起きたのは5時。今日は朝8時の飛行機で、この町を去る。荷物の整理もあって、寝たのは2時頃。3時間しか眠っていない。重たいスーツケースを持ってロビーに降り、防寒具を返し、荷物を係員に預ける。早朝の空気を縫って、空港までバスに揺られる。
飛行機が飛び立つと、眼下に白い町並みが広がり、そしてすぐに原生林へと景色が過ぎていった。数日間を過ごし、既に住み慣れたとも言えるイエローナイフの町は、あっと言う間に手の届かない所へと離れてしまった。今回、天候まかせ運まかせで今までにない辛い旅となった。精神的にかなりきつくて参ってしまった。しかし、カナダが嫌いになったわけではない。アザラシウォッチングは、僕に宿題として残された。来年か、もっと先になるか。必ず、見に行く。その時こそ、あの白いふわふわの奴らを間近に捕らえてみせる。