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スピーカーのセッテイングと
シングルアンプ駆動とマルチアンプ駆動の
音質の違い



※読んでみたいと思う項目をクリックして飛ばし読みして下さい。



1.【スピーカーセッティングの違いよる音質傾向について】


2.【マルチアンプ駆動方式の音質の違いについて】

3.【・・・・・】

4.
【・・・・・】

1.【スピーカーセッティングの違いよる音質傾向について】

◎スピーカーを鳴らす時、リスナーの好む音の傾向は、大きく分けて音像指向と音場指向に分かれます。音像指向の方は、演奏者の位置関係や息使い・楽器のリアルさが把握出来るようなモニター的な音質を好みます。音場指向の方は、演奏会場のホール感や曲全体の雰囲気の出る音質を好みます。(私の場合、基本は音像型ですが、奥行・天井の高さ・ホール感も出る音質にしたいと思っています)

◎音像指向と音場指向では、スピーカーやユニット自体の音質で、ある程度決まってきますがセッティングによっても多少修正ができます。スピーカーをリスナー側(内向き)に向けますと、モニター的な聴き方ができます。2本のスピーカーを平行に真っ直ぐに向け、左右の間隔をやや広くセッティングすると、ホールに居る感じの聴き方ができます。

◎普通スピーカーを左右に広げて設置しますが、スピーカーの大きさに合わせた適度な広げ幅と言うものがあります。スピーカーを広げないで狭い間隔で置きますとステレオ感が無くなりモノラルの様な鳴り方になります。小さいスピーカーをあまり広げて設置しますと今度は中央付近の音が中抜けして左右からしか音が出ていない様に聴こえます。

◎修正方法としては、スピーカーをやや内向きに設置すると中抜けを緩和したり音像をクッキリさせたりできます。あまり左右に広げられない場所での内向き設置は逆に音の広がりやステレオ感が失なわれモノラルの様な音になってしまいます。

◎珍しい設置方法に、逆オルソン式があります。これは、オーディオ評論家の江川三郎氏が考案/提唱していた方式で、L・Rのスピーカを中央正面に近づけて左右即近で並べて置きます。あたかも、モノーラル再生の様ですが、ここからが違います。スピーカーとスピーカーの間(真ん中)に合板等で仕切り版を立て(この板はなくてもかまいませんが、無いとステレオ感が薄れます)左右を分離します。次に左のスピーカーを左外側に少し向けます(15度以上30度以内)。右のスピーカーは右外向きに向けます(15度以上30度以内)。向きの角度は、センターラインを基準に15度〜30度以内で向きを広げます。丁度”ロンパリ”の状態で、通常の左右広げて設置し、やや内向きに向けるセッティングの真逆になります。

◎逆オルソン式の理屈は、録音する時のマイクの使い方の方法にマルチマイク録音(各楽器や演奏者毎にマイクを置き編集で合成する録音方式)と定点マイク録り(ステレオマイクを中央の一箇所で全体を録音する方式)がありますが、定点マイク録りのその逆の発想から生まれたセッティング理論だと解釈しています。要約すると”定点再生方式”とでも言っておきましょうか。

◎実際に試しに逆オルソン式をやってみた事がありますが、確かに演奏会場の広がりのある雰囲気や懐かしい昔のLPを聴いている感じでストレートなダイレクト音が直接リスナーには届かないので優しい音に聴こえてきます。これもステレオ再生ですのでスピーカーの開き角度を調整する事で多少は左右に分離はしてくれてますが、丁度、天井に埋めたBGMスピーカーで聴いている感じです。楽器の位置関係は今一、明確ではありません。今では推奨される方は殆どいないと思いますが、興味のある方は一度試して見てください。

◎中域を充実させたい場合は、スピーカスタンド等の台を使い中域を受け持つユニットの高さを聴く耳の位置と同じ高さにします。高域を充実させたい場合は同様に高域を受け持つユニットを聴く位置と同じ高さかにします。高さを合わせられない場合は、ユニット自体・又はスピーカーの向きを斜めに傾けて(やや上を向く感じ)聴く向けてもかまいません。

◎左右の向きは容易に動かせますが、上下はスピーカー台などを用いて調整します。あまり高い位置ですと低域が薄れます。尚、低音自体(約100Hz以下)の指向性は強くなくウーファーの向きは特に気にする必要はありません。極端に言えば100Hz以下ならウーハーは横向いていても後ろを向いていても問題ありません。そう言うメーカー製スピーカーも高級機で存在します。

◎低域をより出したいセッティングにスピーカーを部屋のコーナー(床・横壁・後ろ・天井の内3辺に囲まれる場所)に置く方法があります。床・横壁・後ろ・天井等近づけるほど反射で低域が豊かになりますが中高域を犠牲にしてしてしまう可能性もあります。又、サラウンド3D方式を引用した2 + 1CH方式では、100Hz以下を受け持つ専用ウーファー(サブウーファー)を追加する方法ですが、この場合でもウーハーは左右各1個は欲しいです。なぜなら、通常、ウーハーと言えども音声領域程度までは、音が出ている事が多く違和感が生じる可能性があると思えるからです。

◎既存のスピーカーが低音不足の場合、大変有効です。再生には別途専用パワーアンプの追加、又はアンプ内臓の3D用ウーファースピーカーを2台用います。壁の反射音を利用しコンサートホールの様な音場感を作り出すセッティングを推奨したスピーカーに往年のBOSEスピーカーがあります。

◎スピーカーの置く場所と聴く場所の環境で、デッドエンド・ライブエンドと言う言葉があります。デッドとは、音を吸収し反射し難い環境のことです。ライブはその逆で、音を反射し跳ね返す環境です。昔は、求める音の傾向として劇場など観賞している雰囲気を求められており、スピーカー側をライブにし試聴位置をデッドにする事が多く、アンプも真空管式の為、パワー出力も低く、スピーカーの能率と反射音に頼って再生していました。

◎リスニングポイントで広がりのあるホール感や音楽情報を充分に届けるにはスピーカー側はライブ(端に有るのでライブエンドと言います)リスニング側は反射や響きが強いと余分な音が混ざり聴き取りにくくなりますのでデッド(スピーカーの対極に有るリスニングポイントは端に有るのでデッドエンドと言います)にします。場合によっては、ライブエンド&ライブエンドもありヨーロッパのオーディオ愛好家は殆どがこの環境です。

◎最近では、入門クラスのアンプでも出力は殆どが40Wi以上出せます。その為か、スピーカーの能率はどんどん低くなる傾向にあります。その為更にアンプのパワー出力は、より強力になってきています。求める音も変わり、今では逆に、スピーカー側をデッドエンドにしリスニング側をライブエンドにすることの方が多くなっています。臨場感よりも演奏者の状態や楽器の一つ一つが明確に聴こえル様にしたい場合はデッドエンド&デッドエンドにし余分な響きや反射を抑えたほうがよい傾向になります。(今ではスピーカーの能率は89db/wや90db/wで高いと言われてますが、昔は95db/w以上ないと高いとは言われませんでした)



2.【マルチアンプ駆動方式の音質の違いについて】

◎普通2Way以上のマルチスピーカーをステレオアンプ1台で駆動する場合、ネットワークが必ず介在します。アンプからの音楽信号はアンプの性能にもよりますが、おおよそ「DC(0Hz)〜40,000Hz」ぐらいまでの信号のパワーがスピーカーに供給されます。その為、パワーのある音楽信号をネットワークで周波数帯域分割し各ユニットへ供給しなければなりません。つまり、良質なネットワークを構成するには、使う部品に耐圧が高く且つ誤差の少ない電気的特性の良質な部品が必要になります。

◎通常はスピーカ入力端子1箇所から枝分かれされた信号ラインを3Wayの場合、低音・中音・高音の3経路に2Wayなら中低音・中高音の2経路がネットワーク回路に並列で供給されます。各帯域を受持つネットワークで必要な周波数のみを通過させるフィルターという作業が行われ、各ユニットに信号が供給されます。つまりくどいようですが、全体域の信号がスピーカーのそれぞれのネットワーク回路に供給され、ネットワークと言うフィルターを通しウーハー用は低音域のみの信号が通過・スコーカー用は中音域のみの信号を通過・ツイーター用は高音域の信号のみを通過させて鳴らしているのです。

◎このそれぞれのネットワーク回路で低域用を低域だけ通過しますのでローパスフィルター(LPF)・中音域用は低域と高音域を通させずにそれ以外を通過させる回路なのでバンドパスフィルター(BPF)・高音域用は高音域のみ通過しますのでハイパスフィルター(HPF)と言います。

◎回路は単純でも質の良いネットワークを作ろうとすると、それなりにコストがかります。ユニットの数だけネットワークが必要です。良く、勘違いされていつ方がおられますが、マルチスピーカのネットワーク式はネットワーク1個でアンプも1台なのでシンプルなので音が良いんだ・・・と。これは大間違いで、確かにアンプは1台で済みますがスピーカ内のネットワークは3Wayなら3回路、2Wayなら2回路、又左右分でその2倍の回路が必要です。

◎ネットワークには周波数分割以外に、ユニットの特性にもよりますが、もう一つ役目があります。それは、ユニット自体の周波数特性によっては凸凹したユニットも当然存在し、その凸凹を補正(平坦にする)するイコライザー的役目もします。もちろん周波数分割回路以外にイコライザー回路を付加させます。又、ユニットは高域になるにつれて、特定の周波数から上でインピーダンスが上昇しますのでそのインピーダンスを一定にする回路(インピーダンス補正)なども付加できます。

◎ネットワークの最大の弱点は使われる部品(コイル・コンデンサー)にあります。特にコイルは、線材の質や構造を良く吟味しないと、数メートルから十数メートルの導線を巻いて作られていますので、質その物が、即、音質劣化を招きます。数Aの電流が流れますので耐電流に気を使う必要があります。又、せっかくスピーカーケーブルを最短にし、スピーカーケーブルの直流抵抗を下げたところで、コイルでいっきに上げてしまいます。又、コイル成分は信号に対し応答を遅らせる為、コイルを通さない時と比べて立上がり/立下りが鈍い”なまくら”な音信号になってしまいます。

◎又、使われるコンデンサーも重要でアンプ等に使われるコンデンサーと違い高耐圧・高容量で確り作られた物を使う必要があります。その為、価格も極端に高額になります。アンプの小信号を扱う回路に使われるコンデンサーより遥かに大型になり構造上、諸特性をクリヤーするのが大変なのです。つまりコンデンサーも質を求めると高額になります。大電流・高電圧(数アンペア、数ボルト)の掛る回路にコイルやコンデンサー部品を用いるのは得策ではありません。ネットワーク式を使う限りコイル・コンデンサーは真空管アンプのアウトプットトランスと同様に必要悪の部類に入ると思います。無いと、チャンと鳴らせなくなってしまう訳なですから・・・。

◎ネットワークは全体域の音楽信号がスピーカーの入力端子に入る訳ですが、その後、3Wayなら低音域・中音域・高音域と周波数分割されます。この入力の部分で全ての回路が繋がっています。この共通で使われるところもネックになります。ダンピングファクター値の低いアンプ(特に真空管アンプ等)ではウーハー等の低音ユニット挙動が中音・高音の信号に若干ですが悪影響を与えます。

◎ウーハーは構造上、他の帯域を受け持つユニットより質量の大きな振動板を有しているため、低域の音楽信号が来なくなった場合、慣性で微妙に振動し続けます。この時、ウーハーのボイスコイルは発電機となり微弱ではあるが起電力が生じます。このウーハーからの起電力が他の帯域の音楽信号に影響してしまうのです。

※ウーハーユニットの端子を導線でショートさせておいてウーハーのコーン紙を手で押してみて下さい。ショートさせない状態ではフカフカと動きますが、ショートさせた途端、びくともしない状態になります。これは逆起電力が短路されコーンを動きにくくしている状態なのです。

◎通常、このウーハーから生じる起電力をアンプ側から見ますと逆起電力となりアンプにとっても全体域の信号を歪ませる要因になります。これらを防ぐのにアンプ側としてはアンプの内部インピーダンス(出力インピーダンス)を極力低くしてウーハーからの逆起電力を吸収するようにします。このどれだけ吸収できるかの能力を数値で現したのが「ダンピングファクター」値です。ダンピングファクターが160の場合、スピーカーが8Ωなら出力インピーダンスは0.05Ωとなります。4Ωのスピーカではダンピングファクターは8Ω時の半分の80になってしまいます。

※話はそれますが、真空管アンプ愛好家の方の間では真空管アンプでは、ダンピングファクターが10以上あれば優秀と言われています。真空管アンプは、球の特性上、アウトプットトランスが必要なので、トランスのインピーダンスで決まってしまうのでダンピングフアックターを上げたくても上げられません。真空管アンプのダンピングファクターは一般的に1〜5程度で「”10”以上なら優秀」と言うのも納得できます。又、出力も半導体アンプより低目で一般的に数Wで高くても30〜40W程度までです。

※当時真空管アンプしかなかった時代は、スピーカーの方を工夫しユニットのコーンを軽くし質量を抑えマグネットも今より小型になった構造でした。そんな訳で、当時のスピーカー(特に昔のヴィンテージと言われるスピーカー)は軽いコーン紙の高能率な物ばかりでした。又、エンクロージャーはユニットが動きやすいようにユニットサイズより大きめの箱で吸音材も少なめで作られていました。

※経験上、ダンピングファクターは高い程、ボワーンとした低音ではない締まった低音がでます。スピーカーもアンプの電源を入れると妙に静寂感が生まれます。半導体アンプでは、一般的に「100以上あればウーハーを制動する能力は有る」と見て良いです。数値は大きい程、音楽信号に対しスピーカをコントロール(制御)できるアンプと言うことになります。最近では、”800とか1000”と言う値の高級アンプを見かけます。

※古い半導体アンプ、特にプリメインアンプでは半導体アンプでありながらダンピングファクターが40〜60程度と低い機器が多く、近代的なスピーカー(重いコーン紙・強力なマグネット・低能率のタイプ)を鳴らすと制動しきれない為が、低域は出難く、低音をブースとして無理やり出しても締りのない音になる傾向が見られます。

※因みに、このダンピングファクター値は低域用のウーハーに対し多大に影響しますが、中音・高音ユニットには振動板の質量やコイルもが小さいので、逆起電力は皆無とは申しませんが、殆ど影響しません。

◎ネットワーク式を使う限り、ネットワーク部品による音質劣化は、避けられません。これを避けるには、ネットワークを使わない方法しかありません。どの様な方法を使うにしてもマルチスピーカーを鳴らす場合、スピーカーに入力される音楽信号は、周波数分割された音楽信号を各ユニットに供給する必要があります。

◎ネットワークを使った方式でスピーカーをより良い良い音で鳴らす方法は、バイアンプ方式しかありません。バイアンプ方式は2台のパワーアンプが必要になります。バイアンプでは低音域を受持つウーハー専用に1台のパワーアンプを使い、中音域以上用にもう1台のパワーアンプを使います。この時の周波数分割はそのままネットワークを使います。当然、ネットワークの入力端子を分離(別々に入力させる)させておく事は言うまでも有りません。

※市販でも中級以上のスピーカーではバイアンプ接続可能なスピーカーは2系統(ウーハー用とそれ以外)の入力端子が設けてあり、普段は金属プレートやリード線で入力を短絡(ショート)させています。

◎マルチスピーカーを1台のアンプで鳴らす場合、先に記したように全周波数帯域(約DC〜40kHzもの幅の広い周波数)の全てがパワーを伴ってネットワークに供給されます。本来、一番パワーを必要とするユニットは低域を受け持つウーハーです。順に中音域のスコーカー(ウーハーに比べて1/10以下で済む)、一番少ないパワーで済むのが高音域のツイーターです。これは、各ユニットの能率(dB/W)に違いにあります。又周波数が高い程エネルギーは小さくて済みます。

◎低音・中音・高音と信号を分けて考えますと、同じ音圧が必要な場合、能率が3dB違うと必要パワーは2倍違います。例えれば、3Wayの場合、ウーハーが能率89dB/W・スコーカーの能率92dB/W・ツイーターの能率95dB/Wとします。で、必要な音量を出すのに能率の低いウーハーに10W必要だとすると、スコーカには半分(1/2)の5Wを、ツイーターには更に半分の2.5Wで良いのです。この例だと、ウーハーに10Wも供給する鳴らし方は物凄い音量になります。(通常、一般家庭なら大きくて1W程度です)

◎マルチスピーカーを鳴らすのにネットワークの場合、どうしても逃げられない弱点が存在しますので、これを避けるには、先も記しましたが、使わない方法以外にはありません。ただ、どうしても必要な周波数分割をどこで行うかです。それは、小信号(電力が小さい信号)のうちに周波数分割をやっちゃおう・・・と言う方式です。パワーアンプに入力される直前で周波数分割し、それぞれの帯域信号をパワーアンプに送る方法です。パワーアンプは、送られてきた帯域のみを増幅し、余分な信号は増幅しないのでアンプにも優しい方式になります。これをマルチアンプ駆動方式と言っています。

◎先に記した、各帯域やユニットの能率の違いにより必要なパワーが異なる事はもうご存知だとおもいますが、これは低域用ウーハーには100Wクラスで高いダンピングファクターのアンプを使い、それ以外は、25〜50Wクラスで良いのです。(中高音は人の耳は敏感な帯域です。なるべく歪率が低く、 S/N比が高い数値の良いアンプを選択し、パワーより特性重視のアンプが望ましいです。

◎マルチアンプ駆動方式ではパワーアンプの手前で周波数分割するには、パッシブ式とアクティブ式があります。パッシブ式はネットワークと同じ原理のコンデンサーとコイルの組合せのCL方式とあるいは、コンデンサーと抵抗の組合せによるCR方式があります。どちらもパワーアンプ自体のの入力インピーダンスを元に数値を決めます。

◎CL方式は、L(コイル)を使いますのでネットワークと変わらない為、あまり意味がなくパッシブ式ならCR方式をお奨めします。但し、減衰率が-6dB/octが限定です。-12dBや-18dBは定数計算が難しく理論通りになり難く又、信号全体の減衰が大き過ぎる為、お勧めしません。使用する部品は微小信号を扱うので耐電力や耐圧等は必要なく、むしろ精度と品質を重要視して選択します。

◎パッシブ式の欠点はCL方式・CR方式のどちらも全く増幅しない為、-6dB/octの回路でも信号レベルがかなり低くなってしまいS/N比が悪化したり、低能率のスピーカーでは音圧不足になる事です。尚、減衰率が-6db/octだと、電気的位相ズレは少ないので、全体的な繋がりは良くなる気がしますがお互いに干渉する周波数領域(再生周波数が重なる領域)が多くなる分、オーバーラップした領域で相互干渉が起き易く、音として出てきた時に音が引っ込んだり、強調されたりした感じに聴こえザワツイテうるさく感じたりもします。(個人的意見ですが、ツイーター以外は-6dBでは、私好みの音は出てきません)
出てくる音は、好き好きでこのオーバーラップが大きい方が好きな音が出て繋がりが良いと感じるマニアの方も当然おられます。

◎パッシブ式の場合パワーアンプの入力インピーダンスがト−タルで10kΩ以下になる場合は、信号を送り出すプリアンプに負担が掛かり過ぎて、プリアンプの性能によってはプリアンプが損傷する場合もあります。パワーアンプのインピーダンスが50kΩ以上あり全体で10kΩ以上をキープできる場合はパッシブ式が可能です。

◎ここで言う全体とは、例えば2WAYの場合入力インピーダンスが50kΩのステレオパワーアンプが2台あったとします。各パワーアンプの手前でCRにより周波数分割しますと、周波数分割用抵抗Rを50kΩとした場合、パワーアンプの入力インピーダンスと並列回路になりますので、1台のパワーアンプ側はインピーダンスは25kΩとになり、プリアンプから見たインピーダンスはパワーアンプ2台は、並列接続となりますので全体のインピーダンスは12.5kΩになります。プリアンプとしては、12.5kΩの負荷に対して信号を出力しなければなりません。プリアンプは大きな電流を流すようには作られていない為、接続されるアンプのインピーダンスが低いと振幅の大きい信号では過電流が流れ損傷し易くなります。

※友人で実際ににプリアンプから出た音楽信号をパッシブ式のフィルター(-6db/oct固定)を各パワーアンプの入力直前に設けてオールホーン+オールYLドライバー式(低音もドラーバー2基使用+7mコンクリートホーン)4Wayのマルチアンプ駆動(パワーアンプ4台で駆動)を行っていますが、パワーアンプ(半導体式)の入力インピーダンスは250kΩと高くプリアンプの性能も優秀で低負荷(600Ω負荷を保証)にも対応できるアンプを使っていました。

※又、そこに至るまでには「数種類のアナログ式チャンネルデバイダーで試し色々なクロスポイントをテストした結果を-6dB/octのCR式で固定化、接点を無くすため全て半田付けのダイレクト接続にした」と、聞きました。ただ、ホーン自体が固定されている為、音源の位置合わせや位相合わせが無理な為、-6dB/octにせざるを得なかったのでは・・・と、推測します。音的には強烈な解像度(楽器一つ一つが分離して聴こえる)と、当然ですがオールホーンの為、強烈な音圧で前面に出てきます。

※自他共に認める超度級(¥100万以下の機器は存在しない)のオーディオシステムなのですが・・・出てくる音楽は、掛けた費用の割に今一で、細かく申します「と各楽器がゴチャゴチャ・バラバラに聴こえオーケストラ等では、奥行きや広がり感が薄く、演奏者の位置関係が見えてこない」と言った感じでした。(それぞれの楽器が同じ位置からソロ演奏している様に聴こえました)

※私のコメントのせいか分かりませんが、現在は、デジタルチャンデバ式に変更し(-18dB〜-36dBで使用)位相とタイムアライメントを全て合わせていました。アンプには罪はないと思うのですが、更にアンプも全てがヨダレがダラダラ出そうな機器に入れ替わっていました。聴かせてもらいましたが「これなら納得!」の素晴らしい音色に変貌していました。(しかしLPやCDソフト・オーディオルームを含め超が付く程羨ましい限りの品数や装置と機器でした)・・・かなり、話が反れてしまいました。

◎アクティブ式のチャンネルデバイダーはプリアンプとパワーアンプ間で周波数分割する機器です。チャンネルデバイダーは複雑な回路(CRとオペアンプICや半導体・真空管等の増幅素子を組み合わせて作られてます)を用いると記しましたが、プリアンプもパワーアンプもパッシブ式に比べれば遥かに複雑回路ですが特に問題は感じないです。チャンデバには、ボリュームと切換えスイッチ等で増幅と減衰率/クロス周波数変換ができます。簡単に何パターン化の周波数が切換えられますので、ユニットに対し適切な再生周波数と出力レベルが探れます。

◎欠点は、市販品のコンシュマー用チャンネルデバイダーは、やたらと高額です。又、自作も可能ですが自作するには回路が複雑なので多少知識が必要になります。インターネット上やオーディオ雑誌等に自作用記事が掲載されていますので、記事の通りに製作すればかなり安く作れます。又、業務用(Pro用)も安い機器でも十分コンシュマー用に使えるチャンデバもあります。ただ、接続コネクターが基本、Pro規格のXLRコネクター(バランス接続)が主流なので接続時注意が必要です。)

◎又、マルチアンプ駆動方式はアンプの数分だけコストは余分かかりますがスピーカを最大限活かし自分好みの音質を再現する事を重点に考えた場合、究極の方式だと思います。ウーハー用のパワーアンプには強力な電源のアンプ(ハイパワーアンプは出力が大きい分強力な電源を搭載しており、強力な電源搭載パワーアンプなら45W等のアンプでも可能です )を使います。中音以上のアンプには小出力のアンプでかまいません。できればなるべく特性を重視した物が中・高音様に適しています。基本的にはどれも中古や自作アンプでも充分です。(高級な部品を使ったネットワーク式より良くなると思いますョ))

◎ネットワークを使ったスピーカーに比べれば遙かにそのスピーカーユニットの持っている能力を100%近く出し切ってくれると思っています。コストを賭けただけの音質を再現してくれると思います。自分のオーディオシステムが実はこんな再生能力を持っていたのかと思うはずです。この音を一度体験すると、もう・・・ネットワーク方式には戻れません。



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