雜賀雄二 略歴

 

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展覧会  評論・書評

1951 兵庫県に生まれる。 写真家。 ランプ研究家。


略歴

1964  12歳で軍艦島(ぐんかんじま)を知り、いつか行きたいと願う。軍艦島は正式には端島(はしま)という。
1971  愛知県立芸術大学デザイン専攻に入学する。
    デザイナーになるつもりが、写真の面白さに取り憑かれ、 在学中に写真を独学。
1973  大学の3年次より写真に専念する。
    長崎県下のカトリックの人々の写真を撮り始める。
1974  初めて軍艦島に渡る。島の炭鉱が閉山する。無人になる日までを撮る。
1976  愛知県立芸術大学を卒業する。( 卒業制作が賞を受け、大学の買い上げになる )
    卒業制作は写真作品「キリシタンの島々」
    名古屋造形芸術短期大学の助手を勤め( 1979年まで)つつ、写真家、デザイナーとして仕事をする。
1981  東京へ転居する。
1984  無人の軍艦島で再び写真を撮り始める。( この頃でも、ほとんどの日本人は軍艦島を知らなかった )。
1987  長崎県を中心に、九州北部の古い天主堂 (教会堂)の撮影を始める。
1989  愛知県立芸術大学 美術学部、非常勤講師となる ( 1999年まで )。
1994  NHK・TV、プライム11「月だけが照らしていた - 軍艦島閉山20年・人と島の軌跡」が放送される。
     (雜賀雄二が撮った『1974軍艦島』で、軍艦島の軌跡をたどる番組。雜賀も出演 )
2002  東京綜合写真専門学校の講師となり、ゼミを持つ。( 2008年まで )
    NHK・TV、BSハイビジョン・スペシャル「長崎・天主堂をゆく〜写真家 雜賀雄二の世界〜」が放送される。
     (雜賀の写真集『天主堂』に登場する各地の教会堂を、雜賀自身が再訪する旅の記録 )
2004 写真のワークショップを主宰する(2011年までの8年間)
2012 『芸術新潮』に「ランプの肖像」の連載を始める。( 2012年4月号〜2014年4月号まで )
     武蔵野美術大学映像学科、非常勤講師となる。(2019年3月まで)
2016 軍艦島作品が『Firenze Architettura』に掲載される。(フィレンツェ、イタリア)
2023 『ランプの肖像』を出版。『芸術新潮』の連載を発展させた書籍
2024 『別冊・ランプの肖像』を出版。『ランプの肖像』の続編
2025  <軍艦島と雜賀雄二 「死を生きる島」を撮り続けた写真家>  軍艦島の大規模展   呉市立美術館 (広島)
    雜賀の軍艦島4シリーズ全てを
一挙に展示した初の大規模展。

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受賞

1976  桑原賞
1987  芸術選奨・新人賞 写真集「軍艦島-棄てられた島の風景」に対して


主な個展、二人展

1975 「閉山・軍艦島より」    長崎県立美術博物館  後にこのシリーズは「1974 軍艦島」にタイトルを変更
1977 「閉山・軍艦島より」    銀座ニコンサロン
                 カンタベリー・ソサエティ・オブ・アーツ
                   (クライストチャーチ、ニュージーランド)
                 オークランド・シティ・ミュジアム(ニュージーランド)
                 ニュージーランド・ナショナル・フェスティバル・オブ・ジ・アーツ
                    に招待出品 (ウェリントン、ニュージーランド) ほか
1977 「キリシタン」       新宿ニコンサロン ほか
1979 「タスマン海を越えて」   ワキタギャラリー (名古屋) ほか
1984 「遥かかなる島」      新宿ニコンサロン
1986 「軍艦島 - 棄てられた島の風景」銀座ニコンサロン ほか
1990 「天主堂」         フォト・ギャラリー・インターナショナル (東京)
                 ピクチャー・フォト・スペース(大阪) ほか
1993 「月の道 - Borderland」   フォト・ギャラリー・インターナショナル (東京)
                 長崎新聞社ギャラリー
1999 「Borderland」(「GROUND」+「月の道」)  ヨコハマポートサイドギャラリー
                  (2つのシリーズを一室に展示し、ギャラリー内で軍艦島の再現を試みる)
     「光の天主堂」       ギャラリー和田 (銀座)
2002 「Shijima」         ギャラリー和田 (銀座)
2016 「Japon TEXT ÎLE(S) : Gunkanjima, l'île fantôme」 二人展 Musée-mine (Tarn, フランス国立美術館)
2025   <軍艦島と雜賀雄二 「死を生きる島」を撮り続けた写真家> 展   呉市立美術館 (広島)
2025 「軍艦島 - 眠りのなかの覚醒」開催予定 ギャラリー和田 (銀座)


主な企画展

1987 「日本写真家協会展」     東京都美術館 京都市美術館
1990 「写真150年 海の写真名品展」下関市立美術館
1995 「Texture and Touch : Contenporary Japanese Photography」
                   ニューサウスウェールズ美術館(シドニー、オーストラリア)
     「モノ・カオ・反物語-モダニズム再考」 東京都写真美術館
     「記録・創造する眼-日本現代写真史展」 日本橋三越 ナビオ美術館(大阪)
1996 「Land of Paradox」雜賀雄二、畠山直哉、小林のりお、山根敏郎、4人展
                  フォトグラフィック・リソース・センター(ボストン、アメリカ)
                  アンセル・アダムス写真センター(サンフランシスコ、アメリカ)
                  サウスイースト写真美術館(デイトナ・ビーチ、アメリカ)
1997                チャールストン大学ハルセイ美術館(サウスカロライナ、アメリカ)
                  クライスラー美術館(ノーフォーク、アメリカ)
1997 「気まぐれ美術館-洲之内徹と日本の近代美術」
                  目黒区美術館(東京) 兵庫県立近代美術館 
                  成羽町美術館(岡山) 愛媛県立美術館
1997 「ランド・オブ・パラドックス」 砺波市美術館(富山) 芦屋市立美術館(兵庫)  新潟市美術館 
1998                三鷹市美術ギャラリー(東京)
1998 「Waterproof」       ペレム・カルチャル・センター(リスボン、ポルトガル)
2001 「現代写真の系譜」      新宿ニコンサロン 大阪ニコンサロン(2002年)
     「磯田皓と7人の作家たち」   阪神百貨店(大阪) 愛知県芸術文化センター(2002年)
2004-5 「Shrinkng Cities」    (ベルリン、ドイツ ほかを巡回)
     「こころの風景」      呉市立美術館 第一期コレクション展(広島)
2005 「写真 長崎」       長崎県美術館 (上野彦馬、東松照明、奈良原一高氏などとの6人展)
2007-8 「昭和 写真の1945〜1989」 東京都写真美術館ほかを巡回
2013 「写真のエステ - 五つのエレメント」東京都写真美術館・コレクション展
2018 「呉市美術館の歩み」展   呉市美術館 (広島)

2020 「写真コレクション『海と共に生きる』を中心に」 展   呉市立美術館 (広島)


写真集・著書

(My Booksを参照)

1986 『軍艦島 - 棄てられた島の風景』  写真集         新潮社
1990 『天主堂』            写真集・随筆集 2冊組  新潮社
     『天主堂物語』          単行本         新潮社
1993 『月の道 - 海 月光 軍艦島』   写真集         新潮社
1997 『ランド・オブ・パラドックス』  写真集(共著)       淡交社
2000 『ルナ・コルネア』        写真集(共著)      セントロ・デ・ラ・イマジン (メキシコ)
2003 『軍艦島 - 眠りのなかの覚醒』   写真集         淡交社
2004 『天主堂 - 光の建築』       写真集         淡交社
2023 『ランプの肖像』         写真・エッセイ・ランプ解説 filament/フィラメント
2024 『別冊・ランプの肖像』     『ランプの肖像』の続編    filament/フィラメント


作品のパプリックコレクション (作品が収蔵された美術館など)

    愛知県立芸術大学
    日本写真家協会(東京) 
    東京都写真美術館 
    呉市美術館(広島)


主な文献 (作品に対する評論・書評など)

1977 "Coal Camp images"  ザ・プレス、5/17、ニュージーランド
     John Sammers "Life-affirming show"  
        クライストチャーチ・スター、5/23、ニュージーランド
     渡辺 勉 「写真展『閉山・軍艦島より』」 アサヒカメラ、7月号

1978 渡辺 勉 「写真展『キリシタン』展」 アサヒカメラ、1月号
     田中雅夫 「1977 写真展』 アサヒカメラ、6月号
1984 谷口 雅 「写真展 2年間の写真展巡りを終えて・・・」 日本カメラ、12月号

1985 山村雅昭 「展評 遥かなる島」 Nikkor Club,111 Early Spring

1986 飯沢耕太郎「展評 いま、建築写真がおもしろい」 日本カメラ、8月号
     書評   『軍艦島』 長崎新聞、9月15日
     中岡康夫 「ひと 雜賀雄二」 朝日新聞、9月18日
     桑原甲子雄「新しい世代の潮流」 Rokkor、10月号
     三木 淳 「展評 軍艦島-棄てられた島の風景」 Nikkor Culb,118 Autumn
     松山 巌 「人が消え、物は自然に帰る-写真集『軍艦島』」 週刊文春、10月2日
     西井一夫 「廃墟で"もの"は蘇生する-写真集『軍艦島』」 サンデー毎日、11月2日
     宮田 昭 「ひと 雜賀雄二」 朝日新聞、11月11日
     山崎浩一 「景色の不思議。今、風景写真が過激なのだ」 
             Popeye、11月19日号、マガジンハウス

1987 西井一夫 「1986年の写真状況-モノへのまなざし」 平凡社百科年鑑、1987
     西井一夫 「読書アンケート-1986年の書籍ペスト5」 みすず、1月号、みすず書房
     書評   『軍艦島』 朝日ジャーナル、5月22日号
     飯沢耕太郎「軍艦島のイメージ」 WACOA・7号、6月
1989 玉田顕一郎・須田一政対談「写真はいま-作者の鬼気せまる、月明かりの廃墟・軍艦島」
          アサヒカメラ、5月号

1990 書評   「著者登場」 インタヴュー、共同通信配信、京都新聞、2月16日 ほか
     書評   『天主堂』 読売新聞、2月21日
     書評   『天主堂』雜賀雄二  毎日新聞、3月5日
     書評   「天主堂に差し込む至福の光-雜賀雄二『天主堂』」 アサヒカメラ、3月号
     秋山ゆり子「『天主堂』を出版した雜賀雄二さん』」 産経新聞、3月5日
     桑原甲子雄「ただならぬ視線、美しい映像-『天主堂』雜賀雄二」 日本カメラ、4月号
     書評   『天主堂物語』 SURFER、4月号
     ジェームズ・土方「『天主堂物語』雜賀雄二さん」 主婦の友、5月号
     三宅理一 「建築の夢と廃墟-廃墟の軍艦島」 建築知識、10月号

1993 書評   『月の道 - 海・月光・軍艦島』 朝日新聞、4月4日
     書評   『月の道』 日本経済新聞、4月4日
     書評   『月の道 - 海・月光・軍艦島』 毎日新聞、4月13日
     西井一夫 『月の道』 写真の会、会報、No25・1993-5
     笠原美智子『月の道』 プリンツ21、6月号
     佐野山寛太「書評 月の道」 日本カメラ、6月号
     山岸享子 「死へ至るボーダーランド-雜賀雄二『月の道』」 アサヒカメラ、7月号
     書評   「照らされる彼方、『月の道』」 東京人、7月号
     宝玉正彦 「死の島で撮る生と死の境 予想裏切られてこそ面白い」 日本経済新聞、9月12日

1994 Kim Zorn Caputo  ブラインド・スポット、No.3、アメリカ
     笠原美智子「A New Image in Photograph Collections」
          ジャパニーズ・ブック・ニュース 5号(冬)、国際交流基金
     赤瀬川原平「完全とは何だろうか」 鵜の目鷹の目、日本カメラ社

1995 飯沢耕太郎「写真家たちとその時代13 - 雜賀雄二」 西日本新聞、6月30日(夕刊)
     Jackie Menzies "Texture and Touch" 
         ルック、ニューサウスウェールズ美術館、1995年10月号、オーストラリア

1996 福のり子 「ランド・オブ・パラドックス」 展覧会カタログ・テクスト
     Andy Grundberg "Beyond Redemption : Notes on the New Landscape" 
          展覧会カタログ
     Kenneth Baker "Pointed Postcards From Modern Japan" 
          サンフランシスコ・クロニクル、4/20、アメリカ
     David Bonetl "Artistic Reflections of Japan" 
          サンフランシスコ・イグザミナー、4/26、アメリカ

1997 James Murphy "Contemporary Japanese Photography"
          アート・ペーパーズ、1-2月号、アメリカ
     飯沢耕太郎「死せる視線-写真の廃墟解剖学」 廃墟大全、トレヴィル
     Janet Koplos " Through a Japanese Viewfinder" 
          アート・イン・アメリカ 3号、 アメリカ
     Catherine Dorsey " Paradox at the Chrysler"
          ポート・フォリオ・マガジン 11号、アメリカ
     Teresa Annas "Photographers Capture the Contradictions of Japanese Life"
         ザ・ヴァージニア・パイロット、3/30、アメリカ
     河崎晃一 「パラドックスを越えて」写真集テキスト
     書評   『ランド・オブ・パラドックス』 朝日新聞、8月17日
     展評   「ランド・オブ・パラドックス-日常に映る『時』の皮肉」
          朝日新聞、8月19日(夕刊)
     インタヴュー「雜賀雄二に聞く- クリエーターの本音」 砺波市報 (富山県)

1998 江成常夫 「蓄積された時間と空間を印画紙に - 月の道」 モノクローム写真の魅力、新潮社

1999 杉田 敦 「視線だけの島」 展覧会パンフレット
     評論   「Borderland」  日本カメラ、2月号
     評論   「Borderland」  月刊美術、2月号
     評論   「軍艦島の地霊」 芸術新潮、3月号
     飯沢耕太郎「Borderlandを巡る思考」 ルック・ジャパン、5月号

2000 Patricia Gola "Gunkanjima, 1974 -1994"  ルナ・コルネア No.19、メキシコ

2001 田中長徳 「軍艦島」 日本名作写真59+1、アルファベータ

2003 笠原美智子「奇妙なモノたち」 写真集テクスト、淡交社
     高橋慎一 「軍艦島」 週刊金曜日、4月18日(456号)
     倉本四郎 「軍艦島 - 眠りのなかの覚醒」 週刊ポスト、5月2日号、小学館
     書評   「軍艦島 - 眠りのなかの覚醒」 週刊新潮、5月15日号、新潮社
     書評   「雜賀さん写真集、要望に応え復刊」 長崎新聞、5月8日(朝刊)
     今泉あいこ「軍艦島」 Pen、6月1日号 (No.107)、TBSブリタニカ
     大田精一郎「この人の場所 - 異質な時間流れる世界を撮る・写真家 雜賀雄二さん」
          西日本新聞、5月24日(朝刊)
     香川貴志 「軍艦島 - 眠りのなかの覚醒」 地理、7月号 (通巻575号) 、Jul.2003

2004 飯沢耕太郎「雜賀雄二さんの写真への熱い思いがあふれているサイト」
         デジタルカメラマガジン、3月号
     飯沢耕太郎「よみがえる記憶/『軍艦島』の記憶を辿る」 写真概論、角川学芸出版
     書評   「天主堂」 日本経済新聞、5月30日
     書評   「天主堂 光の建築」 旅 7月号 新潮社
     書評   「天主堂 光の建築」 週刊新潮 7月8日号 新潮社
     下妻みどり「天主堂が美しいのは、ただ天主堂が美しいからだけなのだろうか」 
         ながさきPRESS 8月号
     書評   「天主堂 光の建築」 家庭画報 9月号 世界文化社
     小島誠志 「軍艦島-眠りのなかの覚醒」 こころの友 2004,9、日本キリスト教出版局
     Von Kai Michel "Zentrale Lage, menschenleer" Leben, Nr.36 26.August 2004
             Die Zert (ドイツ)

2005 書評   「天主堂 光の建築」 日本カメラ 4月号 日本カメラ社
2015 「写真家たちが捉えた軍艦島」 日本カメラ
2016 Andrea Volrpe 「Yuji Saiga: the island of neverland foreverland」『Firenze Architettura』
    『Firenze Architettura』はヨーロッパで広く読まれているフィレンツェ大学出版の建築誌。
2017 鳥原学「廃墟ブームの火付け役 / 雜賀雄二『軍艦島 - 棄てられた島の風景』」CAPA 8月号
2018 鳥原学『時代を写した写真家100人の肖像(上巻)』玄光社


作家本人による文献

1986 「錆びついた時間」  写真集テクスト、新潮社
     「そして新たなる視線」 写真集テクスト、新潮社
     「夢遊病者の眼」 波 9月号、新潮社
     「軍艦島-棄てられた島の風景」 長崎新聞、10月20日(夕刊)
1988 「島の天主堂-ある棟梁の建てた夢」 芸術新潮、8月号
1990 「天主堂」 pgi 個展パンフレット
     「キリシタンの島」 波 1月号、新潮社
1993 「月の道」 写真集テクスト、新潮社
     「海・月光・軍艦島」 波 3月号、新潮社
     「生と死のはざま」 pgi 個展パンフレット
1994 「わが内なる端島」 インタヴュー、長崎新聞、5月26日(夕刊)
1998 「Borderland展について」 ハースネット・ニュースNo.5, 1998年5-6月
2001 「in the silence」 ニコンサロンブックス、28号
2003 「眠りのなかの覚醒」「追想」 写真集テクスト、淡交社
2004 「天主堂物語」 エッセイ、淡交社 (1989年に書き下ろした文章を改稿、加筆)
2012-2014 「ランプの肖像」 芸術新潮 (新潮社) / ランプについてのエッセイ + ランプ解説
2023 『ランプの肖像』 エッセイ、キャプション(解説) filament/フィラメント
2024 『別冊・ランプの肖像』 エッセイ、キャプション(解説) filament/フィラメント

略歴   展覧会


 

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