主張できる。
C子ども施設は子どもが安心できる場でなくてはならない。
D子ども施設は子どもとの信頼関係をつくり維持する努力をする。
E子ども施設は「いじめ」などの生活実態を把握し、必要に応じて解決の努力をする。
F子ども施設は子どものさまざまな個性や成長の個体差を認め、受け入れ、尊重する。
G子ども施設は「子どもだから」という理由で子どもの地位、意見を軽んじてはならず、その意見表明に誠実に対応する。
H子ども施設は成長に応じて子どもの参画の機会を設ける。
I子ども施設は保護者にも参画する機会を設けると同時に、保護者組織がある場合いは活動を援助し、その主体性を尊重する。
J子ども施設は、子どもたちや保護者のための地域活動の実施や援助など、地域とともに子どもの育ちを支える努力をする。
K子ども施設の職員は子どもに大きな影響力をもつことから、その資質を高めなければならない。

《子ども自身の意見》
○いじめが発生したさいに特別に適応できる校則があるといい
○実情をよく知っているいじめの経験をした子どもの意見を聞いて参考にして欲しい
スクールカウンセリングがさらに充実され、必要があればいつでも行けるように常設化されているといい
○不登校の子どもが自分を見つめ、考える時間が必要なことを、まわりの人は理解して必要な配慮をしてほしい

(2)子ども施設(とりわけ学校について)
@学校の教育の目的として、子どもたちが自他を尊重し自由な社会で責任ある生活を送 るための基本原則、すなわち人権および基本的自由の尊重、多様な文化や民族の尊重、 自然環境の尊重についての理解を含める。
> A学校は、子どもの人格尊重および個々の特性に合った自立支援の視点から自己評価をするとともに、字ども自身の視点からの評価も積極的に取り入れる。
B学校は、子どもたちが自立する能力を育み、校則など子どもたちの生活面での自己決定を促す意味から、子どもたちによる児童会・生徒会などの自治性を高める。
C学校は、地域における子どもの活動場所として、その施設等を提供する。

《子ども自身の意見》
○制服の着用に関して私服化も含め見直したい
○近い学校ではなく、速い学校が持直された。学区域の見直しをしてほしい
○区立でも学校選択ができるように弾力性をもたして欲しい
○校則を実情、時代に合わせて不必要なものはなくし必要なものは充実させたい
○児童、生徒が先生を選べたらよい
○児童、生徒が何らかの形で先生を評価でき、学校外に表明できるしくみをつくりたい
○給食は自校方式がよい。できうる限り適温でおいしく食べたい
○先生から一人一人の存在を兄弟や他の子どもと比べて否定されたくない
○先生と児童、生徒はもっとふれあうことができるといい
○この条例を区立以外の学校でも適応できるようにする

(3)家庭
@家庭は子どもの養育の第一の責任を負う。
A家庭は子どもが最も安心できる居場所となる。
B家庭は子どもが自由に感情表現でき、話を聞いてもらえる場となる。
C家庭は家族がそれぞれ役割をもって協力し合う場となる。
D親・保護者はその子育ての方針にかかわらず、虐待やネグレクトなどの行為をしてはならない。
E親・保護者はいまだ自立する力のない子どもを擁護するともに、その子どもに代わって子どもの権利を主張し、行使できる。
F親・保護者は子どもを独立した人格として認め、成長に応じて、その意思を尊重しなくてはならない。
G親・保護者は、自身の言動が子どもに最も大きな影響を及ぼしていることを自覚して子どもに相対しなくてはならない。
H親・保護者は日常において、子どもが社会の一員として自立するために役立つ助言を与え、社会における個人の責任や守るべきルールについても教え示す役割をもつ。

《子ども自身の意見》
○親と子どもの考え、意思は違いがあって当然で、お互いを尊重し一方的に親の考えを押し付けられたくない
○親に子どもの個性に応じた対応をしてもらいたい。また状況に応じた接し方をしてもらえる(誉められる、認められる、注意される、叱られるなど)といい
○親にとって都合のよい過剰な期待はされない。適切な期待は表して欲しい
○子どもは親から信じてもらいたい
○家族のために親が働いてくれていることを子どもは忘れてはいけないが、子どもに対して支配的な態度をしてほしくない(特に父)
○家族全員で食事をすることができるのは良いこと。家族全員が揃うのは食事の時ぐらいだから
○親から不当な理由で怒られたくない
○親から一方的に不愉快な思い、悲しい思い、迷惑を受けたくない
○子どもからの相談に関して親は子どもの立湯に立って一緒に考えてほしい。親の独断で大げさにされたり、むやみに他言されたくない
○子どもの交友関係に対して、親の意見、事実に基づいた情報は子どもに言ってよいがむやみに友人を批判されたくない
○兄弟姉妹と比較されたくない。他人と比較されたくない
○子どもの時間管理は成長に合わせて子どもに任せて欲しい(手伝い、勉強)
○全面否定の青葉(ぱか、死ね)を親から言われたくない
○親は子どもの話しをきちんと聴いてくれ、どんな時も味方になって欲しい。子どもの立場を理解しようとしてくれると嬉しい
○自分のしたことで親にまで迷惑をかけたくない。悲しませたくない

(4)地域社会
@地域住民は、家庭や子ども施設と協働して、子どもを育てる立場に立ち、子ども施設の運営や家庭の子育てを支援する。
A地域住民は、地域が子どもにとって社会で自立する力を養うための場となるよう努める。
B地域住民は子どもにかかわることを決定する場に子どもを参画させる。
C地域の大人たち(区民・事業者、以下同)は子どもたちを地域の構成員として認め、意見を聞き、理解するように努める。
D地域の大人たちは子どもたちが公共の場所などで安全に群れ遊んだり、たむろして話したりすることを認め、その行動が危険、特別な損失、受忍し難い苦痛を与えるものでない限り、排除してはならない。
E地域の大人たちは、社会人としての責任をもって子どもに真撃に接し、子どもの必要に応じて助言や指導、手助けをする。
F地域社会において、子どもたち自身は住みやすいまち、健全な環境をつくることに参画し、活動できる。

《子ども自身の意見》
○公共の場において子ども、大人両方がマナーを守りたい(ポイ捨て、喫煙マナー、電車内での携帯電話の使用、泥酔、青少年に悪影響を及ぼすと考えられるものの閲覧など)
○中学生、高校生が集団でいると、何もしていなくても変な目で見られる。偏見によって否定的な扱いを受けたくない
○子どもの主体的な活動(エフエム世田谷、青二奈、世田谷のぶつぎり、世田令ジュニアリーダークラブ、青年の家など)をさらに充実したい
○小学生も学校以外で多くの大人、友人と主体的にかかわれる場を増やしたい(子ども会、子どもリーダ←クラブなど)
○子どもたちの活動を発表する場を学校以外で増やしたい
○プロレスなど思いっきり身体を動かせ、暴れられエネルギーを発散できる場所、遊べる場所を増やしたい
○テニス、陸上、野球、サッカー、バスケット等身近なスポーツが団体に入っていなくても個人で参加できる時間帯、場所をつくって気楽にできるようにする
○子ども自身で自分たちの世田谷区をよりきれいで、住みやすい町にする活動グループをつくる
○ボランティアに、学校外でも主体的に参加したい
○自分たちで何かをするために必要な技術を学ぶ機会を増やして欲しい(簡単な手話などを学びたい
○点字ブロックの上にある自転車などをどかす等身近な所からやれることをやる
○募金活動をやりたい

(5)地域社会(事業者・行政の事業について)
@行政・事業者は地域社会で子どもが十分に遊べ、子ども同士でくつろいだり話したりできる「子どもたちの居場所」が保障されるように努める。
A行政は地域社会での、子どもたちに豊かな体験をできる場所や機会を提供するように努め、またそのような住民による活動は援助される。
B子どもは、一般住民のために提供されている公立・私立の文化施設・集会用施設などを利用することができ、また利用しやすいように料金等の面を配慮される。
E子どもの保護者は、子ども同伴で施設等を利用しやすいように配慮される(オムツ替えができるトイレの設置、ベビーカーで移動できるバリアフリー、授乳・休憩スペースなど)。また、公共にとって特別な不都合がない限り、子ども同伴で利用することを不当に制限されない。
D子ども施設や企園などの周囲に建築物を建設する事業者・行政は、日照などの環境、見通しなど子どもの目線に立って安全性を考慮しなくてはならない。
E企私の事業実施に際しては、子どもが健全な街、健全な地球環境を引き継げるように、地域において長期的視点に立った事業、地球環境に資する事業、地球環境に害のない事業が行われなくてはならない。
F子どもの心の成育に有害な図書・各種ソフトなど大人向けの表貌物は、子どもの目にふれさせないように取り扱う事業者が責任をもつ。
G事業者は、たとえ「使用上の注意」に明記されていたとしても、子どもには良否が判断できない危険な商品を子ども向けに販売してはならない。
H塾など子どもを対象としたサービスは、それが子どもの心身の健全な成長に与える影響を考慮した内容でなくてはならない。

《子ども自身の意見》
○子どもは区の施設を無料もしくは安く利用できるようにして欲しい
○子どもがもっと施設を利用しやすくしてほしい(けやきネットを子どもだけの団体でも登録できるようにする、使える時間を学生に合ったものにする、子どもが利用できる時間帯は予約を優先してもらえる等)
○公共施設にもっとベンチを増やす
○図書飾での本の取り寄せを早くしてほしい
○中、高生優先の学習スペースを増やして欲しい
○インターネットの槻末を身近な企共施設において時間制限つきで開放する
○学校の施設開放をより充実させる
○道を広くする、余計なものは設置しないなどして歩きやすくする
○放置自転車を防ぐために駐輪場を増やしてほしい

4.権利の実現方法について
(1)子ども総合計画の策定
@子どものための総合計画の策定
A策定への子ども・区民・子ども施設の職員、子ども関係者の参加機会の確保
B利用者やサービス提供者等による(計画の定期的)評価の実施

(2)子どもの参加機会の保障
@子ども・青少年問題協議会、児童育成計画策定委員会、学校評議会、区政モニターなどの行政の子ども関係事業に関する委員会等への子どもの委員の参画
A子どもの参画推進のための計画の策定 
                B子ども条例実施状況の評価のための委員会への子どもの委員の参画

5.権利擁護の方法について
(1)相談機関の充実
@子ども自身が相談や話しができる身近な企民の相談機関設置促進、周知の充実
A気軽に子育て相談ができる多様な相談機関の設置
B児童虐待予防のための相談・教育機関の設置
C緊急かつ重篤な相談も含めた子どもや家庭の相談のマネージメントを行う機関を設置する。

(2)権利擁護の機関の設置
@子どもへの権利侵害等について子どもに代わって調査し苦情を解決するための機関(オンブスパーソンや権利擁護委員会など)の設置
A条例実現の観点から施策や活動の調査をし、必要な改善を行うための権利委員会の設置

6.今後の条例の検討に関する意見

(1)子どもの参画機会の保障
@条例の策定のための委員会の正規のメンバーとして子どもの参加を保障する
A学校等で条例案または条例要綱等の説明とヒアリングを行う。
(2)住民の参加機会の確保
@条例の内容の起草を担当する子どもや住民等による委員会の設置
A地区ごとに集例要綱等についての住民懇談会を行う
Bパブリックコメントの実施
(3)行政の子ども関係部祝・学校・児童福祉施設機関等の参加
 子ども関係者、とりわけ直接子どもに関わる部署にいる教員、児童指導、保育士などが集例起草のための委員会、又は行政内部の委員会に参加する機会を積極的に設定するように努める

(4)条例の条文の表現が子どもに理解しやすいものであること  子どもや全ての区民が理解できるよう条文の表現は平易かつ明解であることが重要である。

Homeへ  ページのトップへ▲


Homeへ

木下泰之 TEL 5355−1283 Email kinoshita@a.email.ne.jp