1/21(木)

【残された時間】

スタンレーに戻るフライト時刻が2時で、1時のランチまで時間があったのはラッキーだった。さっそく、またジェンツーのコロニーに出かけた。いるいる、今日も変わらず。さあてカメラとビデオだ、と撮影を始めると、ビデオの画面に「カセットを取り出して下さい」というメッセージが...。しかし取り出そうとするとどこかが引っかかっているのか、取り出すことができない。そして使おうとするとやはり同じメッセージ。あせってしばらくガチャガチャやって、取りあえずカセットは出てきたけど、もう一度入れ直すとやっぱりダメ。もうこれはあきらめてスタンレーに帰ってから直すことに決める。

まず南側の海岸で、一人キングを探した。昨日の場所にはいなかったから、海に入ったかと思いきや、ちょっと内陸に入った所で今日は本当にひとりぽっちで立っていた。再会できたのはうれしかったけど、こんなんで生きていけるんかいなって心配になってしまった。しばらくそこで一緒に、2人きりで過ごした。やはり風の音だけが聞こえた。

そして、今度はほんとのお別れ。遠ざかりながら別れの言葉をつぶやく。「しっかり生きろ。また今度来たときにもここにいてくれよ。」と。近づいてきた時と同じように、また一人きりの小さな姿になっていく。何か少し泣けた。

その後、海岸線沿いに、ゾウアザラシが一番多くかたまっているところまで歩いた。今日は珍しく、1頭ずつ離れて寝ているのが多かった。そのうちの1頭の近くにしばらく座っていた。今回意外なほど楽しませてもらったこのアザラシ達。実におもしろくて飽きさせない。そんな彼らとももうお別れ。ありがとう、バカ面ーズ!!



バカヅラーズ.追加メンバーの方々

その後反対側の海岸まで横断した。今日は最高にいい天気で、ジェンツー達も思いっきり泳いではしゃぎ廻っているように見える。しばらく寝っ転がって、もう残り少ない時間をここで過ごすことに決める。白砂の海岸は、見渡す限り遠くまで続いている。青い空、そしてペンギン。その美しさは言葉では表し切れない。

12時20分。時間はすぐに過ぎていってしまう。そろそろロッジに向かわなくては。この海岸にいつまでも座っていたい、その気持ちを振り切って立ち上がる。2羽のキングがすぐ近くにいた。今日は1羽が寝そべっていて、もう1羽が寄り添うように立っている。キングはジェンツーほどすばしっこくないから、かなり近寄ってもすぐには逃げない。そばまで近寄り、そこで写真を何枚か撮っているうち、もう1羽の方も立ち上がった。こっちはまだ2人だから大丈夫か。でもやっぱり寂しげ。時計を見やり、去り難きを去った。何回も何回も振り返った。だんだん遠くなっていく彼らは、やっぱり2人きりで静かに立ちつくしていた。

そして、ジェンツーのコロニーまで戻って来た。思えば、2日前にこの島での動物オンパレードの幕開けとなったのが、このジェンツーコロニーだった。そしてまたここで終わる。何とあっという間の3日間だったのだろう。しかし、何とも濃密な3日間。この景色は忘れない。素晴らしかった、シーライオン・アイランド。また絶対に来る!!

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