スターシップ・トゥルーパーズ

劇場版パンフ スタッフ
製作アラン・マーシャル/ジョン・デイビソン
脚本エド・ニューマイヤー
監督ポール・バーホーベン

 ハインラインの名作「宇宙の戦士」を「ロボコップ」のポール・バーホーベンのメガホンで映画化した超大作。思いっきり「右」な感じのさんざっぱら物議をかもした原作は、映画になってもある意味やっぱり物議かもしまくりかも(^^;)。

 ストーリーの展開はほぼ原作通り。たいして主体性もない現代っ子がなぜかもっとも過酷な機動歩兵の新兵となり、激しい訓練の後にいっぱしの兵士として実戦を経験し、成長していく、ってぇお話な訳であります。最近のハリウッド映画でやたら目につく、クルーカットのお兄ちゃんがかっこいいタイプの映画であります。映像的な見所は満載で、フィル・ティペットの手で生命を吹き込まれたクモ型異星人「バグ」たちの動きは天下一品だし、ソニー・イメージワークスの作る宇宙船のCG画像も大迫力。今回は輪切りにされて壊れていく大型宇宙船、ってシーンが新鮮でありました(^o^)。人間とCG生物の肉弾戦も大迫力。これを「ガメラ2」でもやりたかっただろうなぁ(^^;)。 3バカ高校生

 とはいえ、映像的な大迫力とは裏腹に、バーホーベンさんは国家レヴェルでの総力戦と言うものが基本的に胡散臭いものなんである、ということを言いたいようで、そういう意味ではある意味ヤバイ映画かもしれませんこれ(^^;)。一個の人格を国家の望む形に矯正し、命令一下どんなところにも突っ込んでいくマシンに変えられて、望まない形で死を迎えることの無意味さを、からかい半分で撮ってしまった映画、ってのがこの超大作の正体って感じか。

 戦意昂揚ニュースフィルムの多用、どう考えても何も考えていないとしか思えない(^^;)軍の作戦の描写など、映像的な迫力とは裏腹に、シナリオはドライブ感に欠け、最後までイマイチ感情移入しづらい感じなんだけど、これもある意味「狙って」やってることなんでしょうか。「宇宙船」のインタビュウでバーホーベンさん、「ハインラインは一種の皮肉をこめて、この作品を書いたと思うんだ」てな事をおっしゃっておられるが、ほんとかー?(笑)これってバーホーベンのハインライン批判ちゃうんかー??(笑)

 まあ「宇宙の戦士」には小説の世界でも「宇宙兵ブルース」とか「終わりなき戦い」みたいなアンチテーゼ小説が早くから発表されてるわけだし、映画の世界でも昨今の「インデペンデンスなんとか」みたいな「アメリカ強いぞみんな兵隊になってゴー!だぁ!!」てな流れに対して、「ほんとにそれでいいの?」ってな部分があってもいいとは思うんですが、よりによって原作ハインラインでやるかなぁ(^^;)。

 見ごたえはたっぷりなんですが、ちょっとだけ奥歯にものが挟まった状態が続く、って感じでしょうかね。

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