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JBL4343スピーカー
マルチアンプ駆動化の
解説と注意点



※読んでみたいと思う項目をクリックして飛ばし読みして下さい。


1.【JBL4343スピカー:マルチアンプ駆動化の解説と注意点】

2.【・・・・・】

3.
【・・・・・】

1.JBL4343スピーカー:マルチアンプ駆動化の解説と注意点】

★一般的なマルチスピーカーをマルチアンプで駆動してみたいと思われている方の参考になればと掲載しました。

★JBL4343(4Way)のマルチアンプ化で過去に経験した失敗例と成功例等を交えて参考例としてなるべく具体的に記してみます。

※私がJBL4343のマルチアンプ駆動化を行う経験ができたのは、友人(オーディオ仲間)のJBL4343でした。このJBL4343スピーカーを球のシングルアンプで鳴らしていたのですが、友人はノーマルそのままの音質では、常々不満を漏らしていました。ある日、「改造したので、すごく良い音で鳴っていると思うから試聴に来て欲しい」と呼ばれ、試聴させてもらった事からです。試聴した結果、友人と言え大変失礼だったと思うのですが「エッ!・・・ナニッ!・・・このバラバラの音」と、つい、言ってしまいました。

※本人は良くなっていると思い込んでおり、「これがJBLサウンドだよ」と、言って聞く耳をもとうとしません。見たところ、かなり手を加えていて、費用もかなり注ぎ込まれた物と思われますので、言い張りたい気持ちは理解できます。しかし、間違いなく私の耳には、ノーマルの状態で鳴らした音より、はるかに悪く、尋常じゃない音で鳴っていたのです。

※どれだけバランスが狂って音が悪くなっているのか・・・同じ音楽ソースを私のモニターに使っていたスピーカー(ダイヤトーン P-610:1発フルレンジ)の音色を同じ音源で聴かせ違いを比較試聴してもらいました。その時、初めてその、違い(悪くなっている)を認識してくれました。確かにJBL4343は、気難しいスピーカーです。本来Pro用で、スタジオ等で使われるスピーカーです。スタジオでは録音の状態や粗を見つける為の道具であり、4wayとしては完成度の高いスピーカーです。

※JBL4343をコンシュマー用として鳴らす場合は、工夫や努力を怠ると、気難しさが出てしまい、ノーマル状態のまま単にケーブルを繋ぎアンプを繋いだだけでは、期待通りの音を出してくれません・・・と言っても、へたな国産の単調で平坦な音色よりは素晴らしい音を出してくれますが!。(メーカーの試聴ルームではあんな良い音がしてたのに・・・何で?てな事になり兼ねません)

※おそらく、友人はノーマルのJBL4343では音色に不満があっていろいろ、変更したものと思われます。本来JBL4343はこんな酷い音はしない事を理解してもらい、少なくとも元の状態の音に戻す事を提言しました。更にノーマルで不満だったところを再度確認しながら、更に良くなるようにJBL4343の修復改善をお手伝いすることになってしまいました。
(めんどくさいけど楽しい作業!)

※先ず、気になったのがアンプです。JBL4343を鳴らすアンプは特に電源部が貧弱なパワーアンプ等(ハイパーと言う意味ではありません)で鳴らしますと、JBLのあの強力なマグネットを搭載し重たいコーン紙の38cmウーファーを駆動しきれず、低音は思っているほど量感もなく重低音も出ないでたとえ出ていてもブヨブヨな低音になり歯切れも悪く、中高音のみ強調された感じに聴こえてしまいます。音量を上げると全体的に耳障りなやかましい感じになります。そこには、ただ大きな音を出せる大型スピーカー!・・・になってしまう可能性大です。

※JBL4343を「期待して導入したのに・・・?」と、不満を感じるのは、殆どの場合、JBL4343をコントロールできず、JBLのユニットを鳴らしきれていない・制動できていないのが要因だと思っています。この様に4343に対し期待が大きいだけに「ガッカリ・・・」と、感じている方が多少なりともいらっしゃるのではないでしょうか?。

◎JBL4343が期待通りの音色を出しているオーディオマニアの方は、大変な苦労をされていると聞きます。素晴らしい音色を奏でているJBL4343のオーナーの方々は、どなたもオーディオの原理原則を踏まえ、人一倍のご苦労とご努力を惜しみなくJBL4343に注いだ結果だと思っています。実際にまともに鳴らしておられる方のJBL4343を聴かせて頂く機会もあり、そこには、素晴らしい音色で、JBL本来の立ち上がりが早くシャープで切れの良い中高音と歯切れの良い低音と相まって奏でる音色はバランスも良く、そこには躍動感溢れる音楽が存在していました。(ただ、不思議にも、相性なのか・・・どの方もアンプは海外の高そうな半導体アンプでしたが・・・)

◎ 友人のJBL4343がなぜ、こんな音色になったのかJBL4343自体を調べる事から始めました。

※今回、JBL4343が変な音になってしまたと思える要因が4つありました。

 <変な音になっていると思われる要因>
 1)JBL4343の中高域用(2420)のホーンに得体の知れない特性無視と思われる超扁平(高さ約6cm・
   幅35cm)の4セルのセクトラルホーンが使われている。

   ●中高音が歪んで聴こえ、上と下の繋がりが悪くホーン帯域のみ強調される感じです。

 2.)JBL4343の中低域用のミッドバス(L2121)に同サイズのフルレンジユニットが使われている。

   ●中低域の音声の帯域が引っ込んで前に出てきません。

 3)ネットワークが自作した物に変更されている。

   ●ネットワークによる音質の変化は不明(JBL純正のネットワークが無い為、判断できず)

 4)左右のウーファー(2231A)とミッドバス(2121)ユニットの + ・ - の極性接続位相が狂った
   ままになっている。

   ●低音は僅かに鳴っている感じで、重低音などは殆ど出てこず、定位感がなく音が左右散って
     いる状態です。

 *全体の音質は、歪みっぽくキツイ音色で音量は出ますが、音質は安物のラジカセ並かそれ以下
   の音です。

※1)は友人の師匠と称する方に「JBL純正のストレートホーンより音が良いはず」と言われ格安で分けて頂いた物だそうです。しかし、これは多少知識のある方が見れば、見るからに欠陥品と判ります。誰が見てもこれは・・・???!!!「なんだコリャ?」と、目を疑いたくなる代物です。ホーン内の曲線状態を見ると殆どカーブは無く、板を張り合わせたただの三角形でカットOFFも周波数特性も不明で物理特性もへったくれもない感じで、ひどい状態の物でした。(失敗作を売りつけられたの?と、言いたいです)

※2)ミッドバス用に交換してあったフルレンジユニットを見ると、いろいろ実験したと思われる痕跡があり、ユニットのポールピースと周辺部にはfoを下げる為なのかブチルゴム系接着剤がベタベタと汚く塗ったくられている状態です。ユニットを「譲り受けた時点からこの状態だった」そうです。(JBL純正ミッドバス「アルニコの2121」より良い音が出てくるとはとても思えません)

※3)のネットワークは、1)・2)に比べ、まともな物で、当時、オーディオグレードと言われる中でも高級に超が付く部品を用い、定数は純正を真似て4wayネットワークを自作変更されおり「ネットワークを作り変えると凄い音になる」と師匠に言われるままに指示通りに信じて製作した物だそうです。又、ミッドバスをJBL純正から某フルレンジユニットに交換したさい、スピーカー内の内部配線も全て極太の高級オーディオグレード品(¥1万前後/m)に交換。そこでも物量投入の痕跡が窺がえるものでした。(相当量の費用が掛かったと思われ、製作ミス・結線ミスや定数間違い等をしない限り、この自作ネットワーク自体が特に悪さをしているとは思えないパーツを使用していました)

※4)の要因である位相の狂いは、スピーカーの内部ケーブルやユニット交換時に結線ミスをした可能性が大です。ユニット端子の黒に”-”・赤に”+”を全てのユニットに接続しており、又、ネットワークへの接続も判りにくく接触抵抗を無くすつもりだと思いますがユニットや部品は、直に半田付けする方式は良いのですが、右と左の接続が異なっておりあらゆる原理原則に対し完全無視の状態になっていました。(スピ-カー接続の基本中の基本である原理原則を、説明し理解してもらいました)

<旧JBLユニット接続時の注意点>
★JBLのコーンを使ったユニットは一般的なスピーカユニット(接続端子)の+・−端子の色が逆に
  なっています。
★ペーパーコーンタイプは
が”+” ・ 赤が”-”です。
★ドライバー以上は一般ユニットと同じ
が”-”/赤が”+”と混在していてヤヤコシイのです。
★マルチスピーカーは位相や極性合わせ(これも位相と関係があります)は、とても重要で音質に
  直接現れてくるので注意が必要です。(JBLのユニットを取り外した時や、内部をイジクル時は
  端子の接続状態をメモ等をしておいた方が無難です)


(最近のJBLユニットは全て「赤:+」「黒:−」に変更されています)
※正確に知るには、使い古しの単三乾電池(1.2V程度)でテストできます。赤に+/黒に−を繋いだ時コーンが前に出る動作であればOK(正相)です。逆の動作(コーンが引っ込む動き)は+−が逆(逆相)のユニットです。

※1)は純正ホーン2307と純正デュフューザー2308に戻しましたが怪しいホーンよりは、まともに鳴ります。しかし金属製のストレートホーンは特有のジャジャ馬的な音質なのでクラッシックを優雅に聴くには聴き疲れしてしまいます。中高音が荒れている感じのキツイ音色で今ひとつでした。昔はこの円形ストレートショートホーンを活かす為、デュフューザーを設けたのは仮想音源(音源がバッフル板位置に有るように聴こえる)と音の拡散(指向性の向上)とキツイ音への苦肉の策だったのではと想像します。・・・(そもそも、ホーン開口部に障害物と思えるデュフューザーなる物を設置する事自体、今のオーデイオ界ではタブーです。そこで、あの変な超扁平なセクトラルホーンに換えたのだと思いますが・・・)

※他のオーディオ仲間に余っていたホーン(チャンと設計製造された老舗メーカーの市販品ウッドホーン)がありましたので、そのホーン(カットOFF380Hz)をお借りして入れ替えてみました。・・・なんと!なんと1・・・これは、大当たりです。・・・キツイ音色から響きのいい深みのある音色に変わりました。流石にちゃんと設計製作されたホーンは違います。まして、ウッド製はとても滑らかな音色になるので直ぐにその違いが分かります。(後に、私が自作したリューズテクニカのウッドホーンに入れ換えました)

※ホーンのセッティングはJBL4343のエンクロージャー の上に置き、前後位置は、実際の音楽を聴きながら調整しました。(ホーン先端がバッフル板から5cm突き出た位置に落ち着きました)

※2)はミッドバスユニットをJBL純正のJBL-2121に戻しました。

※3)は全ての結線確認は音響テストCDで再生し、1ユニット毎に確認しながら接続し直しました。最初に低域の左右の位相合わせから行い順次各ユニット間の極性も合わせていきました。

◎悪影響を与えていたと思われる要因を取り除く事でやっとノーマルの音に近くなり、中高音にまともなウッドホーンで、やっとノーマル以上の音質になりました。しかし、ネットワークを使ったスピーカーではこれ以上音質の改善を図るのは困難と思えました。

◎パンチ力や乾いた音色感はJBLらしいのですが繊細さを感じないのです。・・・これぞJBL!!・・と言われるとそれまでなのですが、TANNOYの様に玄の繊細さや艶も欲しいのです。(ネットワークによる音質の限界を感じてしまいました)

◎使用しているアンプは真空管式6CA7のステレオパワーアンプ(最大出力約40w)1台で鳴らしておりましたが、求める音質を再現するにはこのアンプでは力不足(ダンピングファクターが小さ過ぎてウーハーを制動しきれない)と思われ、低音が”ぶんぶく茶釜”でした。同じ真空管アンプでも、よりハイパワーのアンプ(90wクラス)に換えてみました。しかし、パワー感はあるものの、これも又、真空管式アンプの宿命とも言えるダンピングファクターの低さによる影響と思われ、音質としては大差なく今一でした。普通に音楽を聴くだけのサウンドとしてはOKなのですがJBL4343サウンドを更に追求する者としては今一、求めている音と違っており満足できず、更に改善を図る必要がありました。

◎現状で音質改善行う箇所で残っているのは、自作ネットワークの改善しかありせんでした。ただ、このネットワークは4wayネットワークですので、大量の部品を必要とします。又、部品のコイル・コンデンサー・抵抗(レベル調整用)等を音楽信号が通ります。低域用コイルは膨大な長さの銅線を使った大型のコイルが信号ラインに入り、音質劣化を招きます。部品に目をやると、これ以上に品質が良と思われる部品は少なく、逆にグレードを落として相性テストぐらいしか残っていません。

◎又、これらのスピーカーとアンプ間に入るネットワークは機能的に必要悪の回路です。マルチスピーカーでは、ネットワークを構築する上で使わない訳にはいきません。(既に、部品のグレードアップは行われており、手を付ける箇所が見当たりません・・・定数の変更は、高価な部品であり余分な部品はありません。・・・・さァ、どうしましょう?)

◎周りを見渡すと球式ですが、複数台のステレオパワーアンプが余っているではないですか。これは、アンプ側をとっかえひっかえした証の様です。しかし、ケガの功名と申しますか、ネットワークを廃止してマルチアンプ駆動にするのに好都合です。・・・まさに「マルチアンプ駆動化しなさい」言わんばかりです。

★いよいよここからがマルチアンプ駆動化に向けて、スタートです。マルチアンプ駆動化にあたり、基本になる音色や音質を知っていないと・・・良くなったのか、悪くなったのか判断に困る場合があります。手本となる音色や音質を充分記憶に留めるか、比較できる物を用意しておくと判断し易く安心です。(記憶は段々と薄れますので即、比較できる事が間違った方向に進まずに済みます)

◎パワーアンプが全部で3台ありましたので、ネットワークを廃止する為には、チャンネルデバイダー(3way以上)を準備してもらえれば可能になります。4Wayのチャンデバは数が少なく、又高価で手頃な物がなかなか見つかりません。又アンプの数も足りないので3Waで行う事にしました。ネット検索で運よく中古でAccuの3Wayチャンデバがゲットできました。(周波数ボードも指定して一緒に購入)低音・中低音・中高音の3Wayチャンデバで高音はコンデンサー1個+アッテネーターで中高音の上にオンする方式にしました。

◎38cmウーファーは約350Hz以下を、25cmミッドバスは約350Hz〜1250Hz帯域を、中高音のホーン部は約1250Hz以上をフリーで受持たせ、高音のツィーターは、追加方式でコンデンサー1個(-6db/oct)+アッテネーターで約12500Hz以上を掛け流しにしました。減衰率(減衰カーブ)はツィーターを除き全て-12db/octで鳴らします。4way対応のチャンデバとパワーアンプがあればツィーターも直接パワーアンプで鳴らして、完全マルチアンプ駆動化しても良いかもしれません。

◎極性はウーファー(正相接続)を基準に、ミッドバスは逆相接続、ホーンドライバーとツィーターは正相接続です。

◎パワーアンプは球のままでしたがこのセッティングで鳴らして見ます、ビックリです。友人も「これがJBL4343(JBLユニット)の本来の実力かァ!」と感激です。今までの音は何だったのだろう!?・・・と、JBL4343の底力が判る音質に蘇りました。太鼓では皮の張りや乾き具合まで見える感じで、ドラムは歯切れ良くリズムを刻み、コントラバスは胴鳴りや弦のゴリゴリ感が再現され、バイオリンの弦は松脂が舞い、管楽器は唾がほとばしり、シンバルンは振動が伝わってきます。(ベールを一枚も二枚も剥いだ感じです)

◎数日後、中低音と中高音のクロスする帯域の音が気になる・・・との事でしたので実験的にカットOFF300Hzの私の手作りホーン(W-300SDX)に付け換えて鳴らしたところ実に自然な繋がりを示し、情報量も増加した感じになりました。更に、極性を正相接続に変更し、充分満足できるレベルに達しました。再度、メーカー製ウッドホーンに換えて試聴してみましたが、私の手作りウッドホーン”W-300SDX”に軍配が上がりました。(ヤッター!)

◎メーカー製のウッドホーンでもカットOFFが低い物を使えば繋がりは良くなるとは思いますが、カットOFFの低いメーカー製ホーンは大型で、ドライバーは2インチスロートタイプが殆どです。しかも、とても高額です。JBL4343の純正ドライバーは1インチスロートなので2インチタイプは使えません。1インチ⇔2インチ変換アダプターもない訳ではありませんが、ホーン自体も変換アダプターもとても高価ですし、2インチタイプのドライバーとホーンを一緒に交換するには費用が高額過ぎて、さすが友人(私より遥かにお金持ち)でも、とてもとても手が出せそうもないとの事でした。(下手すると、4343がもう一本買えてしまいます)

◎ウーファーを鳴らすパワーアンプは本来、ダンピングファクター値が大きく強力な電源のパワーアンプが必要です。球のアンプでは低域の量感は増しますが、締まりの無いゆるい低音で”ボワーン”とした鳴り方をします。現代的な球のアンプはそこまでひどくはないと思いますがVintageと言われる球のアンプは制動が弱くマッタリ・ユッタリ・ホンワカ的傾向が少なからず出ます。

※ソフトな音色を好まれる場合は良いかもしれませんが、今回のJBL4343はウーファーのみを球から半導体アンプ(ダンピングファクター:100/パワー:110W+110W)に入れ換えました。(ダンピングファクター改善と出力対策で変更)

◎更に進化させるのであれば、ドライバーやツィーターユニットをよりグレードの高い物に換える。低音用アンプは、とにかく強力電源のパワーの大きいアンプにする。歪み率は0.1%以下で極端に歪の多いアンプはやはり良くありません。推奨するアンプは150w/8オーム以上・ダンピングファクターは100/8Ω以上(できれば300以上が望ましい)です。とにかく電源部が強力なアンプがJBLのウーファーを強力に制動してくれると思います。

◎ミッドバスを専用パワーアンプで鳴らす場合はウーファーと同等でもよいのですが、ウーファーほどのパワーは必要ありません。、しかし重要な帯域を受け持ちますので、より質を重要視して選択すれば更に良くなると思います。

◎中高音用はユニット自体、音圧が高く能率が大変良いので出力は10w〜30wクラスでも充分対応できます。ハイパワーを使っても特に問題はありませんが、ハイパワーアンプでは、かなりの音量をVRで絞って使うようになります。それよりローパワーのアンプで中位の出力にして使う方が歪も少なく、音質的に有利です。したがって、中高音用のパワーアンプはパワーよりSN比が良く、歪み率が低く、周波数特性が良く高域まで伸びている質の高いアンプに換える方がより音質の向上が期待できます。

◎チャンネルデバイダー(略してチャンデバ)はピンキリで存在していますが、最も安くてそこそこ好評なのがPA用の”ベルデン製”のアナログチャンデバです。ステレオ3wayで売価「¥12000」前後で販売されております。質的に良いと思われるのがdbxやASHLY製のチャンデバです。価格はベルデンの2倍〜4倍位ですがコンシュマー用を考えれば1/10です。PA用は、接続がバランス接続専用になっております。ピンケーブルに変換する”変換ケーブル”か”変換コネクタ”が必要です。(チャンデバを購入する場合、もステレオ3way以上のチャンデバを選んだ方が後々、便利です)

★既にお持ちのマルチスピーカーをマルチアンプ駆動で鳴らしてみたいと、お考えの方は、先ず、ウーファー部とそれ以上の帯域ユニットの2wayに分けバイアンプ駆動方式の「ウーファーを専用パワーアンプで鳴らし、それ以上をもう一台のパワーアンプで鳴らしてみる」から初められる事をお勧めします。この時、ミッドバス以上は純正のネットワークを通しますが、これだけでも音質が改善されると思います。そこで、明らかに音質向上があったと確信しましたら、次のステップに進まれると良いと思います。

★次ぎのステップとして、ミッドバス(又は、ミッド)を専用パワーアンプで駆動します。ここまで来ると、パワーアンプ3台による3wayマルチアンプ駆動になり、この段階でかなりの音質改善になっていると思います。ただし、微調整は必要です。大まかなセッティングは基本に則って行いますが、その後は必ず耳で確認しながら調整して下さい。

★4Wayの完全マルチアンプ駆動にするには4Way以上のステレオチャンデバを1台使うか、3Way又は2Way1台と3Way1台の計2台をシリーズ接続して使います。単体で4way以上のチャンデバは機種が少なく価格も極端に跳ね上がります。PA用チャンデバはステレオ3Way/モノ 4Wayが有り、2台(L/R独立で使う:チャンネルセパレーションが向上)使って4Wayにします。

★Pro用はコンシュマーよりリーズナブルで安いのです。数台組合せてもコンシュマーより安くできます。尚、プロ用は表記の規格基準がコンシュマー用と多少異なるため、カタログ上の数値、たとえばSN比・歪み率等の数値が劣ってみえます。(dbxやASHLYを使った経験では実際に音を聴くと、殆ど気になりません)

★Pro用アンプの中には安かろう悪かろうのアンプも見かけます。これらのアンプは特にジージー・とかブーンブーンとかのハム音が大きく出る物が多々有ります。又、強制冷却ファンが付いていてファンの回転音が大きい機器も有ります。これらのアンプは静かな一般家庭のリスニングルームで使うにはノイズそのものと変わらないので避けましょう。

★4Wayのコンシュマー用アナログチャンデバは今ではAccuphaseぐらいしか見当たりません。中古でもかなり高額ですがコンシュマー用機器の中で、品質は群を抜いて高品質で音・静寂さなどは追従を許しません。ただ、この機器を一台準備する費用でPro用ならチャンデバ・複数台のパワーアンプの全てそろえられます。余裕の有る方にはお勧めします。

★これらの高額な機器を投入しても掛かったコストと音質との差はそれ程違いがあるわけではなく僅かの差です。価格差は数十倍ぐらいありますが、音質差は・・・おそらく私的感想ですが、良くて1.1〜1.2倍もないくらいだと思います。この僅かの差を追求するのもオーディオなのかもしれません。オーディオシステムは、ピンからキリまで存在しますが音質追求や所有欲が出てくるとハマッテしまい、この微妙な音質の違いや高級感を求めて多額の費用を投入してしまう厄介な趣味です。

★音質追求はオーディオマニアの性だと思いますが、ですが背丈に合った費用で最大限の音を極めるのもオーディオです。もっと凝るならデジタルチャンデバになってしまうのかもしれませんが・・・(導入にはコツがいります)。

★Pro用(なるべくファンレスタイプ)のアンプやチャンデバでもS/N比100dB前後かそれ以上、歪み率0.1%以下の物であれば問題ありません。又、中古品でも充分です。ネットなど探せば手頃なアンプやチャンデバが見つかるかもしれません。是非チャレンジしてみて下さい。




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