3/18(土)

【最後の1日】

朝遅くに起き出し、昨日と同じバフェの朝食を摂る。もう昼近いため、メニューがランチっぽいものになっている。今日は、ここで過ごす最後の1日。昼間の予定は特にはない。市内を歩いてビデオと写真を撮り、最後のみやげを探し、車を返すぐらいだ。

食事のあと、まずは駐車場へ行く。昨晩オーロラを見に行った時の荷物が、ほとんどそのままになっていたからだ。車内を片付け、荷物を部屋に戻したあと、カメラを持って市内に出た。昨日壊れたレリーズの破片が中に残っていて、これを取り除いてもらわないといけない。ホテルのフロントでカメラ屋の場所を聞き、そこまで歩いた。店はすぐに見つかった。中に入ると女性の店員が一人いて、修理したい旨を告げたが、ここでは修理ができず、カメラを別の場所に送る必要があると言われた。あきらめて引き返す。

ホテルの部屋で、もう一度カメラを手に取り、シャッター部分を確認してみた。レリーズのねじ状になった部分がそのまま押し込まれた状態になっている。ふと試しにシャープペンの先で回してみた。すると、少しずつ動き始め、そのまま回して取り去ることができた。意外に簡単だった。カメラ屋に行く必要はなかった。

今度は車で町中を抜け、犬ぞりをやった場所に向かう。一本道を途中で曲がるはずだったがよくわからず、町外れに出てしまった。Uターンしようと横道に入り込むと、犬の鳴き声が聞こえた。近付くと、この前の場所とは違うが、やはり何十頭かの犬がつながれている。写真を撮ろうかと近付いたが、あまりにも犬達が吠えるので、人がやってくると面倒だと思い、そこから離れた。少し移動すると、建物の向こうに凍った湖が見え、犬ぞりが走っているのが目に入った。この間の犬舎の、どうやら裏手に当たるらしい。走る犬ぞりを撮影しようと待っていたがなかなか来ないため、あきらめて車を発進させた。

今度は町から反対側に位置するオールドタウンに出掛ける。湖に向かって岬のように突き出た一帯がそれだ。地図にあるカフェで休もうと思っていたが、到着してみると、実はそこには市内観光の時に来ていたことを思い出した。そして、ここは冬の間は開いていない、ということも。

もうこれでおしまいとホテルに近付いたところで、車の写真を撮っていないことを思い出した。昨夜、オーロラを見に行った方向に車を走らせた。イエローナイフ・リバーで車を停め、川の風景を写真に収めたあと、車の写真も撮った。

市内に帰り着き、車を返そうとレンタカー屋に車を停めた。建物内に入ろうとして、愕然とした。鍵がかかっている!!土曜日は、早く終わってしまうのか。慌てて、ドアを叩いた。今日返せないと、明日は早朝にここを発つのだ。面倒なことになる。必死でドアを叩いていると、奥で人の気配がした。
 やがてドアが開き、借りた時のおばさんではなく、男の人が顔を出した。その方はレンタカー業務には慣れていないようだったが、何とか手続きを済ませてくれた。どこかに出掛ける途中だったようで、僕が彼を引き留めたことを詫びると、彼は笑って「No problem.」と答えてくれた。この言葉は好きだ。安心する。

最後の市内を歩いた。気温表示の看板を撮影し、市内のいくつかもカメラに収める。ゆっくり歩いてみると、なかなか雰囲気のある町だ。この寒さも心地よい。なんとなく遠回りをしてホテルに戻ると、ちょうど日が傾きかけていた。

夜。オーロラを見に行く。今日は最初の二日間と同じ、ツアーでバスに乗って行く。空は曇っていた。昨日すごいのを見られたのもあって、ロッジではもう余裕で、周りの人と話をすることで時間が過ぎた。これでもう終わりかと思った帰る直前、未だ晴れない雲を透かして、何とかオーロラが姿を現した。これが本当に最後のオーロラ、今日はカメラを向けることもなく、ツアーの人々と一緒に空を眺め続けた。

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