学校の先生のお仕事

小中学生の「なりたい職業ランキング」で毎年上位になっている「学校の先生」。小中学生にとって身近な職業ということもあると思いますが、担任の先生などに対する「あこがれ」という要素もあるのではないでしょうか。

このページでは、学校の先生(教員)には、どうすればなれるのかについて詳細に説明したいと思います。



学校の先生になるには

学校の先生になるには、
(1)大学・短大などで教職課程を取って教員免許状を取得する ※短大は高校の教員免許状が取れません
(2)公立学校の場合は各都道府県などの教育委員会が実施している教員採用試験に合格する
の2ステップが基本です。私学の教員になる場合は各学校が実施している採用試験に合格する必要があります。

「教職課程を取って教員免許状を取得したうえで採用試験を受ける」のがスタンダードな道筋となりますが、「教員資格認定試験に合格したうえで採用試験を受ける」という方法もあります。

教員免許状について

幼稚園、小学校、中学校、高等学校の教員は、原則として、学校の種類ごとの教員免許状が必要です。(中学校又は高等学校の教員は学校の種類及び教科ごとの教員免許状が必要です。)

詳しくは↓
文部科学省 教員免許制度の概要(PDF)

免許状は、幼稚園・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校の学校種ごとに分かれており、さらに中学校や高等学校では教科別に分かれています。(特別免許状は小学校も教科別)

教員免許状の取得試験に合格し、教員免許状を得る必要があります。その上で、公立学校の場合は各都道府県(政令指定都市)の教員採用試験に合格することが必須条件となります。

私立学校の場合は、各学校での採用となりますので企業への就職活動と同じくそれぞれの学校での採用基準を満たした人物が、試験や私学教員適性検査を受けることにより採用されます。

教員免許状の種類は三種類。

「教員免許状」の種類は「普通免許状」「特別免許状」「臨時免許状」の三種類です。学校の先生になるためには、原則として以下三種いずれかの免許状が必要となります。 ちなみに、例外として免許状を必要としない”特別非常勤講師制度””免許外教科担任制度”があります。

以下で三種類の「教員免許状」それぞれについて見ていきます。

■普通免許状(職階:教諭、養護教諭、栄養教諭の免許状)

※有効地域範囲は全国の学校

普通免許状の中に「専修」「一種」「二種」の三つの区分があります。

・大学院修了相当:専修免許状
・大学終了相当:一種免許状
・短大終了相当:二種免許状(栄養教諭・養護教諭を除き高等学校は専修・一種のみ)

※養護教諭(小・中・高の区別はなし):保健師・看護師・助産師の免許を受けている方については、それぞれの状況に応じ、必要な単位が軽減されることもあります。

※栄養教諭:栄養士又は管理栄養士の免許も必要です。現在学校で学校栄養職員として勤務中の場合、勤務経験年数によって必要単位が軽減されることもあります。

特別支援学校教諭:礎となる免許状(幼稚園、小学校、中学校、高等学校)を取得し、特別支援教育に関する必要単位を修得します。

※二種免許状取得者に対しては、一種免許状取得への努力義務が課せられます。

■特別免許状(職階:教諭の免許状)

※有効地域範囲は授与を受けた都道府県内の学校

優れた社会的経験を有するものが、教員職員検定に合格することにより得られる免許状です。文科省のHPには以下のような説明があります。

<引用>教員免許状を持っていないが優れた知識経験等を有する社会人等を教員として迎え入れることにより、学校教育の多様化への対応や、その活性化を図るため、 授与権者(都道府県教育委員会)の行う教育職員検定により学校種及び教科ごとに授与する「教諭」の免許状。(昭和63年に創設)(文部科学省HPより)

■臨時免許状(職階:助教諭、養護助教諭の免状)

有効範囲は授与を受けた都道府県内の学校

教育職員検定に合格することで得られる免許状です。ただし、普通免許状を有する者を採用ができない場合に限ります。

教育職員検定:申請は副申者の副申に基づく。個人のみでの申請はできない

教員免許取得の流れ・方法

教員免許取得へのスタンダードな道筋は、教員養成課程をもつ大学・短大に入学した上で必要と定められた単位を取得する、というもの。 その後、教員免許状の授与を各都道府県の教育委員会に申請します。尚、教育大学などの教育に関する専門性の高い大学ではこの申請をまとめて行っているケースもあります。

教育実習(※以下で説明)についても言えることですが、やはり教員を志すと決めた時期が早ければ早いほど、専門性の高い学校であればあるほど、教員免許状取得までがスムーズに進みます。

教員免許状を取得可能な大学等(文部科学省HP)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/daigaku/

教育実習について

教育実習は、教育職員免許取得に必要な単位をとるために各学校で行われる実習です。 教育実習生を受け入れる学校(園)側にとっては、教育実習とは、後進の人材育成であると同時に大きな負担を強いられることでもあります。 教育実習生の受け入れは義務ではありません。受け入れ先の好意によって教育実習が成り立つとの認識を持って、行動しましょう。

通常実習生には指導教諭がつき、指導教諭は通常業務をこなしつつ、実習生の指導にあたります。 教育実習先については、大学が所轄の教育委員会に申請し、教育委員会が実習先を割り当てるという地域も一部ではありますが、あります。

自分自身で実習先を確保する(自己開拓)場合には原則母校(出身校)に自分で受け入れをお願いするのですが、地元を離れて一人暮らしをしている学生などの場合、実習先探しに苦戦するケースもあるようです。

教員資格認定試験について

教職課程を修了していなくても教員になる方法として、教員資格認定試験があります。幼稚園教員資格認定試験・小学校教員資格認定試験・高等学校教員資格認定試験・特別支援学校教員資格認定試験 が存在することになっていますが、高校教員の資格認定試験は2004年以降は実施されていません。教育実習を行わなくて済むなどの理由から人気がある認定試験ですが、合格率が1割前後と難関試験となっています。

教員資格認定試験の詳細(独立行政法人教職員支援機構HP)
http://www.nits.go.jp/menkyo/shiken/

社会人が一種免許状を取得する方法

社会人の方が一種免許状を取得する場合、一般的に以下の方法があります。

・希望の教職課程をもつ大学への入学(再入学)
・希望の教職課程をもつ大学への編入
・希望の教職課程をもつ大学の二部(夜間)への入学
・希望の教職課程をもつ通信制大学への入学

大学・短期大学を卒業していない場合は卒業に必要な単位をとりつつ、自分の望む教職課程の単位を取得していきます。 既に大学・短期大学を卒業しているという場合、取得済みの単位を流用できる場合があります。まずは、在籍していた学校での取得単位確認を行い、履修登録希望の学校に確認してみましょう。

どのような教員を目指すのかによって学部学科も変わってくるのですが、とにかく定められた必要な教職課程の単位をすべて取得する必要があります。

科目履修生になり、必要な単位だけ修得する

取り残した単位を補完して教員免許状を取得する場合は、科目履修生になり、必要な単位だけ修得する方法があります。

・ 同校種他教科の教員免許状の取得
・ 隣接校種の教員免許状の取得
などのケースでは教職課程の必要な単位を取得すればよいので、科目履修生になった上で、必要な単位だけ修得するという方法が早道です。