【ライオン】

皆が一斉に先を見やった。何も見えない。が、そのまま走り続けると、いたいた、だいぶ先のほうに見えてきた。メスのライオンだ。全員立ち上がって写真を撮りまくる。しばらく車は動かなかった。でもここまでくれば、オスも見たいと思うのが人情。我々のイメージの中のライオンは、たてがみのあるオスのライオンである。しかし、その願いはすぐに叶えられた。メスのすぐ先にいたのである。やっと会えた!また写真写真。もうライオンだけで何枚撮ったかわからない。達成感を胸に、ライオンのそばを離れた。

最初に出会ったメス3頭.後方の1頭の背中が寂しげ。
次に出会ったオス



雨の中のサファリで一番気をつけなければならないのは、スタックである。少しの雨で、地面はすぐにぬかるむ。いったん深みにはまってタイヤが空回りしはじめると、簡単には抜けられない。我らがクルーアさんは大丈夫だったが、別の車がスタックしている場面に遭遇した。まだ若いドライバーで、前にも後ろにも動かず往生していた。我々の車を正面につけ、ロープでその車と結びつけて引っ張って動かしてみても、またすぐに動かなくなってしまう。見かねたクルーアさんがその車に乗り込み、しばらく前後に動かして、やっと抜け出すことができた。さすがにやはり、彼のドライビングテクニックは素晴らしい。僕らは内心、車を押すのを手伝わされるかもと心配していたが、これで安心した。

雨は降ったりやんだりを繰り返していた。広大な原野を見渡すと、雨の降っている範囲がはっきりと確認できる。こんなのは日本では決して見られない。

ロッジへの帰り道、ハイエナの子供達に出会った。地面に穴が掘ってあり、その中から出たり入ったりしている。穴から首だけ出しているのもいる。かわいい。通常、ハイエナはとてもかわいいとは言えない動物だが、子供は別。

次へ

前へ    ケニアTOPへ戻る 旅行記TOPに戻る ホームへ戻る