ニュージーランド
野生ペンギンと大自然を巡る旅
2023年9月29日~10月16日(18日間)
10月6日
目次
10月8日
■ ミルフォードサウンド
10/7(土)
■ 絶景を抜けて進む
朝6時に目覚める。しっかり寝られたので体調はいいが、少し部屋が寒く、鼻水が出る。したくをして7時ちょうどに宿を出た。今日はミルフォードサウンドまで120kmの道のりを車で行く。受付は10時10分だが、駐車場から30分ほど歩くことになるため、早めに出ることにしたのだ。

まだ暗い中、車を出す。目的地をカーナビで入れるが、ほぼ一直線なので迷いようもない。しばらくはこれまでと同じような風景が広がるが、徐々に牧草地が減っていき、手つかずの原野が増えていく。同時に、寒いほうへ向かっているせいで、雪山が顔を見せ始める。途中、霧が濃いところも通る。風景が変わるたび、おお! と声を出しながら進む。景色がひらけたところで車を停め、撮影をした。外に出ると、車から見るよりも一段と美しく、空気も気持ちがいい。かなり厚着をしているので、寒さもさほど気にならない。朝だけしか見られない景色を十分に堪能し、車に戻る。



道のりを半分ほど進んだところにある休憩地に車を入れ、トイレに入る。道中の各地にトイレがあるのは非常にありがたい。すぐそばに川が流れていて、クロアカツクシガモのつがいとヒナ数羽がいた。ここも景色は素晴らしい。

ミラーレイクを通り過ぎ、帰りにここに寄ろうと話す。絶景は相変わらず見事な美しさで、どんどん間近に迫ってくる。もう、声を出しっぱなしだ。また別の場所で車を降り、撮影をした。




道路は蛇行を繰り返す。途中、片側交互通行のトンネルがあり、10分弱を待つ。と、ケアという鳥がやってきた。テレビ番組で見たとおり、停まっている車にいたずらをしている。前の車に三羽ほどとまっていて、それを撮影していたら、今度はこちらの車にやってきた。ミラーのあたりをくちばしで突っついているので、やめてくれーと思いながら待つ。




■ ミルフォードサウンド到着!
トンネルを抜けると、さらに風景は変わり、みぞれのようなものも降り始める。無料駐車場をいったん抜け、車で行けるところまで行く。搭乗ターミナルまでは行けず、その手前のインフォメーションであでりーを降ろす。ここで荷物を見ていてもらい、僕は無料駐車場に引き返し、手ぶらでインフォメーションに向かう。車道とは別に歩道が作ってあり、歩きやすい。

20分ほどでインフォメーションに到着し、あでりーと合流する。トイレを済ませ、搭乗ターミナルまで10分ほどかけて歩く。建物の中に入ると、我々の乗るサザンディスカバリーズ社の受付があった。まだ10時前だが、もうチェックインができるようで、搭乗カードを受け取る。搭乗は10時20分らしいので、ベンチに座って急いで昼食をとる。バナナを1本ずつ、昨日のツナ缶入りサラダ、パン。シンプルだけど美味しい。食べ終わると、ちょうど10時20分だった。

扉を抜け、入江の岸辺に出る。クルーズ船が数隻並んで停まっている。いちばん奥に、「サザンディスカバリーズ」というロゴがついた船があったので、そこまで歩く。船員に確認すると、「あっちだよ」と言われた。たしかに目の前の船はとても小さく、教えてもらったほうはずっと大きかった。そちらにも、よく見ればサザンディスカバリーズと書いてある。

周囲を見渡せば、まさにミルフォードサウンドの紹介でよく見る絶景だ。いよいよ目指す船に乗り込む。船は三階建てで、食事のできる室内スペースから階段で一階分を登ると、カフェスペースが出てきた。さらにもう一階分のぼると、外に出る。まずは左側に場所をとる。クルーズ開始後は左側の崖に沿って運航する、とあでりーが教えてくれたからだ。


■ 発進!
あでりーの情報どおり、左の崖に近いほうを進む。反対側は逆光になっているので、午前中はこちらを通るのかもしれない。出発までは周囲や自分たちの写真を撮っていたが、動き出してからはペンギンやニュージーランドオットセイの姿を探し、崖の下あたりをじっくりと見ていく。

すぐにおなかの白い何かが見えた。おそらく、フィヨルドランドペンギンだ。やった! かなり遠いものの、いきなり見られた。あでりーと共に喜ぶ。しばらくすると、岩の上に寝そべるニュージーランドオットセイも見えた。アナウンスもしてくれた。その後もさらなるペンギンの姿を見つけるため、じっくり見ながら進む。細く長い滝があちこちにある。ときおり、水量が多くダイナミックな滝も見える。

僕はセーターやダウンを着た上に上下カッパなので、体は寒くないのだが、顔が冷たい。強い風にさらされているので、体感温度はかなり低く、頭も痛くなってくる。それでも、周囲の景色は圧巻で、見飽きることがない。こんなすごいところにあでりーと一緒に来られた。幸せだー、幸せだーと心の中で叫び続ける。

徐々に日が差してきたと思ったら、前方の海がひらけてきた。外海のふちまで来たようだ。暖かくはなったが、今度は波が荒くなり、かなり船が揺れる。あまり揺れると嫌だなあと思っていたら、ここで船は向きを変え、引き返し始める。しばらくするとまたニュージーランドオットセイが見えた。これを含め、ニュージーランドオットセイは3回見ることができた。スタッフがいたので、二人の写真を撮ってもらう。

寝そべるニュージーランドオットセイ

頭を掻くニュージーランドオットセイ


滝にかなり接近し、滝の水しぶきが飛んでくる。ここまで近寄れるのかと驚く。その後、船はコースを外れ、船着き場に入った。トレッキングに行き来する人がここで乗り降りするようだ。ここから一路、出発地へと戻る。と、海に浮かぶペンギンの姿を発見。フィヨルドランドのオレンジのクチバシが見えた。あでりーに伝えるも、見つけられなかったようだ。残念。




1時間45分ほどで出発地に戻ってきた。大満足だった。最後に周囲の風景を見納めし、船を降りる。

歩いてインフォーメーションまで戻る。コーヒーが飲みたかったので、僕はブラックのロング、あでりーはフラットホワイトを注文。どちらも満足できる味だ。ベジタブルケーキが1個3ドルであったので買ってみたが、これもすごくおいしくてコーヒーによく合った。


■ 帰り道も楽しく
来た時と同様、僕が手ぶらで駐車場まで戻ることに。途中、間違えてトレッキングロードに入ってしまい、気づいて引き返す。それでも、分かれ道直前で茶色い大きな鳥を発見。ウェカだ。ほとんど警戒することなくそばを通り過ぎていった。

車をインフォーメーションまで戻すと、ちょうどあでりーが出てきたので乗せ、出発。名残惜しいが、満足感を胸に立ち去る。まだしばらくは絶景が続く。片側通行のトンネルはちょうど青信号になったところで、待ち時間ほぼゼロで通ることができた。

きれいな湖があったので車を停める。見ると、ガン湖で、少し気になっていたところだった。

その後、帰りに寄ろうと思っていた、ミラーレイクに到着。湖周辺を散策できる道があり、湖にはニュージーランドスズガモがたくさんいた。これを見られただけでも良かった。ぐるりと一周して車に戻る。

ガン湖にて

ニュージーランドスズガモ
さらにもう一つ、行きで気になっていた湖にも立ち寄る。少し歩いて湖に出ると、遠くにカモがいるが判別はできなかった。のんびり歩いて車に戻る。最後に、テ・アナウ湖のほとりでトイレ休憩をとり、ついでに湖の近くの遊歩道を歩く。これで今日の散策は終わりにする。

昨日も行ったスーパーに立ち寄る。今日はラム肉を買って焼こうと話していた。意外に安く、8ドル台からある。ニンニク3かけほどとマッシュルームも付け合わせにする。リンゴも買い、宿に戻る。

交代でシャワーを浴びてから、食事の用意。あでりーが肉の下味をつけ、オーブンを操作する間、僕はリンゴ、ニンニク、マッシュルームを切る。先にリンゴをいただいてみると、銘柄はなんとふじりんごで、新鮮でとてもおいしい。オーブンの使い方に不安があったが、一度肉を裏向けにして二回焼くと、うまくいった。食べてみると、柔らかくておいしい。しっかり頂いたあと、また食べたいねと二人で話す。食後、僕はデカフェのドリップパック、あでりーはスチュアート島の宿から持ち出したインスタントコーヒーを淹れる。パンにピーナッツクリームを塗ってデザートとし、美味しくいただいた。

その後は部屋に戻り、今日の分までの日記を書く。今日で旅の前半が終わりなので、少し寂しさもあるけれど、やりたいと思っていたことが毎日実現していく、それは本当に幸せなことだと実感する。

本日の夕食

美味しく頂きました

10月6日
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