1/23(土)

【最後の日】

空港へのバスは2時にホテルに迎えに来るということだった。今日、このフォークランドを去る。昨日のボランティア・ポイントは素晴らしい所だった。惜しかったのはとにかく時間がなかったこと。向こうに着いて3時間もしないうちに帰る時間となってしまっていた。あそこは絶対に1泊はするべきだ。そうすれば、キングやジェンツー達と一緒に夕暮れを迎えることができる。それだけが心残りだった。

最後に、スタンレーの町並みを写真とビデオに収めるため、町中を歩き回った。今日はまたものすごい風の強さで、海沿いを歩くと落ちかねないくらいだ。ここに着いた翌日もそうだった。短いような長いような、やっぱり短かった1週間がこれで終わる。ツアーがもうちょっとうまく組めていたらと思うが仕方がない。次に来る時の課題にしておく。昨日の帰り道、ドライバーのロブに、「ここは本当に素晴らしい。明日帰るんだけど、もっともっとここにいたい」と話すと、とてもうれしそうに笑っていた。ここに住む人達も好きだ。今日、町の中心あたりを歩いていると、声をかけてくる人がいた。見ると、何と、日曜日にジプシー・コーブまでの道を一緒に歩いてくれた、あのおじさんが立っていた。今日はなぜか両手にペンキの缶をぶらさげており、あいさつだけかわして郵便局の中に入っていった。何やってるんだろう、軍隊の人のはずなのに、と思ったが、本当に橋爪功に似ている。

1時過ぎ、ホテルの近くのスーパーでのんびり買い物をしていると、突然子供が一人こちらに走ってきた。何か、僕に向かって叫んでいる。よく見るとそれはホテルのオーナーの子供で、しきりに、「バス!バス!」と叫んでいる。バスが来たのか!でもまだ時間はあるはず。しかし、その朝、ホテルの主人は「たぶん2時ぐらい」って言ってたから、少しぐらい早いのもあり得たのだ。子供と一緒に走ってホテルに戻った。まもなくバスがやってきたので、その子にお礼を言って乗り込んだ。

バスの中で、例のスイス人夫婦とまた会った。ほとんど同じようなスケジュールだったらしい。今日のバスはそんなに混んではなく、2人がけの片方の席に荷物を置いて、くつろぐことができた。スタンレーがだんだん遠くなる。来た時に見て驚いた石の川がまたいくつか見える。時折、複雑に入り組んだ海岸線が見え隠れし、去っていく。何もかもが美しい。またここに来ることができるだろうか。そして、あのペンギン達に会えるだろうか。

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