原始地球


さて、いよいよわたし(地球)が生まれた時のお話しね。

わたしが生まれたのは46億年前のこと。太陽の周りに集まっていたガスが固まってわたしが生まれたの。
生まれた頃はまだガスが集まっただけではっきりした「形」はなかったわ。この時はガスが「おしくらまんじゅう」をしている状態だからとても高温だったの。さらにたくさんの隕石がわたしにぶつかってきて、どんどん大きくなっていったわ。隕石が衝突するときのエネルギーはとても大きいから、温度は高くなる一方。
衝突する隕石が減ってきて徐々に冷やされてくると、中心部に温度が高くて重い物が集まって「核」というものが出来たの。万有引力って知ってる?すべての物質はお互いに引っ張り合うっていう法則。ニュートンの林檎で有名よね。この万有引力は質量が大きいほど力が強いらしいわ。わたしの中でそれが起こっていたのね。質量の大きいものはお互いの引力でどんどん中心に引っ張られていったの。鉄を中心とした金属ばかりがね。つまり、わたしのおなかの中には大きな鉄球が入ってるというわけね。
その周りには「マントル」というドロドロした液体が囲むようになったわ。そして一番外側には薄い皮のように固体が出来て「地殻」になったの。

はじめは、わたしの表面はほとんどマグマの海で、大気には水蒸気や硫黄、硫化水素のガスが充満していたの。気温は数100度にも達していたわ。今からは想像もできない世界ね。さらに冷やされていくと、大気中のガスは厚い雲となって空を覆ったわ。そして硫酸の雨を降らせたの。1億年くらい降り続いたかしら。この頃には地殻ができていたから、降り続く雨はどんどん溜まって硫酸の海をつくり、少しずつわたしの姿を変えていったわ。これが40億年くらい前の話。

さて、次はとっても大きな事件のお話をするわね。月が誕生するきっかけになった大事件よ。


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